Vol.3 ハーフとイジメは切り離せない関係

2008.8.15

ハーフが受けるイジメとは?

今回はクラめのテーマです。え?いつも暗いって?ははは・・・。ま、ハーフ万歳!!なんてやるのは現実とちょっとばかし違うと思うんで、しばらくは重め(?)のテーマが続きます。

ハーフが生きていく上で必ず体験するもの、それはイジメです。こういう事を言うと、「でもハーフじゃなくても、普通の日本人でもイジメに遭っている人はいる」と反論される事が多いのですが、ハーフの場合はイジメに遭わなかったハーフを探すほうが大変、というぐらいそれは深刻な問題なのであります。

まず色んなバージョンがあって・・・。日本育ちのハーフと海外育ちのハーフの場合、イジメの種類(?)も違ってくる。日本で育ったハーフが経験しがちなイジメとは・・・。子供の場合、「髪の毛がウンコ色~!」など髪の色や見た目に関するものが多いようです。あとは挨拶代わりに毎日しつこくしつこく目が合う度に「Hello!This is a pen~!」とか言ってくる子。対応に困ります。続いて「アメリカに帰れば?」etc..

あと、これは「お母さんが外国人」のハーフの場合に多いのですが、「お弁当」がきっかけでイジメに遭うハーフが多いです。外国人のお母さんには、日本人のお母さんのようにウインナーをタコ形にしたり、ニンジンを花形にしたり、といったマメさがないケースが多いので、お弁当が『大ざっぱ』になりがち。子供がお弁当箱を空けたら、ステーキがバーンと入っていたり、ギョーザごはん(?)で中身がグチャグチャになっていたり。子供は目ざといのでスグ「アンナちゃんのお弁当、変~!!!中身がグチャグチャ~!!!」などと大袈裟に騒ぎ立てる。結果的に、それが深刻なイジメに発展する事が多いようです。「食事」に関する考え方は日本と欧米では違うのだけれど、それがモロにイジメにつながっちゃうわけです。ヘタすると先生やPTAまでもがイジメに加担したりして。「食生活に気を配らないお母さんなんて信じられない」、「お弁当に手を抜く母親はおかしい」ぐらいの勢いでね。

上に、「日本育ちのハーフと海外育ちのハーフの場合、イジメの種類も違ってくる」と書きましたが、欧米で育つハーフが必ずといっていいほど現地(ヨーロッパ)で体験するもの。それは周りの人たちに「チン・チャン・チョーン!」と言われ、からかわれること。周りの欧米人の子供がハーフに「家ではどうせチン・チャン・チョンって話してるんでしょー!!」と言っていじめる。(※注:今は北京オリンピックの影響で多少よくなってきているのかもしれませんが、田舎モノの欧米人には、日本と中国の区別がつかない場合も多い。よって、彼らの耳には日本語も韓国語も中国語もアジア圏の言葉は全部「中国語」に聞こえるらしい。また、アジア圏の言葉の響きが欧米人の耳には全て「チン・チャン・チョン」と聞こえるらしい@@)

あと、ハーフに対して、「どーせオマエの母親(←日本人)はこんなふうに目が細いんだろー!」なんて、目尻を指でビーっと横に伸ばす仕草をしたり、というのも日常茶飯事。道歩く人にイキナリ「「チン・チャン・チョン!!!」と言われることだってある。欧米でのイジメって、明らかに東洋人を見下してバカにしているので、その分タチが悪い。日本の「ちょっと違うものを目ざとく見つけ騒ぎ立てる」ってのも問題だとは思うけどね(上の『お弁当』みたいにね・・・)。

まあ散々書きましたが、ヘタをすると「欧米×日本」のハーフは、日本では「ガイジン!!!アメリカへ帰れ~!」なぜか国がアメリカでなくても、アメリカへ帰れ~!と言われる(涙))と言われ、欧米へ行ったら行ったで今度は「オマエ中国人なんだろ。チン・チャン・チョンってしゃべってみろ~!」などと両方の国でガイジン扱いされ本当に孤独なんです。ハーフ本人にとっては両方「母国」のハズなのにね。

結局ハーフは今の時代でも少数派。日本でも世界でも。だから周りが慣れていない分、本人も、そして周りも色々大変なのです・・・。

以上本日のクライ話終わり。

サンドラ・ヘフェリン 【扶桑社『マリカ』2008年8月号】

コメント

  • 私の母もアメリカ人で日本で生活してたからお弁当は悲劇だったなぁ
    もともと料理は得意な人では無かったからそりゃもう適当でした。
    12歳でアメリカに引っ越したんだけどたぶん14,5くらいから自分で食べるものはほとんど自分で作った。

    いじめの話もこれ私の事?ってくらいよ。 どちらの国でも浮いちゃうのよね。 孤独だったので編み物がそりゃ上手になったわよ。

    日本に住んでいたころは私の両親は特に私の境遇について語らなかったし、英語もしゃべれなかったからどうして「アメリカ人」といわれるのか理解できなかった。 3年生くらいで社会の時間にアメリカって国を知ってやっとあぁ!こういう事か!って 気がついたわ。
    両親もどうやって説明していいかわからなかったからあえてスルーしたんだと思う。 無責任よね。 

    娘がいるんだけどアメリカで思いっきりかわいいキャラ弁を持たせても彼女は動じない。 「私のは日本のお弁当なのよ! ママは料理上手よ!」って間食してくれるわ。

    12:54 AM Elissa
  • サイトを興味深く拝見しました。
    少なくてもサンドラさんは日本人の血が入っているので、ある場合に
    置いては日本人(純ジャパ)に認められるシチュエーションもありますよね。私は日本に長く住んでいましたが、100%アメリカ人なので差別はそれはそれは多く経験しましたよ。残念なのが、純ジャパからはもちろんの事、ハーフの方もその時は「日本人」である事を強調して100%日本人の血が入っていない人達を差別する事もあると言う事です。確かにハーフの方たちも苦労がおありでしょう。でもまったく日本人の血が入っていない人達が日本で暮らす事がさらにどんなに大変な事かお考えになってもらえるとありがたいです。コメントを失礼いたしました。

    5:59 AM ドイツ系アメリカ人
  • サンドラさん、はじめまして。
    私は母が日本人、父がアメリカ人ですが、お弁当では逆の体験をしました。アメリカの小学校に通っていたとき、母の作ったおにぎり等を見て「気持ち悪〜何それ〜!」と反応されてとても傷ついたのを覚えています。母に和風のお弁当をやめて欲しいとも言えず、その頃はまだ英語も話せなかったので反論もできず、お昼の時間が嫌でたまりませんでした。
    話は変わりますが、サンドラさんはドイツと日本の両方を母国のように感じますか?私は外見は白人寄りなのですがアイデンティティとしては日本寄りです。いつもそれを理解してもらうのに時間がかかり、時々疲れます。最近、日本人の夫と結婚し、夫とはだいたい何でも分かり合えるのですが、たまに自分と同じようなハーフの人と話ができたらな、と思う時があります。日本で暮らしていく道を選んで本当に良かったのかなぁ〜と悩むこともあります。
    コメントするつもりが自分の悩み相談みたいになってしまってすみません。
    サンドラさんのウェブサイトを見つけられて良かったです。これからもちょくちょくのぞかせてもらいますね!

    6:50 PM ありさ

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