国籍が「水」や「空気」のようだと思う理由 —「国籍」がテーマの往復書簡(木下理仁さん×サンドラ・ヘフェリン)第六回(最終回)

2022.1.14

日本では「国籍」を語るとき、「その人が心のなかでは何人(なにじん)であるか」など「アイデンティティー」について語ることが「善」だという雰囲気がある気がします。

このホームページ「ハーフを考えよう」でも、「ハーフのアイデンティティー」について沢山取り上げています。

でも。

「心のなかの「自分は何人(何人)であるか」というアイデンティティー」も大事だけれど、現実的なことや実務的なことも同じぐらい大事だと思う今日この頃です。

むかしビートたけしの「TVタックル」で、「日本の国籍のほうが便利だから、(中国の国籍から)日本に帰化した」と話した張景子さんが叩かれていましたが、叩くのはちょっと違うかと。

仕事を沢山したい「仕事大好き人間」にとって、たとえば国籍が理由で急な海外出張に対応できなかったりするのは、物凄く困ること。

国籍というとすぐに「心が~」とか「アイデンティティーは・・・」とかのロマンチックな話になりがちだけれど、国籍の現実的な部分(中国の国籍だと、外国に行くためにビザが必要だから急な海外出張には対応できないこと等)も同じぐらい大事だと思うわけです。

そういう意味では「水」や「空気」と似ているかもしれません。人間にとって必要ですものね。

国籍が「水」や「空気」のようだと思う理由

このお手紙をもって木下理仁さん×サンドラの往復書簡は【終わり】です。

相手がいる「お手紙」という形でこういうテーマについて書くのは初めてでした。とても良い経験になりました。木下さん、声をかけていただき、ありがとうございます。

コロナ禍も3年目に入り、まだまだ油断ができない状況が続いていますが、皆さまお身体には気を付けてくださいね。

令和4年1月14日

サンドラ・ヘフェリン

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