ハーフと親子関係

2011.12.8

世の中の多くの人が「ハーフは華やか」「ハーフは英語が話せる」「ハーフはモデルさんが多い」と思っている。

でも実際は、それに当てはまるハーフもいれば、それに当てはまらないハーフもたくさんいる。ハーフだけど片親で経済的に苦しく生活が華やかとは遠いハーフ、日本育ちで日本の学校に通っていたため英語ができないハーフ、ハーフだけど芸能界とは縁のないハーフ。

そう、ハーフって、周りの人に持たれているイメージと、実際の「ハーフとしての現実」の間にかなりのギャップがあるんですよね。

そしてこのギャップ、実はちがう形で「親」と「子」(ハーフ)の間にもあるんです。

長年多くのハーフとかかわってきた中で、私が感じたのは、意外と「親」VS「子供(ハーフ)」の間のギャップが目立つということ。

例を挙げると・・・

日本育ちの日本×ドイツのハーフ。お父さんが日本人でお母さんがドイツ人。一家はもう何十年も日本に住んでおり、ハーフ自身も日本生まれ、日本育ち。ドイツ語は習っていなかったので、ドイツ語のヒアリングはできるが話すことはあまりできない。このお母さん(ドイツ人)の話を聞くと面白い。お母さんは「ウチのAちゃん(ハーフ)は日本人だから」と言う。そして「ウチの娘は日本の学校に通ってきたし、これからも日本でずっと暮らすからドイツ語も英語も特に必要ではない。日本人だからね。」とも。

このお母さんは間違っていない。少なくとも法律上はね。だって娘の国籍は日本。法律上れっきとした日本人。

そして、日本育ちであり、日本語が母国語なので法律上だけでなく、文化的にも日本人。

ところが世の中の人はAちゃんを外国人として見ている。Aちゃんは容姿が外国人風のため、たとえ国籍が日本で、日本育ちで、母国語が日本語であっても、日本人には見られないし、日本人として扱われない。

だから当然、周りはAちゃんに「Aちゃんはドイツ語できるよね?」とか「英語おしえて!」と言う。

ドイツ語や英語が実はあまり得意ではないと答えると、やっぱり周りはフシギそうな顔をする。「え?ドイツ人なのにドイツ語できないの?」と。「え?外国人なのに英語できないの?」と。

ずっと日本育ちなのに「いつ国に帰るの?」とも聞かれる。

そう。周りはAちゃんを日本人とは見ていないのだ。Aちゃんを外国人として見ている。

ここに「ギャップ」がある。

母親(ドイツ人)は「ウチの子(ハーフ)は日本育ちだから日本人」と思っていても、実際にそのハーフの子が世の中に出て行くと、誰も自分のことを日本人だとは思ってくれない、という現実。Aちゃんは「私の事を日本人だと思っているのは外国人のウチの母親だけ(笑)。皮肉だよね。」と苦笑いしていた。

(注:外国人の母親(上に書いたケースではドイツ人の母親)と書いたが、日本人の母親にも「ウチの子(ハーフ)は日本人だから何の問題も無い。普通に日本の社会で上手くやっていける。」と思っている人は少なくない。)

ハーフの子供を持つ親は、自分の子供が社会から好奇の目で見られ、なおかつ「英語はできるの?」「外国語はできるの?」という質問を一生され続ける、ということを分かっておいたほうが良い。

外国人風の容姿は変えられない。そしておそらく世の中の人々の意識もそう簡単には変わらない。なので、やはり外国人風の容姿のハーフは「英語はできるよね?」「外国語はできるよね?」と聞かれる事が多い。だとすると、ハーフの子供を持つ親として出来る事は、せめて子供に日本語以外の言語、英語や外国語を学ばせてあげることだと思う。

私はハーフの子供には、沢山の武器を持たせてあげないとダメだと思っている。

日本語以外に外国語や英語が話せる、というのは武器になる。

各家庭によって状況は違うし、親のそれぞれの考えもあるので一概には言えないのだが。

でも一つ言えるとしたら、親が物事を比較的簡単&単純に考える(←例:「ウチの子は日本人だから大丈夫!ウチの子は日本の社会で普通の日本人と同じようにやっていける。」みたいに)傾向があるのに対し、実際のハーフの生活は甘くなく、日々が戦いだということです(笑)

みなさんの考え、賛成意見も反対意見もぜひ聞かせてください!

                      サンドラ・ヘフェリン

コメント

  • フィリピン×日本のハーフです。
    私も外見がフィリピンよりのためこのコラム全てにおいて共感いたしました。
    私は日本育ち、日本語育ちですが、周りから外国人だといわれ続け、でもそれがきっかけで自分という人間を追及したくなり、いまフィリピンで勉強しています。(まぁこれはかなりポジティブなものの捉え方です。実際色々ありますからね。)
    もちろん言葉はまだ完璧ではないためこちらでも外国人扱いですorz

    ハーフの人生って人よりほんのちょっと大変だけど、でもその全ては自分を強くしてくれるって信じてます。

    Twitter: @ktms_7hvn

    5:39 PM Mako
    • Makoさん
      感想をありがとございます!レスが遅くなってすみません。ハーフは確かに、どちらの国に行っても外国人扱いされることが少なくないですよね。現地の言葉が話せなければ外国人扱いですし、かといって、日本語完璧のハーフ(外国人顔)が日本で日本人として扱ってもらえるのかといったら、扱ってもらえないわけですから、本人(ハーフ)が言語取得をがんばれば問題解決!・・・ともならないのが複雑なところですよね。
      でもMakoさんが書いていた「ハーフの人生って人よりほんのちょっと大変だけど、でもその全ては自分を強くしてくれるって信じてます。」に同感!ハーフはもがいて、たくさんの寄り道をして、いろいろ考えるのが仕事ですよね(笑)★サンドラ★

      12:56 PM サンドラ・ヘフェリン
  • サンドラの意見に賛成です。

    私自身、日本での生活の方が海外での生活より長いせいか、外見は抜きにして、私自身、8割は日本人だと思っている。

    しかし外見はというと、完全外国人またはハーフに見られるため、勿論日本語以外の言葉が話せることを期待されるだけではなく、外国人のような振る舞い(例えば日本語が思い描く外国人の振る舞いである、大袈裟なリアクションなど)をも期待される。

    日本の小学校に通っていた際、日本人と同じになりたく、日本人のように振る舞っていたら虐められた。しかし外国人のような振る舞いをするようになった途端、私の周りに不思議と人が集まるようになってきた。

    外見が少なからず外国人のようなハーフには日本語以外の言葉が話せるだけではなく、外国人のような振る舞いが出来るようになっておくと良いと、個人的には思う。

    にしてもつくづく、ハーフというのはどこに行っても外国人なんだなぁ~と思ってしまう。

    7:38 PM ラファエラ
    • ラファエラ♪
      ハーフはどこの国に行っても外国人扱いされるシチュエーションに遭遇しますね・・・。ハーフでない人で、そのあたりの事が見えていない人が意外に多いんじゃないかと思います。ラファエラがイジメの事をチラッと書いてたけど、ハーフはたとえば小学校ではイジメられたのに中学校に入った途端にチヤホヤ、とうケースもあるようだし、なんだかこう「イジメられる」⇔「チヤホヤされる」の両極端な扱いですね。「普通」にはほとんど扱われない。個人的にはこれが性格などにも影響するんじゃないかと思ってます。
      あと、ラファエラは昔から言っていた記憶がありますが、「ペラペラと日本語を流暢に話し、日本語の漢字も文法も完璧なハーフ(外国人顔)」を好まない日本人もいますね。ハーフには、日本語をたどたどしく話していてほしい、たとえ日本語が上手でも外国人風のアクセントがあるほうがしっくり来る、とか、あまり流暢に日本人みたいに話されても違和感を持つ、とかワケ分からない思考の人がいて、残念に思います。それなら私は子供のころ異国でなんであんなに一生懸命、公文式や日本語補習校で日本語の勉強をがんばったのかな???なんて思っちゃうわけです(笑)★サンドラ★

      1:08 PM サンドラ・ヘフェリン
  • すごく共感出来た記事である。そもそも、国際結婚を考えている全ての人達に読んで欲しいブログエントリーである。サンドラが言うとおり、ハーフの子を持つというのは実際、とてつもな覚悟が無ければ、持って欲しくない。

    9:44 PM khh
    • khhさん
      コラム、私もたくさんの方に読んでほしいです^^
      khhさんが書いている通り、ハーフの子供を持つ場合、親として覚悟を持たないといけないですね。覚悟を持たないと、子供(ハーフ)が抱えている問題と向き合えないのではないかと思います。一番大事なことは、「自分(”生粋日本人”)とは立場の違う子供(ハーフ)が生まれるから、私には子供の問題が全ては理解できないかもしれない。でも、できるだけその子の立場になって考えてあげよう」という親としてのスタンスじゃないかな。★サンドラ★

      2:04 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 私事で失礼します。
    うちの、バングラ人パパにそっくりな娘も、必ず言われるのは「日本人に見えない!」です。日本国籍にしていますが、便宜上のことですからね~。
    私の場合、海外生活が長かったこともあって、中身は日本人とは言えません。パパも外国人だから、うちは国籍の問題は抜きにしたら、実質外国人ばかりの家庭みたいなものです。
    だからなのか、このコラムに出てくるお母さんのように「うちの娘は日本人」にはならないです。このHPに前も書きましたが、娘の中身は絵にかいたような日本人では全くなく、「ボスキャラ、しゃべり、でかい泣き声、半端ない食い気」という強烈キャラ!(爆)
    うちの場合ですが、無理に意識することなく、日本&バングラ&欧米&イスラム(こっちはかなり緩い)?文化のブレンドの中で育っているんだ、というのを毎日見せてます(多分 ^^;)。
    カレー大好き。ビリヤニ大大大好き!(爆)ラーメン、スパゲッティなどの麺類大好き!
    英語のDVDも本人が気に入って毎日見ています。最近は色の名前を覚えました ^^ 
    ウィーン版エリザベート(ミュージカル)が大好きで、いつも「エビザベス見せて!」とせがまれます ^^;
    最近はベリーダンスとインド映画に出てきそうなダンスを融合したパフォーマンス(Bellydance Superstarsというアメリカのダンスカンパニーが踊ってます)が大好きで、毎日見ています!
    今住んでいるところは、普段から国際交流ができる場所でもあるし、パパのバングラ人のお友達も大好き!お友達と遊べるモスクも大好き!子供用スカーフもおしゃれだから大好き!
    うちの場合は無理をして「日本人」として育ててこなかった結果?かどうかは分かりませんが、バングラ寄り?の子供になってます。しかもかなりの強烈キャラ&生命力!
    私とパパに育てられると、日本育ちで日本国籍=中身は日本人、にはならないな、と実感中です ^^;

    11:51 PM Jannat
    • Jannatさん
      お子さん、恵まれた環境で育ってますね^^色んな文化と触れ合って、「アナタはここまで!」と線引きをしないのってすごく大事なことだと思います。親として変に線を引いて、アナタは日本人だからこういう事、しちゃダメよ? とか アナタはバングラデッシュ人だからああいう事、しちゃダメよ? というのは子供を窮屈にさせるだけですね。色んな映画もゲームもなんでも色んな国のものをやって楽しむのが一番!また、お話聞かせてください^^★サンドラ★

      2:08 PM サンドラ・ヘフェリン
  • うちの母親(フランス人)は学生時代に移民系の友だちがいたりアフリカの友だちがいたりしたので、マイナーな人種・民族の人が苦労をすることは認識しており、私たち子どもを育てる際には彼女なりに気を使ったようです。

    母は私たちを日仏ハーフとして自然に自覚できるよう育ててくれましたが、当然、周りはハーフとして認識しませんでした。
    やはりほとんど、「ガイジン」という認識でした。
    日本語を普通に話していても、「ガイジン」。

    中にはガイジン呼ばわりされる私を気遣って「日本人だ」と言う人もいましたが、それはそれで強い違和感。フランス側を無視されるのも間違いですから。失礼にすら感じます。

    親がたとえハーフの子どもが体験しうる事を予想して気をつけていても、周りを変えることは簡単ではありませんから、色々と厄介な問題は生じてしまいますね。

    ハーフがハーフとして普通に(特別扱いでなく)認識される社会になるといいのですが。

    1:24 AM えみり
    • えみりちゃん
      ハーフで欧米的な顔立ちだと、日本の幼稚園や小学校で必ず周りの子供達に言われますね、『外人!』って。えみりちゃんのことを『日本人』だと言った子は気を使ってくれたのでしょうけど、なんだか複雑ですよね。
      えみりちゃんが書くように「ハーフがハーフとして普通に(特別扱いでなく)認識される社会になるといい」ですよね。ハーフが「私は日本人!」と言えば、「そうだよねー!」と同意の声が自然に返ってくるような空気に将来なったらいいな。または、ハーフが「私は外国人!」と言ったら、それにも「あ、そうなんだ!」と賛成してくれて、ハーフが「私は日本人だし、外国人だし、両方だよ!」と言ったら、それにも賛成してくれるような雰囲気。
      ハーフが「私は日本人でもなく、外国人でもなく、宇宙人だよ!」と言った時に、初めてツッコミが入るようなユル~イ社会になってくれないかなあ(笑)夢ですね。★サンドラ★

      2:19 PM サンドラ・ヘフェリン
  • もう、心の底から同感です!!!
    とくに
    「ハーフの子供には、沢山の武器を持たせてあげないと」
    の部分。
    ハーフの人生というのは、
    「武器が必要な人生」なんだ、というのを
    親が自覚しなくちゃいけない、という意味で、です。

    このコラムは、移民2世にも多いに通じますが、
    子ども時代を過ごす国の一般的な国民の外見ではない
    (年中無休で目立ってしまう)
    ハーフや移民2世の場合、特に苦労が多いと思います。
    (ただ移民2世の場合、親の祖国に行くと混じれる可能性もあるので、
    目立つタイプのハーフの方が、より苦労すると思う)

    ハーフ(西洋系)は、ちやほやされているからいいじゃないか
    という事をおっしゃる方もいますが
    ちやほやされるのも、いじめられるのも
    本質的には同じことです。

    それから、個人的に、非常に気になるのは、
    国際結婚をなさっている親御さんに、
    子どもたちの苦労に対する自覚が足りない場合。

    子ども時代から
    声を出す前に判断されてしまう人生は
    どんなものか、ということを想像できなかったり
    辛い状況を軽くみることがポジティブだと誤解している
    ナイーブな親が決して少なくない印象を受けます。

    親は、好きな相手と結婚しただけかもしれませんが
    特に子どもが「周囲から目立ってしまうハーフ」の場合
    その親の結婚の決断の「責任」を
    子どもであるハーフが負わされる可能性が高くなります。

    また、ポジティブなのは、それは、それで結構なんですが
    子どもが悩んでいる時に、その悩みを
    ポジティブ攻撃で否定してはいけないと思いますし、また、
    親が、子どもに
    「二つの文化(言葉)を知ることができて幸せ」
    「二つの国の架け橋に」
    というような考え方を押し付けてもいけないと思います。

    子どもが、自発的に
    「二つの文化を知れて幸せ」
    と思ったり
    「二つの国の架け橋になりたい」
    と思えたら、それは、それで素晴らしいでしょうが
    親が、それを子に強要したり期待してもいけないと思う。

    個人的には、二つの文化を知ることができるのは
    ある意味幸運だとは感じております。
    しかし、
    架け橋というのは、両岸の関係が悪化すれば
    真っ先に焼き落とされる存在だということを
    特に親には自覚してほしい、、、。

    3:11 AM ゼッタ
    • 苗さん
      そうなんです、ハーフは沢山の武器が必要なんです。言葉はそのうちの一つ。言葉以外にも色んな武器が必要だけど、それはまたコラムで少しずつ書いていきたいと思います。
      苗さんが書かれていた「ハーフ(西洋系)は、ちやほやされているからいいじゃないか、という事をおっしゃる方もいますが、ちやほやされるのも、いじめられるのも本質的には同じことです。」という点ですが、たしかに西洋系のハーフはチヤホヤされることはあります。しかし。それと同時に小学校や中学校で酷いイジメを受けている西洋系ハーフも少なくありません。どのように酷いかは、またイジメについてコラムを書く時に書いていきますが、今までこれだけコラムを書いてきたのに、イジメの事をなかなか書けなかったのは、そのイジメの内容があまりにも壮絶だから、というのもあります。なので、西洋系のハーフだからといって、イジメに遭わないなどという事はありません。
      「チヤホヤ」に関しては、年柄年中チヤホヤされているわけではありませんし、逆に「華やか・目立ってうらやましい」などの周りのイメージから、勝手に僻まれたり妬まれたりして、意地悪されることもあるので、なんだかなあ、ですね。
      苗さんの書かれていた「それから、個人的に、非常に気になるのは、国際結婚をなさっている親御さんに、子どもたちの苦労に対する自覚が足りない」に同感。国際結婚を面白い、近代的、新たな試み、子供も国際的でハッピー!ととらえる事はできても、中々子供(ハーフ)を待ち受けている苦労にまで想像が及ばないようですね。
      あと、大大大同感なのは、「しかし架け橋というのは、両岸の関係が悪化すれば
      真っ先に焼き落とされる存在だということを特に親には自覚してほしい、、、。」という部分。過去を見ても彫刻家のイサム・ノグチ(日米ハーフ)は、半分米国人であるのにもかかわらず、アメリカ人に「日本人」として日系人収容所に入れられていますし、逆に収容所の中では「アメリカ人」だとして、日本人のイジメのターゲットにされたとか。戦争が終わってからも、広島の平和記念公園のモニュメントに彼のデザインが選ばれたのに、半分米国人だという理由から結局彼のデザインは却下されました。
      今は、日本はもう戦争をしない、と言っていて、それに私も賛成だけれど、実際にはどこの国が攻めてくるかは分からないわけで、そうなった際に、その国と日本のハーフは両国から完全にイジメや迫害のターゲットとなるでしょうね。★サンドラ★

      2:46 PM サンドラ・ヘフェリン
  • ハーフの場合、親の考え方との間にギャップが生じ得るという話、ちょっと意外だったのですが興味深く読みました。サンドラさんや他の皆さんの言うように、親がきちんと子供の将来を考えて、子育てと教育の方針を決めることが重要なのだと理解しました。

       国際結婚は、言葉の壁やその他の困難な条件を乗り越えられる時に初めて可能なわけですが、世界的に理想のパートナーに巡り会ったのですから、非常に羨ましいケースが多いと僕は思っています。そこで不思議に思うのは、子供を少しでも自分たちのように国際的に育てたいと考えなくなってしまう親(母親?)が少なからずいるという話です。日本人の両親の場合、子供が立派な日本人として育ってくれと考えるのは当たり前のことです。国際結婚の場合、サンドラさんが書いているように、容姿などで将来に亘り「国際的」であることを宿命づけられているのですから、親は少しでも子供を「国際的」に育てる責務があるように思います。自分たちだけ「国際的」であるメリットを享受しながら、子供には日本人でいいではないかというのは、ちょっと身勝手だと感じました。ただ、誰しも日常生活に精一杯で忙しく、身を置いている社会に適合しようとするのでしょうから、ハーフの子供のことも、その社会での将来を考えてしまうのは、ある程度やむを得ないことなのでしょうか。

    9:28 AM JUN
    • JUNさん
      コメントありがとうございます!これからも意見よろしくお願いしますね★
      さて、「国際結婚は、言葉の壁やその他の困難な条件を乗り越えられる時に初めて可能なわけですが」という点ですが、言葉に関してはフシギなカップルも沢山いて、お互いにお互いの言葉はあまり話せない、でもお互いカタコトの英語でなんとかコミュニケーションをとり長年上手くやっている国際結婚カップルもいます。そういうカップルを見ていると、男女は逆にあまり語り合わないほうが上手くいくのでは?なんて思ったりもします(笑)
      「世界的に理想のパートナーに巡り会ったのですから」という点については、必ずしもそうではないと思います。別に世界中を探し回って自分に最高のパートナーが見つかったから国際結婚をするのではなく、日本人同士の結婚と似た感じの流れで結婚する人が多いですね。JUNさんは、もしかしたら国際結婚の華やかな部分に目が行くのかもしれませんが、あたりまえですが、国際結婚で児童虐待のある家庭もあるし、事情は様々ですね。国際結婚はみんな理想のパートナーで皆ハッピー、というわけではないですね。
      JUNさんが書いていた「自分たちだけ「国際的」であるメリットを享受しながら、子供には日本人でいいではないかというのは、ちょっと身勝手だと感じました。」に私も同感です。どうして、子供の可能性を親が予め一つに絞るのか?と不思議に思う事もあります。★サンドラ★

      2:58 PM サンドラ・ヘフェリン
  • コラム読んで、最初は我が家のことかと思いました。

    うちも母親がドイツ人で自分は英語もドイツ語もあまり上手くない。ドイツの祖母に送るクリスマスカードに短い文章を添えるにしても、それを書くのに1時間ぐらいかかってしまいます。

    親子の葛藤、ここで挙げられた人の場合、お気楽に捉えられるから国際結婚出来たとも思えます。そういう人が多いから国際結婚も増える。そうじゃなかったら結婚しようとは考えない。そういうことでは?

    一応、うちの母は日本について多少は知ってたから危惧してましたが、父が大丈夫!って言ったから結婚したみたいです。まぁ、父も日本の「ハーフ」の苦労を全く知らなかったから、そういうことが言えたんだと思います。

    わざわざネガティヴ情報を発信する必要はないかもしれませんが、「ハーフ」として生かされる現状を、もっと多くの人に知らせる必要は感じますね。

    5:56 PM Okamura Hyoue
    • Okamura Hyoueさん
      不思議ですね(笑)
      なにが不思議かというと、ハーフの家庭って本当に色々あるわりには、ハーフの悩み事のパターンはやっぱり決まってるんだということ。アイデンティティーのこと、言葉のこと、など。だから似たような話が色んなところ、色んな家庭にあるのかもしれませんね。

       >「ハーフ」として生かされる現状を、もっと多くの人に知らせる必要は感じますね。

      ↑私もそう思ってます。知ってもらうことから全てはスタートしますね。★サンドラ★

      3:15 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 追記になります。
    子供のアイデンティティを決めるのは親じゃなくて子供自身だと思っています。親が「自分の子供は日本人」と思っているだけならいいけれど、子供は外では「外人」なわけです。「日本で育ったからあなたは日本人」という考え方を押し付けるのはどうかと思います。
    ハーフだから語学も習い事も!と力む必要はないと思っていますが、「日本人」だけの枠に押し込めてしまうと、大人になった時に本人が外の世界とのギャップを感じてしまって苦しむと思います。
    元留学生の私でさえも、「日本人」の狭い枠にはめられて、20年以上苦しい思いをしました。私の場合も「あなたは日本人以外にはなれない」と親からは言われましたが、外では「いや、Jannatさんは見た目も考え方も日本人離れしてる!」と断言されま続けてきました。
    常々思っているのは「子供は日本人だから」とか、「子供はハーフで国際的だから」と考えるのは親の勝手であって、外の世界は開かれているわけでも国際的でもないわけです。
    うちの娘には「あなたは日本人だから」という考え方を押しつけたくはありません。なに人か、は本人が決めることです。そのためには、日本だけが世界の中心ではないこと、パパの生まれ育った国はバングラデシュ、ママは実質欧米育ち、なことを、もう少し大きくなったら見せたり聞かせたりしていきたいです。

    9:23 PM Jannat
    • Jannatさん
      >常々思っているのは「子供は日本人だから」とか、「子供はハーフで国際的だから」と考えるのは親の勝手であって、外の世界は開かれているわけでも国際的でもないわけです。
      ↑同感です。世の中、少なくとも私の知る世の中、ドイツも日本も、親が考えているほど異文化にオープンではないです。ハーフの人間を受け入れる器が社会にあるかというと、微妙だったり。なので、親が「ウチの子は国際的だから大丈夫」と自信過剰になる前に、親が世の中を変えていく社会運動でもしたほうが効果的なのではないかと思います(笑)★サンドラ★

      3:20 PM サンドラ・ヘフェリン
  • はっきり言って、日本社会の思想は100年も200年も遅れている。
    例えば、人の容姿や外観とその人の性質や能力が全く異なって関係が一切とないのは、少しでも考えれば分かる事だ。ナニナニ人だからってナニナニ語を喋れる訳でも無い。ナニナニ系だからって外国で生まれた訳でもないし外国人な訳でもない。しかし、驚く事に日本社会ではそんな「当たり前」な発想が結構浸透されていない。
    しかし、良く考えると、科学的や合理的な「客観的に根拠がある」発想が文明に浸透し始めたのは、数百年前の事だ(しかも、日本では科学革命や啓蒙主義は起こってないし現れもしなかった)。その前までは、宗教的な迷信や人の無知さから現れた先入観などが信じらて来たのが、「当たり前」だった。
    科学革命が始まったのは勿論、欧州で啓蒙主義者が「人間は合理的で、人は合理的に物を判断するべきだ」と主張した直後だ。そして啓蒙主義者は迷信や先入観など合理的や客観的に判断出来ない物を猛反対した。
    日本ではそんな事が起こった歴史がない。日本社会では、未だに迷信に近い発想や先入観が多い。
    しかし良く考えると、我々は今や科学や数学に恩恵を受けている世界に住んでいる。コンピュータやインターネットや車があるのも、「科学的、数学的、合理的、客観的に正当な根拠がある」思想があるお陰だ。今や21世紀は科学の時代だ。
    それにもかかわらず、「客観的や科学的に正当な判断が出来ない」思想を持つのはおかしいし、時代遅れでもある。
    例えば、顔つきや生まれつき等で、「あいつはこんな顔つきだから、車の運転をするのは上手なはずだろう、下手なはずだろう」と言った判断で免許書を許可や拒否するのはおかしい。実際にそんな事をしていると交通がめちゃくちゃだ。
    しかし、今の日本社会で実際に起こっている事は、そんないい加減な発想と似ている。「ハーフだから外国語が喋れる」とか「外国系だから日本で生まれた日本人でも外国人」と決め付けるのは、そんな出鱈目な発想とあまり変わりがない。
    日本ではテクニカルな科学技術は進んだが、科学的な発想は進んでいないし、植えつけられてもしていない。はっきり言って、「容姿で決め付ける」発想や「迷信」は(「外国人は外国人、日本人は日本人」等)、江戸時代から全く進化や進歩がないと見られる。日本では1900年、1950年。2011年と全く異なった時期でも、余り変わりがないのではないだろうか。

    10:41 AM AF
    • AFさん
      AFさんのコメントを読んで納得。

      これから、外国人顔のハーフが「え?外国人なのに英語できないの?」と聞かれたら、「外国人は英語ができる、というのは 迷信 ですよ!」と言い返すのが良いかもしれません(笑)

      たしかに外国人の顔をした人は日本人でないはず、英語を話すはず、日本に永住せず『国』に帰るはず、などといった先入観には根拠がなく、おっしゃる通り『迷信』レベルの話だと私も思います。そして迷信が色んなところで、まかり通っているからハーフは大変ですね。知り合いの日本人ママは、ハーフの娘(まだ幼児)と日本の市役所に行った際に、職員が娘さんの外国の苗字を見て、「娘さんは外国人なんですね!」と言ったそうですが、外国の苗字イコール外国人、という勘違いも、ヨーロッパの役所の人はまずしないですね。本来、役所にとって「外国人」とは国籍上外国籍の人なのですから、それを名前や容姿で、ナニナニ(←容姿が外国風、名前が外国風)だから外国人のはず、などと役所の人が早とちりで判断すべきではないんです、そもそも。困ったもんですね★サンドラ★

      12:44 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 親世代の人達は、欧米系ハーフは、うちのようにアジア系ハーフやアフリカ系ハーフと違っていじめられないし、必要以上に質問攻めに合わない、と本気で信じてる人達がいます。理由は、日本人は欧米系のルックスは無条件に好きと信じているし、それだけでモテる。日本人が整形してでも欲しがるものを全て持っている、といいこと尽くしのように信じている気がします。
    でも私が見た限りは「それって違うよな~。偏見もあればいじめだってあるし」です。
    私が子供の時は欧米系ハーフはインターナショナルスクールに通っているのが一般的だった気がします。恐らく理由は、一般の日本の学校だといじめられるから、だったのかな~。
    日本では全てのハーフ、と言っても過言でないくらい、「外人」の扱いを受けるでしょうね。元留学生でさえも、「外人」扱いだと感じることがあります。

    10:55 PM Jannat
  • やっぱり問題だと思うのは、子供がいじめ等を「普通」や「運命」だと思ってしまう事だと思う。
    もちろん国によって異なるが、やっぱり世界へ出たら日本とは状況が違った。。。と言うのが多いと思う。別にハーフや外国系でも虐められない、等。少なくとも、日本程には。
    しかし、子供は子供だから日本内で育っている限り、そんな事を知らないのが普通。子供は皆と一緒、皆に受け入れられたい、と言う気持ちが強いから、虐め等に「適応」するしか選択がない。もちろん、そんな事は決して健全とは言えない。「自分が悪い、皆に受け入れられなくちゃ」と思うより、「虐め(をする方)が間違っている」と言った思考も身に付けてもらいたい。
    日本では、虐めに対する認識が薄いと思う。「見て見ぬふり」なんて言う言葉もある。もし虐めがあっても、教師等の大人は止めようとしない。これに対しては社会に大きな問題があるのではないだろうか。
    欧米等では、虐め等が起きると、結構マスコミとかで大げさに捕らえられる。「これは差別問題だ!」とか言って大騒ぎになる。そして芸能人や政治家等が代弁者になり反いじめ運動を始めたりする。それを学校などで導入される。そんな事を続ければ、虐めに対する認識が深まるだろう。
    日本では、総理や政治家や芸能人などが「いじめは人権問題です」と公で主張する事があるのだろうか?今の欧米では、同性愛者に対する差別やいじめによってそんな問題が結構大きく取り上げられ熱心に議論されている。少なくとも、社会問題に対しては存在を認識し問題を直面して改善をしようと言う気持ちや態度がある。
    日本では、どこかの都知事が差別用語を発言すると何回も再当選される程だ(笑)。いや、これは笑っていられない状況。。。そんな事をもし知事が欧米で発言すると即に辞任になる。一体、日本と言う国は如何いう国なのか疑いたくなる。こんな国が「先進国」と呼ばれて良いのだろうか。
    日本では何時までも実際に存在する社会問題を無視続けていても、無駄だ(見て見ぬふり、現実否定、責任逃れ)。ある問題はいずれかは直面しないといけない。しかも、日本はダメダメと言い続けるのも、無駄。それも、責任回避や責任逃れの一部。。。「日本は文化が違うから。。。」とか「それは日本に対する差別だ!」とか開き直るのも駄目、言い訳にしかすぎない。いじめや差別は世界中に通る人権問題の一つ。日本特徴の問題とは言えないが、問題を直面しず、無視し続け問題がもっと深刻化や悪化していくのはのはほぼ日本特徴の問題。
    日本に対する非難や愚痴ばかりになってしまったが。。。日本に存在する社会問題は本当に毎日頭を悩まされる。。。

    5:06 PM AF
  • はじめまして。過去記事へのコメント失礼します。
    私自身は純ジャパですが、夫が日独ハーフ(父ドイツ、母日本人)で、現在第一子を妊娠中、子供はクオーターということになりますね。その関係で、クオーターの子供の子育てについて注意すべき点など知りたいと思い検索していたところこちらのページがヒットし、興味深く読んでおりました。

    私の主人は見た目はだいぶドイツ風。でも日本で生まれ育ち、ドイツに住んだことはなく、お父様も流暢な日本語を話されるので、完全日本語ネイティブ、ドイツ語はあまりできません。英語は得意ですが、あくまで英語の上手な日本人のレベルです。名前もドイツ名日本名双方持っていましたが、自分で日本名を選択し、ドイツのファーストネームをミドルネーム風に使っています。私から見るとドイツ文化にも馴染みは持ちつつ、アイデンティティは日本寄りの夫ですが、初対面や浅い関係の方には「外人」に映ることの方が圧倒的のようです。

    そんな夫とともに行動していると、日本でのいわゆる「ハーフ」の扱われ方、見られ方を体験するようです。
    大人の世界では排除されること、差別を受けることはまずないにせよ、「外の人」という扱いが根強く感じます。普通に話せば「日本語上手ですね」と言われる。地方のお祭りに参加して、夫がその祭りの成り立ちなどを質問しても、質問された人は「日本人」の私に回答する。教員をしているといえば英語の先生と思われ、別科目(例えば日本史など)の研究をしているというと「難しいのにえらいね」というようなことを言われる。

    夫も今は自分がそう見られることをネタにしたりもしていますが、昔はその容姿によるイジメなどもあったようです。(もちろんハーフでなくてもイジメには遭いますが。私もイジメに遭った時期もありました)

    子供は子供で、彼にしかわからない悩み、苦しみを持つことがあるんだと思います。それは国籍、アイデンティティに関わらず。でも、クオーターということで、その要因が他の子より少し多くなる可能性もあるんだろうと思っています。でも、逆にドイツの血が入っていることで経験できること、感じられることもあるかもしれません。

    私は経験したことのないことを、きっと私の子供は経験するでしょう。その中で、子供の気持ちに寄り添いたいし、子供に「パパママは僕の味方だ」と思ってもらえる存在でありたい、そうあれるよう努力したいと思っています。

    サンドラさんのコラムもハーフの方々の様々なコメントも、それを実現するために自分がどういう心構えでいるべきか考えるためにとても有効な手引きになります。

    これからも度々訪問させていただきます。
    長文失礼いたしました。そしてありがとうございます。

    12:52 PM りら

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