私がずっと感じてきたこと。それは、世の中の人達がハーフに対して持っている「イメージ」と、実際にハーフとして生きる「現実」の間には相当なギャップがある、ということ。
世間が抱くハーフのイメージは「ハーフはバイリンガル」、「モデルさんにはハーフが多い」など華やかなものが多いようですが、ハーフの現実は色々大変なことも多かったりします。色々話し合うことで、そのズレというか、ギャップを少しでも埋めていけたらいいな!そんな思いからこのサイトを立ち上げました。テーマ別にコラムも書いてますので、ぜひご覧ください。

NEW「体育会系 日本を蝕む病」(光文社新書)2/18に発売!

2020.2.18

みなさん、こんにちは。

昨年ほぼ引きこもって書いていた本「体育会系 日本を蝕む病」(光文社新書)が出来上がりました。今日2月18日(火)に発売です!

タイトルは「体育会系」ですが、運動会やスポーツの話というよりも、ニッポンの学校や会社などでよく見られる「体育会系的な根性論」とその弊害について書いています。

「ハーフが日本社会で認められるのは自分次第」とのたまう人々

「ハーフを考えよう!」では、ハーフにまつわる色んなエピソードを書いてきましたが、日本ではハーフの人々に対しても「根性論」を振りかざす人が少なくありません。たとえば、ハーフの子供や、思春期のハーフ、20代のハーフの人が「いじめ」や、日本社会での自分の立ち位置について悩んでいると、どこからか必ず「お説教する大人」が現れます。彼らは決まってこう言います。「ハーフを活かすも活かさないも自分次第。ハーフだから自分はかわいそうだとかウダウダ言っていないで、自分で頑張って、周りを見返しなさい。」「日本人ではできない何かをあなたが成し遂げて周りをアッと言わせなさい。」— 私から見ると、こういう言い草こそ、まさに「体育会系的な根性論」に基づいたものです。

そこには「どんなに周りの状況が悪くとも、本人にヤル気さえあれば、何事も達成することができるんだ」という根性論が根底にあります。一歩間違えると、先の大戦を思わせるような思考回路です・・・

上に書いたことと矛盾するようですが、実は私は「やればできる」という発想は嫌いではありません。けど、それは「自分で自分に言い聞かせる場合」に限ってです。

でもハーフでない人がハーフの悩みについて説教したり、叱咤激励するのは違うと思っています。そこはまず真剣に当事者の悩みに耳を傾けることが大事で、大人の説教など不要なのです。

仕事に関しても同じです。いわゆる仕事大好き人間が、「私は24時間仕事のことを考えるのが好き!仕事のための徹夜なんて当たり前!」と考え、自分でそのような仕事中心の生活をするのは良いと思いますが、そういったことを部下や同僚に強いた瞬間にそれは「ブラックな根性論」になってしまいます。

今、日本では技能実習生に対する人権を無視した働かせ方が問題になっています。雇用主であるニッポンの中小企業の多くが資金繰りに苦戦していることも原因ですが、やはりそれだけではなく、「体育会系的な根性論」が根底にあるのだと思います。そこには「日本で雇ってやってるんだから、恋愛や友達付き合いを制限するのは当たり前」「貧しい国から日本にやってきて、働かせてもらってるんだから、覚悟をもってもらわないと困る」というようなトンデモ理論がまかり通っていたりします。ここでは「体育会系的な根性論」が「人種差別」とセットになっていたりするのでタチが悪いです。

今「新型コロナウィルス」が流行していますが、日本では会社員が熱があるのに出張に出かけたり、医者が熱があるのに解熱剤を使用して引き続き診察をしていたりと、「休む」という発想がないことが問題視されています。「体育会系的な根性論」を盲信してきた人が多いため、「風邪ぐらいで休むのは仕事をナメている」というような風潮がニッポンでは今にいたるまで幅をきかせてきました。ただし。コロナウィルスは深刻な病気で、もちろん根性論で乗り越えられる病ではありません。「調子が悪いなと思ったら、仕事を休む」ことがもっと普通になるといいですね、ニッポン。

・・・長々と書いてしまいましたが、あなたの人生で体育会系的な根性論に苦しまずに済むためのコツやヒントをこの本に盛り込みました。「体育会系 日本を蝕む病」をぜひよろしくお願いいたします!

サンドラ・ヘフェリン