ちょっと、さびしい

2014.6.16

何がさびしいかって、日本で同じハーフ同士で仲良くなってお友達ができても、

その仲間の多くが、世界に散りばってしまうこと。そう、日本を離れる人が多いのですね。

私自身は20代前半までをドイツのミュンヘンで過ごし、

その後、約15年前から日本(東京)に住んでいます。

日本での生活はまいにち楽しく、とくにこれといった不満もないのですが、

ちょっと寂しいな、でも立場上これは仕方ないかな、と思っていることは、

冒頭の通り、日本で私と同じような立場の人達(バイリンガルのハーフで、日本以外の国とも接点のある人達)と仲良くなってお友達になると、

彼らの多くは、数年経つと、

日本を離れてしまうことが多いこと。

せっかく同じ立場の者同士で仲間ができても、やっぱり皆さん立場上移動も多いし、その移動も比較的簡単ですから、何年間も同じメンバーが同じ土地で集まるのは難しいのですね。

たとえば、4~5年前に、月に2回ぐらい「ブランチ会」(そのブランチ会はハーフが多かった)で友達と会っていたのですが、

今、そのメンバーのほとんどは、もう日本にいません。

その会で仲のよかった日独ハーフの女友達3人は、

それぞれがシンガポールやベルリンなどに引っ越しています。

上にも書いた通り、私は15年以上東京に住んでいるのですが、その15年の間に、色んな友達ができて、そしてそれぞれが色んな国へと旅立っていきました。本人達の(仕事や恋愛の)活躍を思うと嬉しくもありますが、同時に寂しくもあります。私が過去15年間に東京で仲良くなった人達の多くが、途中で日本を離れ、今はドバイ、香港、シンガポール、ドイツなどに住んでいます。

なので、私達のような立場の人って、同じ仲間で集おうとしても「ずーっと同じ土地に住み続けながらの友達関係」って、実はあまり無かったりします。

たまに考えるのが、もしも私が20代前半で「日本に来る」という決断をせず、

育った南ドイツ・ミュンヘン市にそのまま住み続けていたら・・・

あそこは保守的なお土地柄ですから、基本的にミュンヘンで生まれ育った地元の人達の多くは海外どころかドイツ国内でもあまり移動しませんし、いえ、ドイツ国内どころかミュンヘン内でもあまり移動しないのですね・・・たとえばミュンヘンのSollnというところで生まれ育った人は、基本ずっとSollnを離れない、みたいなところがあります、、、ドイツに住んでいた頃、私にも地元の仲間がいたので、もしあのまんま地元ミュンヘンに住み続けていたら、同じ人達とずーっと付き合えていたんだろうな~、なんて想像します。そして、ちょっぴり寂しい気持ちになります。

でも!「ハーフ」、とくにそれがバイリンガルやトライリンガルなど色んな国の言葉ができる人であればあるほど、色んな国での仕事のチャンスがあればあるほど、

やっぱり「移動」は多くなるのですね。

というのは、何ヶ国語かが出来れば、一つの国、たとえば日本に必ずしもこだわらなくてもよいため、香港、シンガポール、ドバイ、アメリカ等、皆さん色んな国に散らばる傾向があります。仕事や恋愛などで。

ハーフでバイリンガルで母国が二つあると、

選択肢が広がるぶん、

可能性が広がるぶん、

一ヶ所にとどまる必要が必ずしもなく、人生の今いる過程によって、比較的簡単に別の国に移動できるわけですから、

そのぶん、交友関係に「別れ」が多くなるのですね。

冒頭に書いた、「昔の月2のブランチ」を思い出すと、「あ~・・・あのメンバーは楽しかったな・・・。でもそう簡単にはもう皆で集まれないな。みんな世界に散らばってるし・・・」となんだか感慨深いものがあります。

ハーフ同士でツルむと、残念なことにこういう「別れ」が多くなるのですね。

その点、(ハーフでない)日本人のお友達は、やっぱり東京に住んでいる場合、東京にずーっといて東京を離れない場合が多く(←あくまでも私の日本人の友達ですが)安心感があります^^私も東京を離れる予定はないし、東京の色んな電車路線の、この路線はこうだよね、この路線の住宅街はこうだよね、といった類の話が大好きなので(←鉄ちゃんではありあません・・・)そういう会話の楽しみもありますし。2、3年東京に住んだぐらいでは分かってもらえない話も多いので、こういう話はけっこう日本人の友達としているかな(^^)

・・・となんだか電車の話へとそれちゃいましたが、、、

ハーフのバイリンガルで母国も二つ(またはそれ以上)ある人達の悩み。

それは別れが多いことなのでした。

もしかしたら、あまり気にしていない人もいるのかもしれませんけどね。

私は日本でお友達になったハーフの友達が海外へ引っ越すたび、

応援の気持ちと共にやっぱり寂しさを感じます。

でもそれも人生ですね。

言葉も含めて選択肢、可能性が多い人生には

ある種の寂しさも伴います。

もちろんハーフに限らず、駐在妻や外交官の家庭など、転勤が伴う仕事をしている人達(またはその家族)の多くはこの種の寂しさを感じていると思います。(数年に一度、移動するたびごとに、せっかくできた仲の良いお友達と離れ離れになる)

・・・「国際化」して選択肢が増えるからこそ感じる寂しさもある、というお話でした。

よろしければ皆様のご経験も教えてください。

 

サンドラ・ヘフェリン

 

コメント

  • 分かります。仲のいい友達ができた、と思ったら海外に行ってしまうか、自分が海外に行くかですからね。私も今は仕事の関係でずっと日本ですが、学生の時は3-4年ごとに学校の場所が変わったので、同じ場所に友達がいる、というのをあまり経験したことがないです。
    今でこそfacebookができて、昔の友達を探して再会することができるようになりましたが、やっぱりface to faceにはかないませんね。それでも実際に高校の元同級生や後輩には結構再会したので、また会えるといいな、とは思っていますが。
    そうは言っても、旦那さんの実家があるバングラデシュと日本は行き来しようと思えばできます。家族になったので、バングラデシュの実家はずっと実家だし、逃げません。子供を向こうの学校へ通わせたければ結構気楽に?できますし、向こうに気兼ねなく住むこともできます。そう考えると「国際化」もそんなに悪いものではないです。

    8:26 PM Jannat
    • Jannatさん
       
      コメントありがとうございます!Jannatさんも住む場所が昔は何年かおきに変わったのですね。いつもそうなのですがJannatさんのような経験者からのコメントは貴重です!そしてこういう別れは、大人よりも若い人や子供のほうが大変なのかも・・・なんて思いました。

      たしかにJannatさんが書いているように、ネットを介して友達とまた再会したりつながったりすることもできますが、やっぱりface to faceにはかなわないところもあるんですよね。それは私も実感してます。

      ただそうはいっても、国際化していく世の中、そして移動が多い中、そういったFacebookなどでつながれるのはよかったな、と私も思ってます^^★サンドラ★

      10:24 AM サンドラ・ヘフェリン
  • 確かに多くの人と別れるのは寂しいけど、自分の仲間が世界中にいるいと考えたらそれはそれで楽しいと個人的には思います。

    昔と違って、FacebookやSkype等でも繋がるし、もう少し時間が経過すれば大画面のTV同士での通信が安価に行える時代にもなるので、face to faceはできなくてもそれなりのコミュニケーションはできるので。

    8:05 PM マークス
    • マークスさん

      コメントありがとうございます~。マークスさんは前向きですね^^

      たしかに今の時代、ネットなどを介してパッとまたつながれるのですが、友達と都内のカフェで会ってお茶したり、居心地の良い空間で語り合ったり・・・・みたいなのがなくなってしまうのが、私はやっぱりさびしいんですよね。★サンドラ★

      10:27 AM サンドラ・ヘフェリン
  • ハーフじゃないけど、わかります。移動して、引っ越して、いろんな場所に友達ができる。言語も複数話せて、出会いも広がる。すごく恵まれているんだなと思います。その反面、別れが多い。今はネットもあるけれど、昔はお別れしたら、国際電話だって簡単にできなかったし直接会うなんてもうなかなかありませんでした(子供時代ね、、、)。思春期とかね、好きな子ができて、お互い大好きになっても、遠くに行ってしまう、それで小さな恋も友情も遠ざかることが何度もあって。もちろん、本当の友情とか素晴らしい恋愛関係とかは、距離を乗り越えてずっと続くんだけど、そこまでがんばらなくても楽しくやっていけるはずの良いコミュニティーがなくなってしまうとか、自分が抜けて終わるっていうか、寂しい。あまりにも繰り返されたので、今でもトラウマがちょっとあります。そして今も私は移動族。たぶんそういう星の下に生まれたんだな、とか少しロマンチックに考えて自分を慰めたりもしますが、寂しいのは時々辛いんですね。すぐそばに相手がいて、ハグしたり一緒にご飯を食べるような関係は、ネットでは絶対持てないものですからね。だからなるべく時間を作って離れたままにしないように、努力はしているつもりです。友情でも愛情でも、手入れが必要なのかもしれません。良い庭を作る時のように、、、

    7:52 PM N
    • Nさん

      コメントありがとう!Nさんの体験を書いて下さって感謝!☆

      Nさんの書いていること、すごいわかります。子供だったら、よけいに理不尽だと感じるでしょうね。。。子供の場合、仲間や友人達との「別れ」は「自分の選択」によるものではなく、大人の都合(仕事の都合だから仕方ないのだけれど)によるものなので、子供はよけいに「なぜ?」って思うかも。。

      そして、Nさんが書いていた

      >もちろん、本当の友情とか素晴らしい恋愛関係とかは、距離を乗り越えてずっと続くんだけど、そこまでがんばらなくても楽しくやっていけるはずの良いコミュニティーがなくなってしまうとか、自分が抜けて終わるっていうか、寂しい。

      ↑に本当同感。

      転勤族、とくにそれが海外赴任も伴う転勤だと、世間一般の意見として「華やか」「色んな所に行けていいわね」「私も海外に住んでみたいわ」「お子さんは自然とバイリンガル?」といった感じでポジティブに思われるというか、うらやましがられる場面も多いと思いますが(←社交辞令かもしれませんけど^^;)何年かおきに別の国に移動する生活は本当に人間関係の面では寂しいし(深い友情を築きたい、と思えば思うほど寂しい)、Nさんが書いているみたいにトラウマになることもありますよね。

      こういう「気持ち」のことも大事な話だと思ったので、今回書いてみました!★サンドラ★

      10:10 AM サンドラ・ヘフェリン

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