団塊世代の親に悩むハーフ(国籍問題)

2011.12.26

前にハーフの人生は色々大変だから、ハーフの子供にはたくさんの武器を持たせてほしい、と書いた。たとえば日本語以外に英語ができたり、またはその他の外国語ができれば、その語学能力は「武器」になる。では、ほかには何があるのだろうか?

ハーフとして持てる言語以外の「武器」。

それはズバリ「国籍」だ。

国籍は非常にセンシティブなテーマなので今まで書くのを避けてきたが、親としてハーフの子供のために何かできる事があるとしたら、それは両親の国籍を「両方とも」子供に持たせてあげることだ。

例えば日本とアメリカのハーフだったら、日本の国籍とアメリカの国籍を両方とも子供に持たせてあげる。子供が大人になったら好きなほうを選ばせる。

これを読んで、そんなの当たり前じゃないの?と思う方もいらっしゃるかもしれない。でも実はこれ、そんなに当たり前ではないのだ。

あるハーフの女性、Bさんの話。Bさんは、父親が団塊世代の日本人、母親がヨーロッパ某国出身。Bさんが生まれた時、両親は日本の国籍のみを申請し、母親の出身国であるヨーロッパ某国へは届出を出さなかったため、Bさんにはその国の国籍が無い。子供の時から日本国籍のみを持っている。実はBさんが生まれた時に、団塊世代である父親(日本人)が、「俺の子だから、日本人だー!」と言い張ったため、ヨーロッパ某国の国籍は申請しなかったとのこと。「俺の子だから日本人だー!」というのはその世代の父親にありがちな愛情表現だと思うのだが、これは非常に問題のある考え方でもある。父親からしたら「俺は日本人!だから、僕の奥さんが外国人でも、子供は日本人!!したがって俺の子は日本の国籍だけで良い。日本以外の国の国籍は必要無い。」のかもしれないが、子供(ハーフ)本人にとって、そんなことはない。

Bさんは大人になって、母親の出身国であるそのヨーロッパ某国に住みたい、と思うようになったのだが、その国の国籍が無かったため、手続きが難航した。日本人として日本国籍でその国でビザを取り滞在すればいいじゃないか、と考える方もいるのでしょうが、Bさんは親に対して「やっぱり自分に国籍の選択の余地を与えてほしかった」と感じている。

またBさんは、母親の出身国であるヨーロッパ某国に長期にわたり住む事が国籍の問題から不可能である事が分かった後、自分が子供時代を過ごした事もあるアメリカに住みたいと思った。ただその際にも、日本国籍よりも母親の出身国であるヨーロッパ某国の国籍でアプライしたほうが簡単である事が分かりBさんは落ち込んだ。「なんで私にはその国籍がないの?なんで親は手続きを怠ったの?」と。

また、これはBさんの事ではなく一般的な話だが、「仕事」の事を考えた際に「国籍」は親が考える以上に影響力があったりする。なぜなら、仕事の応募条件が「日本国籍であること」となっている仕事もあれば、仕事の応募条件や採用基準が「EU圏の国籍のある方のみ」となっている仕事もあるからだ。これはもう本人の努力ではどうしようもないわけで、国籍が無ければその仕事を諦めるしかないという事だ。仕事は本人の能力、つまり語学能力やその仕事に求められる専門的なスキルだけで決まると世間では思われがちだが、意外と国籍も理由で採用に至ったり、逆に国籍が理由で採用が見送られることがあるのが現実である。

ハーフの子が大学に入り18歳ぐらいで将来のことを考え始めた時にどういう職業を夢見るかは、親はあらかじめ分かりません。その職業にどういう国籍が求められるかも、あらかじめわかりません。だとしたら、親としてハーフの子供に最低限してあげられることと言ったら、生まれた時に両方の国(パパとママの国!)の国籍を子供に持たせてあげることだ。ハーフ本人が成人した時に選択をする余地を与えてあげることだ。

さて、先ほどのBさんに話を戻すと、Bさんは「なんでパパは私が生まれた時に両方の国の国籍を申請しなかったんだろう。もし両方持っていたら私が大人になってから国籍を選ぶ事ができたのに。選ぶ余地を与えてくれなかった事に関しては私は親を恨んでいる。」と話す。Bさんはお父さん(先ほどの団塊世代の日本人)とは仲良し親子で、この国籍以外のことでは親に感謝しているという。そして仲良し親子だからこそ、お父さんと二人で飲んでいる時に言ってみた。「なんでパパは変なプライド(俺は日本人だー!よって俺の子供も日本人!俺の子に日本の国籍以外に外国の国籍は必要ない!)にこだわって、私にママの国の国籍をあたえてくれなかったの?どうして私に選択の余地をくれなかったの?」と。自分の気持ちを説明したら、パパは「ごめんね」と謝ってくれたそうだ。いい話だと私は思うが、Bさんは「謝られても、どうにもならない事なので、なんだか納得いかない。」と厳しい。

でもやっぱり私もBさんの気持ち、分かる。親の変なプライドや思い込みのせいで自分に選択の余地が与えられなかった、という理不尽さは本人にしか分からない辛さなのかもしれない。

このコラム、タイトルが「団塊世代」となっているので、これを読んでカチンとくる方もいらっしゃるかもしれませんが、「団塊世代」というよりは「団塊世代風の考え方」が問題なのかもしれない。団塊世代は前の世代よりも国際結婚をしたり、ハーフの子供を生んだり、と、革新的なことをしてきたのに(学生運動しかり)もかかわらず、自分の中の幹の部分は実はまだまだ保守的で「ウチの子は日本人!」などと勝手に決めちゃっているところが「団塊世代風」なのかもしれない。(反対意見もあるかと思いますのでどうぞご意見書き込んでくださいね。)

・・・・というわけで、本日のまとめは以下の通り。

国籍の事は親が勝手に判断すると、子供に後々恨まれる可能性がある。子供が生まれた時に親が「ウチの子はこの国籍でいいや!」と独断で決めるのではなく、なるべく子供が将来自分で国籍を選べるようにしたい。

国籍に関しては、色々こみいっているので、また色んなケースをこのコラムで取り上げていきたいと思っています。またちょくちょくのぞいてみてくださいね。

                           サンドラ・ヘフェリン

コメント

  • ハーフと国籍問題は切っても切れない問題だよね。。。

    ただ、今回の記事私にはちょっとしっくりこなかったので、コメントするね。

    ていうのも、私はBさんと同じで団塊世代の日本人父親がいて、産まれたときに日本の国籍しか授からなかったから。
    でもそれは、Bさんのケースの様に日本人としてのプライドなんかではなく、二重国籍を持っている子供は20歳になった時点で国籍を選択しなければならない為。
    私の両親は私のことを思い、「20歳で国籍を選ぶのは若すぎる。それならばいっそ国籍を一つだけにしておき、何歳になってももう一つの国籍が選べるようオプションを広げておこう」という理由だった。
    私は21歳になった時、母側の国籍(スペイン)を申請した。母の国では重国籍を認めているので、今現在私は日本とスペイン、両方の国籍を持っている。

    私の周りには20歳で国籍を選び一つしか国籍がない友人もいるなか、こうした両親の考えにとても感謝している。両親のおかげで、20歳で国籍の選択に迫られることはなかったし、好きな時にスペイン国籍を取得できるというオプションを与えてくれた。

    子供に国籍を一つしか与えない親が「うちの子はこの国籍でいいや」ではなく、「なるべくオプションがあるように」と考えている親もいるということを伝えたいです。

    PS:20歳で国籍を選ぶことについて、実はまだ疑問なのだけれど。。サンドラは20歳で国籍を選ぶことについてどう思う?どうやらそのまま2つとも持っているっていう人も多数いるみたいだけど。私は両親に賛成で、20歳は国籍を選ぶにはまだ若いと思うのだけれど。

    8:54 PM anna
    • annaさん

      コメントありがとうございます!

      annaさんのコメントを読んで、ハーフは個々本当にみんな事情が違うのだなー、と思いました。例えば私にとって、annaさんが書かれていたような「21歳までは日本の国籍のみで、21歳で新たに申請をしてスペインの国籍も得た」というやり方は初耳でした。ドイツと日本のハーフでは、私はこういう話は聞いた事がないので、もしかしたら国と国のコンビネーションによって違うのかもしれませんね。

      いずれにしても、annaさんは21歳でスペインの国籍をとれたのですから、annaさんのご両親はannaさんが生まれた時にキチンとスペイン側に出生届を出していたのだと思います。私がコラムに書いたBさんの場合は、そもそもBさんが生まれた時にヨーロッパ某国へ出生届等の書類を一切提出しなかったため(届出をしなかったため)、そのヨーロッパ某国でBさんは「存在しない人」になっています。そしてBさんの場合、今30代で新たにそのヨーロッパ某国の国籍を得ようとした場合は、移民が新たに国籍を得る時と同様に、自分の今までの国籍(Bさんの場合は日本国籍)をギブアップしなければならず、annaさんのように日本国籍を持ったままヨーロッパの国の国籍を持つ、という形は取れません。また、その国の言語をある程度出来る事が国籍取得の条件になっていることなど、条件がかなり厳しくなっているみたいですね。

      あと追記のP.S.の部分ですが、最近は20歳ではなく22歳までに選択するようになっているようです。★サンドラ★

      12:51 PM サンドラ・ヘフェリン
  • どちらも持っていて得をするのなら持たせるべき!
    私の旦那さんが欧米人だったら迷わずどちらも持たせるけど!

    うちの場合、以前も書いたようにバングラ国籍は結果「損」をしてしまうので、娘には日本国籍のみです。本人がバングラデシュに住みたい、と言った時は持たせますが、今は日本国籍のみのほうが断然便利!海外旅行もしやすく、学生ビザが下りやすいため、留学もしやすいです。
    確かに国籍が就職を左右するのも事実。日本では、今でこそ緩くなった企業が多いものの、日本国籍を持っていたほうが断然有利!
    欧米で何のコネもなく日本国籍のまま、働くのは大変でしょうが、日本の欧米系外資に勤めて海外への転勤があった場合、ビザの問題はバングラ国籍よりも圧倒的に少ないです。

    国籍の問題、というより、国籍を変えることの価値観について、団塊世代よりも前の私の親と以前言い合いになったことがあります。子供が外国人になるのが耐えられないのか、戦争になった時に日本に帰ってこれなくなる、アイデンティティを見失う、と言われました。
    その時点で日本人としてもアイデンティティはすでに見出せませんでしたから、どうして日本国籍のままでいることにこだわるのか、理解ができませんでした。
    私自身、利便性を伴うのなら国籍を変えることに抵抗がありません。今は日本に住んでいるので日本国籍のままにしていますが、欧米に住み続けるのであれば、欧米のどこかの国籍を取ってしまうと思います。実際、欧米に住んでいるパパの親戚や友達は、欧米の国籍を取得している人達が殆んどです。

    団塊世代に限らず、上の世代は自分の子供は日本人。それ以外にはなれない、というこだわりがある、と感じてしまいます。

    私は自分の娘が日本国籍でなくなっても構いません。どこに住んでも、なに人になっても自分の娘だし、娘と私は別人格だからです。
    また、利便性を考えると国籍も、とりあえずでいいから取って得するものは取っておくべき、と思います。うちの場合は日本国籍だけ、のほうが断然「お得」なので取得していませんけどね --;

    11:16 PM Jannat
    • Jannatさん

                                                                私もJannatさんと同じ考えです。

                                                                Jannatさんが書かれていた、バングラデシュの国籍だと不便だという事も理解できます。というのは、国籍は必ずしも「その国の人としての誇り」の問題ではなく、例えば出張が多い人などにとって国籍は「利便性」の問題でもあるからです。日本に住んでいる知り合いの中国人は、国籍が中国籍である事から、外国(欧米等)への出張の際にビザの手続きが日本国籍とは比べ物にならないほど大変でした。その女性は現在は日本に帰化しています。

                                                                あと、バングラデシュとは関係ありませんが、ドイツの話。ドイツにいる「ドイツ×独裁政権下の国のハーフ」の場合、子供をドイツ国籍のみにし、その独裁政権下の国の国籍はあえて申請しない親もいます。というのは、これはドイツの外務省も注意を呼びかけているのですが、その独裁政権下の国を訪れ万一その国で逮捕された時に「ドイツ国籍のみ」を保有していると、ドイツの国が保釈のために動けますが、その独裁政権下の国の国籍も持っていると、ドイツ政府は動けないからです。(地元の人として地元の裁判で裁かれる。たとえ理不尽な逮捕でも。)だから野蛮だと感じる国の国籍はあえて取得させない親もいます。

                                                                でも、日本×EU圏内の国のハーフなら、独裁政権の心配はありませんし、とくに申請しない理由が見当たらないですね。

                                                                >私自身、利便性を伴うのなら国籍を変えることに抵抗がありません。今は日本に住んでいるので日本国籍のままにしていますが、欧米に住み続けるのであれば、欧米のどこかの国籍を取ってしまうと思います。実際、欧米に住んでいるパパの親戚や友達は、欧米の国籍を取得している人達が殆んどです。

                                                                ↑これですが、保守的な人が聞いたら卒倒しそうな意見ですね(笑)といいつつ、私もJannatさんのように現実派です!

                                                                >団塊世代に限らず、上の世代は自分の子供は日本人。それ以外にはなれない、というこだわりがある、と感じてしまいます。

                                                                ↑日本人が外国の国籍を取ることについて、ケシカランと心の底では思っている人が少なくないです。「日本を離れること」「日本以外の外国の国籍を持つこと」イコール裏切りみたいに感じるのかもしれませんね。私は色んな国の色んなことを知ることは世界が広がる事だと思っている(そして色んな国を知るためには残念だけど、日本を離れなければいけないことだってある)ので、なんだかなあ、とは思いますね。

                                                                >私は自分の娘が日本国籍でなくなっても構いません。どこに住んでも、なに人になっても自分の娘だし、娘と私は別人格だからです。

                                                                ↑ああ、これは素晴らしい考え方ですね(感激)。そう言ってくれる親ばかりではないですからね、世の中。
                                                                またお話しましょう~★サンドラ★

      1:28 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 今回もとても面白く読ませていただいた!!
    拍手!!

    コレは、ハーフばかりじゃなくて、自分の子供を自分の所有物として見る傾向が、、、、やっぱり団塊の世代の日本人にはあるんだよ。
    国籍にしても、職業にしても、結婚相手にしても、子供の人生は子供に選ばせるというヨーロッパでは当たり前の考え方が日本にはまだ浸透してないよね。
    20歳はまだ若いと言っても、選挙権与えられてる年齢なんだから、親は本来は20歳までに、精神的に自立して責任能力のある子供を育てるべきだと思う。

    ちょっと話がズレてしまった。
    国籍の話に戻ると、私の場合 母親が日本人だったので、私の生まれた当時、日本国籍はもらえなかった。なので、ヨーロッパ圏の国籍が最初の国籍。法律が変わると共に日本人になったけど、親の離婚も重なったので、ヨーロッパ国籍はそのまま放置で、埋もれてしまう。
    高校生の時、当時16歳くらい。私は自分の意思で、一人で在日本大使館に行って、私の父親はここの国の人なんだ。国籍をくれと頼んだら、、、データを色々と探してくれて、時間はかかったけど、国籍とパスポートを作ってくれた。

    ハーフも10人いれば、10個ちがうストーリーがあるんだろうね。
    いつもコラム楽しく読ませてもらってるよ。

    2:19 AM ジョイア
    • ジョイア

                                                          ありがとう~。

                                                                なんか国籍のことを書いてたら止まらなくなってPartⅡもアップしちゃいました・・・このテーマは話が尽きないね。そして国籍に関して不思議なのは法律の専門家も人によって言うことが違ったりすること。解釈の問題であったりすることが多いみたい。あとは日本の法律と、外国の法律との間で揺れてる感じ。例を挙げると、日本側がたとえば「日本国籍を持ち続けたいなら他の国籍を放棄してください」と言ったとしても、放棄できない国籍もあるんだよね。たとえばスイス国籍は、一度スイス人は一生スイス人で、他の国籍のためにスイス国籍を放棄する事は不可能。

                                                                しかしジョイアは行動力のある子供(16歳は子供じゃないか・・・^^;)だったんだね。自分の意思で大使館に行って、お父さんはこの人です、書類はこれです、っていうの素晴らしい行動力!

                                                                ハーフの国籍の話になると、ハーフはいいなあ、いっぱい国籍持ってる人もいて!なんて思われがちだけれど、ジョイアも書いていたみたいに、生まれてポーンと国籍を二つ三つ持てる人ばかりではなくて、そこには時代によって法律の壁があったり親の離婚があったり色んな過程があるんだよね。それをもっと世間に知ってほしいなあ。でないと理由なく「うらやましい」と言われている気がするよ★サンドラ★

      4:37 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 本当にその通りだと思います。
    僕にもアメリカに住んでる、日系2世の友達が何人かいますが、彼らも、両国籍持っている人と、アメリカ国籍のみの人がいます。 
    日本国籍を持っている日系人は、日本に親近感があり、しょっちゅう日本に遊びに来るのに対し、アメリカ国籍のみの日系人は、あまり日本に親近感をいだいていないようで、日本語もあまり話せません。
    同じ2世で、このような差がでるのは親の影響だと思います。 
    アメリカ国籍しか与えなかった、日本人(1世)のご両親にその理由を訪ねたことがあるのですが、『面倒くさかったし、アメリカで暮らすのだから、日本国籍は必要ないと思った』と言いました。
    僕はそれを聞いた時、なんて安易で、もったいないことをするんだろうと悲観しました。 確かにアメリカで暮らすんですから、アメリカ国籍を優先するのは解ります。 しかし、2世の気持ちを考えずに、『面倒だからとか、必要ない』という一方的な親の偏見で、二重国籍のチャンスを摘んでしまうのは間違っていると思います。 
    だって二重国籍にしたからといって損することはないじゃないですか。 どちらかというと利点の方が多いと思います。 
      
    日系2世達は、子供ながらに、自分に日本国籍があるかどうかで、当然、日本を見る目も変わってきます。 
    当然日本国籍がある方は、日本に親しみを感じ、いつか行ってみたいと思いますし、逆に日本国籍がない方は、それほど日本を意識しません。 なぜなら『自分は完全なアメリカ人』と思ってるからです。 

    やはり子供が生まれた時に、両方の国籍を与えられるなら、絶対与えておいた方がいいに決まっています。

    ※この話はハーフではなく、純粋な日本人の両親から生まれた日系人の話です。ですから余計に日本国籍を与えなかったことについて悲観してしまいました。

    2:28 PM Shuhei Shigeno
    • Shuhei Shigenoさん
      Shigenoさんの書かれていたこともハーフの状況と似ていますね!
      やっぱり言いたいのは、親は子供にできるだけチャンスを持たせてあげたほうが子供が後々嫌な思いをせずに済む、ということですね。それをShigenoさんが書いたみたいに、面倒だから、とか、この子の将来は絶対に「この国」にあって、将来「あの国」に行く事はないから、と親のいわば勝手な解釈で決めるのはどうかな、って思いますね。子供自身が大人になった時に決めればいい事ですしね。
      このテーマを考えるとき、Shigenoさんみたいにオープンな考え方の人がもっと増えるといいな、なんて思います。★サンドラ★

      4:49 PM サンドラ・ヘフェリン
  •  かつて、危険で怪しげな国々に、ジャーナリストであることを隠し、偽りの身分で潜入してリポートを書いていたころ、いくつもの国籍のパスポートを持っていたら便利だなあと思ったことがありました。パスポートがひとつしかなくて、身分がばれたら当分のあいだ潜り込めなくなってしまうからです。 実際、パスポートを何冊も持って、うまく使い分けて仕事をしているジャーナリストに会ったことがあります。
     しかし、そういうジャーナリストでも、お前は何人かと訊かれれば、ひとつの国籍しか答えなかったはずです。(国籍と言うと語弊があるかもしれません。自分が一番心地よく落ち着いていられる場所といった感じかもしれません)つまり、国籍やパスポートをいくつも持っていても、自分自身のアイデンティティはあるものです。
     その根っこにあるものは、長く育った土地だったり、夢の中で無意識に考えるときに使っている言葉とか、人によって様々だと思います。どんな人種、どんな混血であろうと、アイデンティティのない人間は可哀想です。単に、日本を離れてドイツにビザなしで長期滞在できたら便利ということだったら、おおげさに議論するほどのことではないんじゃないかなあ。たかだかビザの問題だったら、どうにでもなるし、ビザがダメでも長期滞在する抜け道など、いくらでもあるはずです。そうやって楽しそうに外国に住んでいる人を知っているんじゃないですか。
     ボクは日本人ですが、窮屈な日本社会から抜け出して、どこか他の国に住みたいと、しばしば思います。 国籍など、どうでもいいですが、お前は誰? と訊かれたら、きっと日本人と答えるでしょうね。
    問題は、そこのところだと思います。国籍だとかパスポートじゃないんです。 自分というものをしっかりと把握することです。
     ハーフであれば、両親の国にアイデンティティを感じるかもしれません。両親ともハーフであれば、計4つの国になるかもしれません。そんな人は日本ではまれでしょうが、ヨーロッパやアメリカ、アフリカや中東、つまり日本を除けば、どこでも、それほど珍しいことではないでしょう。 
     ハーフだろうが、2x2 だろうが、4x4だろうが、そんなこと、どうでもいいんです。 自分をしっかりみつめることが大切なのです。
     それができないハーフだったら、両親の教育に問題があったかもしれません。そういう場合こそ、親を問い詰めるべきでしょう。
     ところで、ボクは団塊の世代ですが、子どもの国籍選択と世代には、なんらの因果関係、脈絡もないと思います。保守的な人間、革命的な人間はどんな世代にもいるはずです。どんな世代、国にも、いいやつといやなやつがいるように。

    6:26 PM mustafa suzuki
    • mustafa suzukiさん

                                                                前に鈴木さんに「サンドラはナニ人なの?ドイツ人?日本人?」と聞かれ、私が「どっちも!」と答えたら、「それはおかしい。人間、アイデンティティーはひとつ。」と鈴木さんに怒られたことを思い出しました(笑)

                                                                しかし私はドイツと日本の両方の文化に触れながら育っているので、この「両方」というのが本当の気持ちなのですが、アイデンティティーはやはり「一つ」でないとダメなのですかね・・・。日本とドイツは文化面でお互いに違う部分も多いので「私はドイツ人であり同時に日本人である」というのは矛盾する発言なのかもしれませんが、その矛盾する二つの文化と幼い頃から触れてきたのが「ハーフ」なのです。(もちろん小さい時から一つの文化にしか触れてきていないハーフも多いですが。)長年両方の国と両方の文化に触れ、言葉も両方を話し、かつ両親もドイツ人と日本人なら、アイデンティティーの面で「私はドイツ人&日本人!両方!」というのがある意味「自然な流れ」なのかもしれません。

                                                                前に女性週刊誌を立ち読みしていた時に、雅子妃が帰国子女でありながら日本に帰国後はインターナショナルスクールではなく、日本の学校へ編入した事について書かれていました。雅子妃のお母様が「インターへ入れて娘が根なし草になると困るから」と語っていました。しかし色んな国を行き来して、学校も色んな場所で通ったハーフの多くは、そういう意味では間違いなく「根なし草」であり、自分のアイデンティティーを一つにしぼる事のできない、鈴木さんの言う「可哀想な人」なのかもしれません(笑)。

                                                                鈴木さんの書いていた

                                                                >保守的な人間、革命的な人間はどんな世代にもいるはずです。どんな世代、国にも、いいやつといやなやつがいるように。

                                                              
      ↑は確かにそうですね。年齢が若くても保守的な人は保守的ですしね。

                                                                しかし危険で怪しげな国に偽りの身分で三伏取材、大変ですね。読んでるだけでドキドキ&ワクワクします。また付き合ってください★サンドラ★

      11:24 AM サンドラ・ヘフェリン
  • 国籍がどうであるかということは、ハーフの皆さんにとっては切実な問題なのですね。これまで漠然とこのことを考えなかったわけではありませんが、今回のコラムでよく分かりました。また余計知りたい事ができました。まず、団塊の世代の親の考え方が事情を複雑にする要因でありうることを、サンドラさんはBさんの例を挙げて書いているのですが、団塊の世代の僕としてはやはり何かを言わないわけにはゆきません。

    厳しい進学・就職競争を乗り越えて、結婚もその延長線上にあったのでしょう。他の世代より達成感あるいは獲得感が強かったのかも知れません。国際結婚であれば一般的にはチャンスが少ないのですから、なおさらのことであったのかも知れません。若い頃、高度成長期を経て、経済的そして更に文化的もに日本人であることを誇りに感じた時代でもありました。そして妙な優越感を持ってしまった人もいたのだと思います。Bさんのお父さんがその典型のような印象を受けました。それですから気持ちを理解できないわけではないのです。(仮に僕がこのお父さんの立場であったら、きちんと2つの国籍を申請したと思うのですが。)

    Bさんの場合は一例ですが、一般的にハーフの子供が片方の国籍しか申請しないのはどのような場合が多いのでしょうか。子供が生まれた時に両親の住んでいた国、家庭内で話される言葉、両親の間の力関係や発言力の強さ、というようなことにも左右されるのでしょうか。やはり父親の国が多いのでしょうか。サンドラさんは子供の将来を親が考えることの重要性を言っていますが、親の夫婦間での相手への思いやり、そして更には相手の国の文化への理解というようなことも関係してくるのでしょうか。その辺り知りたいところです。また、統計的には日本で生まれるハーフの子供の何割が2国籍の申請をし、何割が日本国籍だけの申請なのでしょうか。興味あります。国によっては2国籍とれない国もあるのですか。

    サンドラさんはハーフの子供が片国籍の時のデメリットを強調しています。これは裏を返して考えてみると、二重国籍で子供を過ごし、大人になってどちらかの国籍を選ぶことの大きなメリットを言っているのではないかと思うのです。自分でたとえ二者択一であれ国籍を選べるなんて、何とすばらしいことでしょうか。普通に生まれた日本人にそれはできません。Bさんのように悩みを持ち、親と葛藤する機会もないのです。

    7:40 PM JUN
    • JUNさん

                                                                さっき読み返していて、私が書いたコラムよりも、皆さんの書き込みのほうが数倍おもしろいなー、なんて思いました。

                                                                そして団塊世代のJUNさんからのコメント、貴重です!Bさんのお父様に関しては珍しく日本の学校ではなく当時でいうインターナショナルスクールのような学校に通われていたようです。ですが英語もでき奥様も外国人で英語の使う仕事をしていた事が逆に「僕は日本人!」という彼(お父様)の気持ちを強くさせたのかもしれませんね。「自分は典型的な日本人の経歴ではなくても自分は日本人!よって娘(ハーフ)も日本人だ!」というふうに。

                     

       よくブラジルなどの南米に何世代も前からいる日系人のほうが天皇陛下を尊敬したりなど「日本にいる日本人より日本人らしくなる」人が少なくないと言いますが、それと似た心理なのかと推測します。典型的な日本のものとは離れているからこそ、「日本」というアイデンティティーにこだわるというか。

                                                                さて、JUNさんの以下の質問

                                                                >一般的にハーフの子供が片方の国籍しか申請しないのはどのような場合が多いのでしょうか。子供が生まれた時に両親の住んでいた国、家庭内で話される言葉、両親の間の力関係や発言力の強さ、というようなことにも左右されるのでしょうか。やはり父親の国が多いのでしょうか。

                                                                ということに関してですが、片方しか国籍を申請しない理由は様々です。わかりやすい例だと、以下のような理由があります。これ以外にも沢山あるかもしれません。

      ①生まれたばかりの小さい子供を抱えて地方から都会の大使館へ行って手続きするのが困難だった、面倒だった、②ずっと今居る国に子供も住むと思ったから、パートナーの国の国籍を子供に与えるのは必要ないと親が思った、③パートナー(たとえば欧米人)が、「ウチの子は欧米人だからアジアの国籍は必要ない!」と言った、だから日本の国籍は申請しなかった。(←人種差別的な考え方ですが、こうハッキリとは言わないまでもそう考える人もいます。)④子供に日本の国籍があると、将来離婚の際に子供が日本へ誘拐されてしまうかもしれないから、欧米人の親が『子供を日本の戸籍に入れるな!』と言った。⑤片方の親が独裁政権下の国の出身だと、子供の危険を考え、あえてその国の国籍は申請しない親もいるようです。理由は、たとえばドイツ×某独裁政権下の国のハーフの場合、そのハーフが「ドイツ国籍のみ」を保有し独裁政権国家に入国し何らかの理由で逮捕された際、ドイツの政府は保釈のために動けるが、その人がその国(独裁政権の国)の国籍も持っていると地元の人として地元の裁判で裁かれる、ドイツの政府は動けないため。

                                                                JUNさんが書いていた「申請する国籍はやはり父親の国が多いのでしょうか。」という点に関しては、少なくとも団塊の世代の親の場合はそういったケースが見られます。コラム『ハーフの国籍問題PartⅡ』の真ん中あたりにその背景を書いているので是非ご覧ください。

                                                                あとJUNさんがされていた質問ですが、国籍に関しては親のその国に対する気持ちも関係してくるとは思いますよ。たとえば自分が日本人である事に誇りを持っていると同時に、子供にも日本の部分を伝えたい、と強く思っている親なら子供の日本国籍を申請するし、同時に子供のもう一つのルーツであるパートナーの国も尊重していれば、その国の国籍(たとえばドイツ)も申請すると思います。団塊世代の中の一部の欧米コンプレックスを持っている日本人がハーフの子供を持つと、自分が日本人でありながら日本をどこかで見下し「ウチの子はドイツの国籍のみ必要!日本のなんか必要ない。」と考えがちだった人もいるようです。

                                                                JUNさんの質問されていた「日本で生まれるハーフの子供の何割が2国籍の申請をしているのでしょうか?」というのは、統計は無いかと思われます。アンケートの形での統計(「あなたの子供は日本以外にどの国の国籍を申請しましたか?」という形など)はあるかもしれませんが・・・。

                                                                またお話しましょう!★サンドラ★

      1:33 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 前から読んでいたブログですが、初めてコメントさせていただきます。日本人ハーフしか経験しない人生の色々、凄く共感できる文章が多くて大変興味深く拝読させていただきました。

    私も、ドイツで育ったハーフですが、毎年1~2か月日本で過ごし、補習教室の教育を受けて育ちました。父が日本人なので、文章で描かれてる状況に似ていますが、パスポートを二つ申請してもらえたにも関わらず、母親の国籍・文化がまるで存在しないかのような教育だったので、20歳になって選択する時期が来たとき、絶対に日本国籍を選ばなければなにか「とてつもなく悪いこと」が起きるだろうという雰囲気が漂ってて、結局は赤ん坊の時に無意識に一つに絞られるのではなく、一人の人間として覚醒した頃に日本国籍を強いられました。

    もう何年も経った今、親族以外の日本との交流も多いので、「自分の中の日本の常識」というものがちゃんとあってとても親近感のある大好きな国なのですが・・・未だに親族からは、母が外人であるという汚点を消すために私がハーフながらに人一倍日本人らしくすることを強く期待されています。悪い部分は全て母の遺伝、あるいは日本人としてちゃんと教育しなかった父の所為。いい部分は全て父の遺伝。「日本人であること」は、私の人生では残念ながら親族内の辛い嫌がらせや、母が外人だからと嫁いびりに遭ってる光景にしかつながらない物。自分が何人でも認められる環境で育ってるので、それならいっそ永住目的でこっちの国籍を申請したい、とよく考えるのですが、多分それが親族との絶交と繋がることになるでしょう。仲が悪いわけではないのでそれも辛いです。と、随分極端なシチュエーションなのかも知れませんが、特に父親が日本人の場合こういう状況も可能だと思います。

    鈴木さんも書かれたように、自分を把握することが第一だと思う今日この頃ですが、「菊の紋のパスポートを持つ者」だからこそ強いられる物事が多く、自由に生きられない気分です。

    ただ法的に「選べればいい」問題だとは思えません。

    4:40 PM ケイト

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