国籍に関するニュースPart2
先日、日本とフィリピンのハーフの人達が国(日本)を相手に訴訟をしていた件について書きました。このハーフ達は海外で生まれた際に親が「3ヶ月以内に届出を出す」事をしなかったがために、生まれた当時は日本国籍を持っていたものの、その後日本国籍を失ってしまい、その件に関し訴訟を起こしていました。が、最高裁は彼らが日本国籍を失った事は差別には当たらないとしています。ハーフ達が訴訟に負け、国が勝った形ですね。
さて、先日コラムをアップした際に、親側の「届出をしない」という「だらしなさ」のために子供が日本国籍を持てないという迷惑を被った、という書き方をしました。
ただ全体を考えると、「だらしなさ」から届出を怠った親もいるとは思いますが、親にも各自色んな事情がある事が考えられるので、書いてみました。(以下、あくまでも「考えられるケース」です)
<フィリピン人母と日本人父のハーフの場合>
a)子供がフィリピンで生まれた際、フィリピン人のお母さんは日本語ができず、パートナーまたは旦那さんである日本人に「生まれた赤ちゃんの届出を日本大使館または日本の区役所に出して」と頼んだが、父親が責任を感じず「やっておくよ」と言ったまま届出は出さず、そのままになってしまった。そのまま放置されてしまった。
b)フィリピンの首都ではなく、フィリピンの離島に住んでいて、日本領事館のない場所だった。日本大使館や日本領事館に行くまでには交通手段が不便だったため、そのまま放置してしまった。
c)金銭的に厳しい状況にいて、上記b)のような場所にいて、首都の大使館や地方都市の領事館までの交通費が出せなかった。
d)インターネットがまだ普及していない時代ということもあり、今のようにネットで簡単に情報収集ができず、「届出は3ヶ月以内」という情報をそもそも知らなかった。
e)子の父親が逃げたり、など恋愛面や、生活面、精神面、健康面での不安要素が母親にあり、それらに気を取られ混乱しているうちに子が生まれた際に届出を出すのを忘れてしまった。
・・・などなどなど。その他にも様々なケースがあるのだと想像します。今回訴訟をしたフィリピンと日本のハーフの人達の親の場合は、どういった事情があったのかは明らかにされていないようですけどね。
が、どんな理由があるにせよ、(親が)届出を出さなかったことで、子供(ハーフ)が後々非常に困るのもまた事実なので、そこはやはり強調したいと思います。「ハーフを考えよう」は「ハーフ達の立場から」「ハーフ達を中心に」考えるサイトなので、あまりに「親」のことを強調してしまうと、結局また振り出しに戻ってしまう、というのもありますし。
親が子が生まれてすぐに届出を出さない&国籍申請をしないことで、後に子供が苦労することを考えると、どうしても親の対応に疑問を感じざるを得ない部分は残ります。けど、もちろん日本国籍が得られなかったハーフの人達の全員の親が「だらしない」というわけではないので、親にも親の事情があったということですね。
が、ひとつ言えるのは、「国の対応は厳しい」ということです。今回のフィリピンと日本のハーフ達の訴訟のケースで最高裁でいわば「親が3ヶ月以内に届出をしないことで子の日本国籍がなくなるのは差別ではない」という判決が出ていますし、子の国籍に関しては本当に実質上「親の責任」になっているんですよね。そう考えると「親がキチンとしていること」(忙しい中でも届出等の実務的な作業を早急に対応できる能力)が求められますよね。
文中にも書きましたが、「ハーフを考えよう」はハーフの立場から考えたり発信する場所であるため、親に対しては多少キツイ言い方になってしまい、すみません。
これからも「ハーフにまつわるあるある」を取り上げていきますので、どうぞよろしくお願い致します。
サンドラ・ヘフェリン
コメント
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何度も言ってしまいますが、子供に罪はないのにな~ --; なんで親の大人の事情に振り回されなくてはいけないのか、と思います。
上記のような理由を抱えた国際結婚夫婦に限らず、そういう夫婦は世界中に存在すると思います。日本国内にも、親のDVなどが原因で無戸籍になってしまう子供たちがいます。
旦那さんは「子供のためにもらえる国籍は確保するのは当たり前」といいます。だけどそれはかなり恵まれた人の部類に入るのではないか、と最近思ってしまいます。上記のような理由で国籍を申請できなかったというケースは実にたくさんあると思います。国によったら特定の民族は虐げられてきたため、住民登録すらできず、福利厚生も与えられないため、自分の国にいながら不法滞在をしているようなもの、という場合だってあるのです。全ての親が「子供のため」と国籍に関しては冷静に行動できればいいけど、そうもいかない場合も多いと思います。
これからは親にばかり国籍取得を即すのではなく、親ができなくても子供が大人になってからでも申請できる、というふうに変えていかなくてはいけないのではないか、と思ってしまうのです。1:29 PM Jannat -
Jannatさん、
コメントありがとうございます。Jannatさんはいつも真剣に考えてくださっていて読んでいてうれしくなります。
Jannatさんが書いていた
>これからは親にばかり国籍取得を即すのではなく、親ができなくても子供が大人になってからでも申請できる、というふうに変えていかなくてはいけないのではないか、と思ってしまうのです。
↑ほんとうにそうですね。法律がゆくゆく変わるといいのですが。。。
「子が生まれたら届出を出すのは当たり前じゃん」という考え方の人も多いけど、その「当たり前」というか「前提」そのものが「無い」人もいる。貧困やその他生活面で混乱していて、そこまで考えられなかった、または知識が全くなかった、とかね。
そういう時、子供が将来困るのは、社会的に見ても本当に困った事ですよね。。子供は悪くないし、なんとも理不尽というか。。。★サンドラ★11:14 AM サンドラ・ヘフェリン -
サンドラさん、初めまして。あと一週間で22歳になる日米ハーフ(息子)の母親です。いつも、サンドラさんの著書&コラムを共感しながら読まさせていただいています。
息子の国籍選択宣言とパスポートについて悩んでいます。息子は日本うう生まれの日本育ち。日米の二重国籍です。都内の大学の4年生ですが、つい最近アメリカ留学から帰ってきたばかりです。現在は就活で忙しくぢています。本人は日本の大学を卒業後、日本で就職し経験を積んだのちアメリカで働きたいと考えており、私達夫婦も応援しています。
そこで立ちはだかるのが、国籍選択とパスポートの問題です。国籍選択に関しては日本国籍選択宣言をして、アメリカ側には何もしないでいようと思っています。かりに、日本で選択宣言をしなくても法務大臣勧告のお咎めはないとちまたで言われていますが、実際のところどうなんででょうか?サンドラさんは積極的に国籍選択宣言をしましたか?親とすれば、踏み絵のようなことを我が子にさせたくはありません。
22歳を過ぎても二重国籍を保持されている方は現実にはかなりいらっしゃると思うのですが、国籍選択宣言をした方が良いのでしょうか?またパスポート申請の時、他国のパスポート保持の記載をもよめられまづが、二重国籍のまま22歳を過ぎてパスポートを取得する場合、何か言われたり問題があるのででしょうか?サンドラさんご自身はどうされましたか?
22歳の誕生日まで、あと一週間。どうしたものか、ギリギリまで悩んでいます。ハーフって、大変ですよね。悩まなくていいところを悩むし、しかもそれが人生を左右する大きな決断だったりするわけですから。7:46 AM 逆さトマト -
逆さトマトさん、
コメントをいただきありがとうございます。以前「法律について(国籍)」というコラムを書きましたので、ぜひご覧になってください。また様々なエピソードをまじえた「またまた国籍について」というコラムも書きましたのでぜひ参考になさってください。
日本の法務省のサイトを読みこんでいくと日本の国籍選択の際、「外国籍を手放すこと」については「努力義務」であり、ここでいう努力義務は本人の任意であるため、また外国籍を手放さなくても罰則はないため、実質上たとえばヨーロッパと日本のハーフの場合20代、30代、40代であっても二つや三つの国籍を持ち続けているハーフが多くいます。お子さんの不利にならないように判断する事は大事ですね。お子さんはアメリカ×日本のハーフとのこと。日米ハーフの30代の人達の現状も聞いた上で情報収集すると良いかと思います。がんばってくださいね★サンドラ★11:52 AM サンドラ・ヘフェリン -
仰ることはよく分かりますが、論点がずれているのではないかと感じます。
私はブラジル生まれですから、フィリピンの方とは事情が違うかもしれませんが、親が留保届を出さなかった事情は、b)c)d)が当たると思います。付け加えると、その当時、両親には日本に帰国する気がなかった、ということがあるのではないかと思っています。その後、事情が変わり、帰国することになったため、ブラジル人として来日することになってしまいました。
国籍を取得する方法には、出生により取得する方法と帰化により取得する方法とがあります。どちらの方法で取得しても、日本人としての権利、義務に違いはありません。裁判で議論されているのは、出生による取得についてであると思います。日本で出生した場合には、14日以内に出生届を提出しなければならない、と決められていることを考えれば、3か月以内に留保届をする規定は、妥当なものと思います。
子供に責任はないのになぁ、とか、国の対応は厳しすぎる、という意見には共感します。Jannatさんが仰るように、子供が大人になってからでも申請できる、というふうに変えていかなくてはいけないのでしょう。そのためのしくみとして帰化という制度が存在しています。
帰化の要件は、具体的な詳細をすべて知っている訳ではないですが、おおざっぱに言うと「日本人として日本で生活し、その義務を果たす意思と能力がある」ということと理解しています。個人的には、この考え方自体に問題はないと思います。ただ、その運用実務が厳しすぎるのではないか?、という問題はありそうです。その点を論点にすべきではないでしょうか?8:22 AM Hiroto -
Hirotoさん、
前回の「国籍に関するニュース」に続けて「国籍に関するニュースPart2」を書いた背景には、「親に対して厳しすぎる」という意見が一部にあったのと、私自身も、子供が生まれて3ヶ月以内に届出を出さない親の事を一言「だらしない親」とひとくくりにするのは良くない、と感じたためです。ですので、Part2を書いた次第です。
なお、帰化については「国籍に関するニュース」のHirotoさんへのレスにも書いておりますが、Hirotoさんの場合は問題なく帰化できたのかもしれませんが、色々と問題のある家庭の場合、後に子が日本に帰化しようとしても、条件を満たしていない事もあります。ですので、「国籍がほしかったら本人が後に帰化すればいいじゃない」というのはHirotoさんの場合は上手く行きましたが、そこまで恵まれていないハーフの場合、そう簡単にもいかない事もご理解していただければと思います。帰化したい人が全員帰化できるわけではないです。
かわいそうなことに、親によって一度「負のスパイラル」に陥ってしまった人達(の一部)は成人してからも帰化の条件を満たしていない事が少なくありません。なので、「親が申請を忘れたら、子供本人が後で自分で帰化すればいいのではないか」みたいな考え方をハーフの子供のいる親にはしてほしくないですね。子供が赤ちゃんのうちに「親が」積極的に動くことを義務と感じてほしいです。・・・っと何回も書いてしまいましたが、今後ともよろしくお願い致します★サンドラ★12:06 PM サンドラ・ヘフェリン -
本件といい、
2008年の国籍法改正に結びついた裁判の件といい
(詳細:http://www16.plala.or.jp/koffice/marriage/magazine/bn049.html)、
ふたつとも共通点として「日本人の父親の顔が誰一人として出てきていない」
ということがいえるかとおもいます。(それこそ大人の事情でしょうけれども)
当事者には凄く気を悪くする表現で申し訳ありませんが、
日本人父親は一瞬の楽しみだけであとはドロン、
残された母子だけが法的知識も日本語力もなく問題解決に悪戦苦闘、
どうもこういう図式が透けて見えるようです。例外的に、日本人父親がきちんと問題に向き合ったのは
わたくしの知る限りでも1991-1996年の「ダイちゃん事件」これ1件だけです。
(詳細:www.asahi-net.or.jp/~ky2o-sksk/daichan/nagare.htm)
ネットもメールもスマホもなかったばかりか、
おおくの弁護士にさえも胎児認知なる制度が全く知られていなかった時代に
父親が「手元で育てたい」という一心で子の日本籍と母親の在留特別許可を勝ち取った稀有な例です。この件、「3ヶ月以内の国籍留保届提出の有無」ではなく「胎児認知か生後認知か」の問題ですが、
「親側の手続きのタイミングで子の国籍が左右される」ところは共通しています。「親の因果が子に報い」とはいいますが、
親の書類手続きに関する怠慢が子の生活基盤すら脅かす事態は
取りうる全てのアプローチをとってでも解消すべき問題の筆頭であるようにおもいます。長くなるといけませんので一旦ここで送信してまた書きます。
11:41 PM Peter改めドクターK -
Peter改めドクターKさん、
詳しく書いて下さってありがとうございます。
ダイちゃんについて読ませていただきました。この件は親が本当にがんばったんですね!
でもそれ以外の多くのケースではPeter改めドクターKさんも書かれているように
>「日本人の父親の顔が誰一人として出てきていない」
ということがいえるかとおもいます。(それこそ大人の事情でしょうけれども)
当事者には凄く気を悪くする表現で申し訳ありませんが、
日本人父親は一瞬の楽しみだけであとはドロン、
残された母子だけが法的知識も日本語力もなく問題解決に悪戦苦闘、
どうもこういう図式が透けて見えるようです。
↑というのが現実であるのが悲しいですよね。国籍のことは親一人ではなくパートナーの協力があってこそのものもありますし。「海外で子供だけ作って、ドロンする男性」は日本人男性に限らず世界的な問題ですよね。もっとクローズアップされてもいいのではないかと思います。女性から見ると、(モラル的な観点からいえば)子供だけ作って、あとは子供の養育費を払わない、国籍の事も知らんぷり、というのは犯罪に近い行為かと。
なので、Peter改めドクターKさんが書かれていた
>親の書類手続きに関する怠慢が子の生活基盤すら脅かす事態は
取りうる全てのアプローチをとってでも解消すべき問題の筆頭であるようにおもいます。
↑に同意です★サンドラ★4:35 PM サンドラ・ヘフェリン -
今だから書きますが、わたくしが生まれた当時、
父がある独裁者の名前をつけようとして母と衝突したため
生後半年は出生届も出されず名無しのままでした。また日本人の父親には結婚出来ない事情があり、母の国の国籍法は父系血統主義のまま、
更に胎児認知すらしていなかったことから
幼稚園に入園する直前まで無国籍のままだったようです。母の国の国籍法が父母両系血統主義に変わってからそこに家族で渡航し
現地の裁判所に母子関係を認めてもらい母の国の国籍を取得し、
そのあと半年ほど滞在してからこちらに帰国しましたが、
出生当時の事情が露見することを恐れたのか、ただ単に面倒だったのか知りませんが、
両親とも国籍については「二重国籍だから心配ない」などと一切本当のことを話してくれませんでした。そうこうするうちに二十歳になったにもかかわらず、成人式や選挙そして国民年金の案内も来ないので
おかしいとおもい法律の専門書をあれこれ調べましたが、
どうやら婚姻届や胎児認知の前に生まれてしまったから日本国籍がないらしいと推定するしかありませんでした。
受験生としては国籍問題について強く言える立場ではなかったのです…大学を卒業する前後になって在留期間、外国人登録、パスポートすべてが更新の必要に迫られ、
親元に必要な書類をお願いしたところ「前回は必要なかったから今回も不要だろう」と書類を送ってもらえず、
こちらが幾らおねがいしても梨の礫、困り果てて級友に相談したところ親元に猛抗議してもらい、
なんとか書類手続きをまにあわせることができました。
すんでのところで強制送還になってしまい大学卒業も大学院進学も水泡になる寸前でした。この件があって大学院入学後すぐに帰化手続きを強く決意し、法務局に相談して書類集めをすすめたのですが、
父はもともと帰化には消極的な立場(その後黙認)、
母方の兄弟の国籍変更を目の当たりにした母の協力もあって3年がかりで母の国からの書類をそろえ帰化申請にこぎつけ
(出生前後の上述の事情は取り寄せた戸籍謄本で知りましたが、なるほどこれは父が隠したかったと推測しています)
翌年になんとか日本国籍の取得にいたりました。このときの父の言葉は
「なんで報告が遅れたのか?」「生後認知しただけでもありがたくおもえ!」でした…外国人をパートナーとする親の一部は、どうも子の国籍問題を軽く考える傾向にあるようです。
すべてがいきあたりばったりで、どこの国で育てるか、子の母国語と国籍をどうするか、
こうした基礎的なプランニングもできていないのでしょう。また帰化経験者としては、簡易帰化といっても揃えるべき書類が多すぎて決して簡易ではないことと、
書類を見ていただく要員が少ないらしくどうしても申請から許可まで時間がかかりすぎることが課題として言えます。
更に出生から今まで住んでいた場所と時期を漏らさず正確に書く必要があるため、
幼時のそれは特に親の記憶に頼る部分がおおきく、自身が高齢だったり親が亡くなったりすると記載困難となり、
帰化申請を断念してしまうケースがあるようです。
運用実務としてはここのところを改善する必要がありそうです。1:00 AM ドクターK -
ドクターKさん、
とても詳しく書いていただきありがとうございますm(__)m
ドクターKさんが書いてくださったような「当事者としての体験談」が一番みなさんの参考になるのではないかと思います。
>両親とも国籍については「二重国籍だから心配ない」などと一切本当のことを話してくれませんでした。そうこうするうちに二十歳になったにもかかわらず、成人式や選挙そして国民年金の案内も来ないので
おかしいとおもい法律の専門書をあれこれ調べましたが、どうやら婚姻届や胎児認知の前に生まれてしまったから日本国籍がないらしいと推定するしかありませんでした。
受験生としては国籍問題について強く言える立場ではなかったのです…
大学を卒業する前後になって在留期間、外国人登録、パスポートすべてが更新の必要に迫られ、親元に必要な書類をお願いしたところ「前回は必要なかったから今回も不要だろう」と書類を送ってもらえず、
こちらが幾らおねがいしても梨の礫、困り果てて級友に相談したところ親元に猛抗議してもらい、なんとか書類手続きをまにあわせることができました。
すんでのところで強制送還になってしまい大学卒業も大学院進学も水泡になる寸前でした。
↑というのを読んでハラハラしました。ほんとうに苦労されたんですね…
それから
>外国人をパートナーとする親の一部は、どうも子の国籍問題を軽く考える傾向にあるようです。すべてがいきあたりばったりで、どこの国で育てるか、子の母国語と国籍をどうするか、こうした基礎的なプランニングもできていないのでしょう。
↑という部分も残念ながら一部の親には当てはまるでしょうね。ハーフの子供を産む場合国籍のことなどは真っ先に考えなければいけないのに、意外とそれをしない親も多いという。
日本国籍への帰化に関しては、簡単に「本人が大人になってから帰化すればいいじゃない?」と言う人もいるので、以下の
>また帰化経験者としては、簡易帰化といっても揃えるべき書類が多すぎて決して簡易ではないことと、
書類を見ていただく要員が少ないらしくどうしても申請から許可まで時間がかかりすぎることが課題として言えます。
更に出生から今まで住んでいた場所と時期を漏らさず正確に書く必要があるため、
幼時のそれは特に親の記憶に頼る部分がおおきく、自身が高齢だったり親が亡くなったりすると記載困難となり、
帰化申請を断念してしまうケースがあるようです。
↑というのを書いてくださって、ありがとうございます。そしてそれらの手続き、本当にお疲れ様でした!
今回、レスが遅くなって申し訳なかったです。これに懲りずに、これからもよろしくお願い致します★サンドラ★5:04 PM サンドラ・ヘフェリン -
サンドラさん、また、興味深いテーマをありがとうございます。
裁判の申し立てをしていた方たちには「国籍法12条撤廃連絡協議会」というブログがありました。http://12jouteppai.blog.so-net.ne.jp/
私はそれを、どうなることかと読み続けていたのですが、2012年12月までの記録で、後は途絶えたままになっていました。
今回、この方たちには反対の厳しい判決が出たということで、大変残念なことだと思っています。この裁判では、わが子に是非自分の日本国籍を継承させたいと、日本人のお父さんたちがとてもがんばっていたようです。
3ヶ月以内に出生届が出せなかったそれぞれの理由を少し書いてあるページもあります。
http://12jouteppai.blog.so-net.ne.jp/archive/201002-1
ページ中ほどの「原告団のプロファイル」こういうことからみていくと、3ヶ月というのはとても短く厳しい規定だと思います。せめて1年の猶予があればまたずいぶん違うと思うのです。
それから、特にこの記述で丸山ダイチ君の例では、
他の兄弟は両親の結婚前の出生のため、国籍法第3条の改正で、フィリピンに居住のまま、親の認知で日本の国籍も取得できたのに、ダイチ君だけ、嫡出子なので日本居住の条件が必要だということで、兄弟の間での不公平感はほんとに大きいことと思います。また、「日本国籍を失った子供にも、第17条で国籍の再取得の権利が認められているので差別とは認められない」という判断ですが、これもこのブログの「国籍法17条のまやかし」というページで、海外に住んでいる子供には、いかにあとからの再取得が難しいか、ということが説明されています。
http://12jouteppai.blog.so-net.ne.jp/2009-10-11「実体を伴わない形骸化した日本国籍の発生の防止が目的である」という最高裁のコメントですが、形骸化を避けたいのなら、もっと他に条項の定め方があると思います。
ドイツ国籍法との比較を出して申し訳ないですが、その第4条4項に、海外で生まれたドイツ人の子供の国籍規定があります。まず、ドイツ生まれのドイツ人から外国で生まれた子供には、ドイツ国内の人と同じように、母のみがドイツ人の場合は出生届で、父のみがドイツ人の場合はその認知届でドイツ国籍取得ができます。
その次の世代(3世代目)、つまりそのドイツ人の親も外国生まれである場合は、その子の出生から1年以内に、ドイツ公館に届ければドイツ国籍がもらえる、ということになっています。こうすれば、全くドイツとは縁が薄くなった世代に国籍が広がっていくことを防げます。ややこしい申請をしてまでその国籍が欲しいかどうかで、その国との心情的な結びつきも量れることでしょう。トルン紀美子
6:31 AM トルン紀美子 -
サンドラさん、コメントありがとうございます。
誤解があるかもしれませんので、私の意見を要約をします。外国で生まれた場合に、一定期間に国籍留保届を出させる規定は妥当であると思います。(3か月という期間が適切かどうかは論点のひとつであるとは思います。)だから、親にきちんとすべきことを求めるのは当然のことでしょう。
しかし、色々な事情で現実にはできない場合もありますので、それを言うだけでは問題は解決しません。そういう問題を解決する道として帰化という制度があります。ただし、帰化を認める要件や手続きは、厳しすぎると思われ、そこの見直しを論点とすべきではないかと考えます。トルン紀美子さんが指摘されている、「ややこしい申請をしてまでその国籍が欲しいかどうかで、その国との心情的な結びつきを図る」というのも考慮すべき点と思います。
10:17 PM Hiroto -
サンドラさん
丁寧なレスをくださりありがとうございました。
わたくしが日本国籍を取ってようやく日本人となったのは、もうかれこれ15年も前のはなしですが、
敢えて今この場で書いた理由は、わたくしのようなケースを今後出さないように、
またこのようなケースが発生してもできるだけ早い時期に円満な問題解決の道筋がつけられるように、という
いわば「予防法学(法的分野における一種の危険防止。最近提唱された新しい概念)」的な意味も考えてのことです。親が国籍問題に気がつくか、web上などで気づいた子の指摘を真摯に受け止めて
子の国籍変更によるトータルの利害得失をきちんと判断したうえで成人前に手続きできればよいのですが、
そうでない場合、特にある一定の考えに強く凝り固まった親のもとでは子は抵抗のすべもありません。
(この点は国籍以外でもいろんな分野で言えることですが…)
また国籍問題はある意味家庭内の問題でもあるわけですから周りの気づきによるサポートにも限界が出てきます。そもそも子どもが自分で国籍問題に気づく機会は限られるかとおもいます。
たとえば16歳になって外国人登録証(2012年以降は在留カード)を作成する、
海外の修学旅行でパスポート作成が必要となり戸籍謄本を求められる、等々…
いずれにしても重国籍ならば在留カードも必要なく戸籍にも本文に自分の名前が載るのですが
(日本国籍をもたない場合は附票という紙片に書かれた名前が戸籍に貼り付けられるだけです)、
わたくしのように親から「二重国籍だから心配ない」などとウソまでつかれて言いくるめられた場合にはどうしようもなく、
成人してから日本国籍がないことに気づくようなケースがあるのでしょう。
こうした場合、成人する前における啓発、あるいは国籍取得の道しるべの提示、といった課題がありそうです。去年でしたか、わたくしなどよりもっと厄介なケースが多発していることを知ってビックリしました
「日本で生まれた日露カップルの子供の国籍の問題」
http://japaneserussiankids.hatenablog.com/entry/2013/11/03/035725
もっとも深刻な一例
http://shoxay.hatenablog.com/entry/2013/06/21/093038
これこそ予防法学の分野で未然に防止、あるいは解決が求められることと強くおもいます。12:37 AM ドクターK -
上記の理由以外に 大使館が何だかんだ理由をつけて受理しないというのもありますよ。私は、自分の勤め先や出身地を理由にそれを息子で某途上国の日本大使館にやられたため、司法や政治の力を借りて当事者の40代高卒三等書記官と大使を罷免させたこともありましたが、この法律に関してはどうすることもできず最後玉虫色の決着をした覚えがあります。
4:09 PM JAMES