大坂なおみ選手の登場によって「国際化」するニッポン

2019.1.30

大坂選手、大活躍ですね。

本人が生業としている「テニス」とはまったく関係のないことですが、

「大坂なおみ選手の登場」によって、日本人は「今まで考えていなかった色々なこと」について、考えるようになったと思います。

たとえば「二重国籍」について。今までは何年か前の蓮舫騒動の印象が強く、

二重国籍の話は「ネガティブなもの」として世間で捉えられていましたが、

大坂選手の登場によって、二重国籍をポジティブとまではいかなくても、少なくとも前よりもニュートラルに考えてみよう、という動きが多少はメディアにも出てきている気がします。

ただ二重国籍に関しては誤解も多いので、詳しくはこちらをご覧ください。

大坂選手の登場によって、国籍の話ばかりではなく、日本人は「人種差別問題」についても向き合わざるを得なくなっています。

今まではなんとなくスル―されてきていた問題が、スルーが許されなくなった、といったほうが正しいかもしれません。

先日は、日清食品が作成したアニメーションの広告動画が差別的だとして問題となり、日清食品が謝罪をしています。

問題となったのは、大坂なおみ選手をアニメに登場させる際に、「ホワイトウオッシュ」(白人化)させてしまったことでした。つまりは、本人の肌の色よりも「白く」描いた、というわけです。画像は以下をご覧ください。

anime

ニッポンの従来の感覚、特にニッポンの女子の感覚だと、こういうことが起きた場合、「自分の肌の色より白く描いてもらえてラッキー」ととらえる人も多いのだと想像します。なぜならばニッポンには「美的感覚」において、「白い」イコール「良いこと」だという価値観が確かに存在するからです。

「色の白いは七難隠す」という言い回しがあるように、ニッポンの美的感覚とはそういうものだったりします。

ただ今の時代、世界を相手にするときに「それが日本の美的感覚だ」で話が通らないのは言うまでもありません。

またこの話は、「本人が白く描くのを『オッケー』だといえば、問題ない」という話でもありません。

なぜならば、メディアにはそうでなくても白人をメインとした広告であふれています(※)。広告やアニメに黒人が登場した際、黒人の肌の色を本人よりも「白く」描けば、それを見た黒人の子供が「やっぱり白い肌のほうが好まれるんだ・・・」「自分の肌の色は黒いからよくないんだ・・・」と傷ついてしまうからです。

※子供が読む童話や絵本にも白人が多く登場し、そのことが黒人の子供が自分の肌の色に自信が持てないことにつながってもいます。

この問題については、ニューヨーク在住でブラックカルチャー、マイノリティ文化に詳しい堂本かおるさんの記事が分かりやすいので、以下にリンクを貼りつけます。

私が「黒人の人形」を作るわけ。

上記のリンク私が「黒人の人形」を作るわけ。には、幼少期から子供に自分の肌の色を好きになってもらおう、という取り組みが紹介されていますが、日清食品は海外でも食品を販売していますし、黒人の顧客も多いので、この点に関してはとくに配慮が必要だったといえるでしょう。ただ早い段階で謝罪をしたのは、よかったですね。

この問題を通して、従来のニッポンの感覚で世界に出て行ってしまうと時に危険だということがわかるわけですが、同時に世界の歴史・情勢・価値観を知る貴重な機会だともいえるでしょう。

サンドラ・ヘフェリン

コメント

  • guten tag!
    この記事にコメントするの久し振り!
    日清食品の絵は明らかに肌色が違うね。
    日本人の色白信仰はとどまることを知らず
    何か月か前にカネボウ化粧品の美白成分で
    白斑になってしまう被害が相次いで報告された、、、
    のに、「白斑になってもいいから白くなりたい!」
    という人もいたと知って本当に驚き。
    白いだけが美男美女じゃないのに・・・
    それぞれの人種によって肌の色が違うのは
    当たり前!
    日清食品が早めに謝罪したのは賢明だったね!
    私の場合は逆に浅黒い肌に憧れていて
    日光アレルギーなのに海で無理矢理焼いてやけどになったり
    でも最近は諦めたよ。

    5:06 AM ヴィクトリア
  • 漫画やアニメに黒人を登場させると、面倒くさい事になりがちです。そのCMとは逆に、普通に黒人らしい容姿の黒人キャラを出しても批判する人もいるくらいなんで、それなら黒人は登場させない方が無難なように感じます。

    西洋の有名な童話は、黒人が奴隷として扱われた時代以前に作られた物も多いと思いますので、白人ばかりが出てくるのは必然だと思います。トム・ソーヤーの冒険では、時代設定的に黒人奴隷も出てきますが、そのうち黒人奴隷の存在自体が物語から消される可能性も有り得そう。

    5:35 AM ハル
  • イラストだと、実際よりきれいに描かれたり、痩せていたり、画家が特長をやたら強調していたり、全然似ていなかったり、仕上がりを見ないとわからないところがあります。
    女性にはちょっときれいに描いてあげて欲しいですけど、本人の顔のパーツなどのコンプレックスを強調されていることもある。
    画家の感性だけではなく、悪意を込めることもできる。 

    でもこれを見て「人種差別」と言う海外メディアは無駄に騒ぎすぎじゃないですか?
    日本人はあんまり肌の色でどうこう言わないし、大坂選手のDNA と思わせる運動能力にポジティブな見方がある。
    大坂選手は日本の選手であり、そういう差別の目で描かれたとは思えません。

    9:29 PM 猫助
  • ハルさん、お言葉ですが、大坂なおみさんはキャラクターじゃないですね。
    機動戦士ガンダムという作品にララァ、シャクティ、ロランと言った褐色肌の主役やキャラクターは沢山いますが、大人気ですよ!

    大坂なおみさんは美人なので、もっと本人に似せて描いて欲しかった。CMのはまったくの別人、色云々の前に素人が書いたの?と思うほどの画力。笑

    私はインドのハーフです。スポーツ競技あまり興味なく、日本を応援したりしてません。フィギュアスケートで素晴らしいと思った選手は好きです!

    大坂なおみさんは応援してます!

    1:11 PM ひろ
  • ひろさん

    確かに、大坂なおみ本人はキャラクターというわけではありませんが、キャラクター化させたら同じ事ではないかと思います。
    機動戦士ガンダムは詳しくありませんが、調べてみるとそれらのキャラクターは黒人ではなさそうです。褐色の肌のキャラクターと黒人のキャラクターでは設定的に大きく異なるので、あまり参考になりません。
    大坂なおみが美人かどうかは分かりませんが、似せたら似せたで否定的な意見が出てくる可能性は十分あり得ます。今回は似て無さすぎて批判されましたが。

    10:09 PM ハル
  • 今回、日本の漫才師コンビA・マッソなる不心得者が、日本人の誇りである大坂なおみさんに対して「漂白剤が必要」などという下劣なネタで自分たちの飯のネタにしたことは、同じ日本人として非常に恥ずかしくまた腹立たしいことであり、特にハーフの皆様方にあってはさぞ不愉快な思いをなさっただろうと心からお詫び申し上げます。

    肌色の異なる日本人ではあっても日本人として日本の名誉のために、過酷な試合を戦って下さっている大坂さんに対してあのような侮辱的な発言をして貶めたことは、漫才のネタだの冗談だので許される話では到底ありません。
    言われた相手の気持ちを全く考えようともしない彼女たちには相応の報いが来ることでしょう。
    大人の対応をして下さった大坂さんに感謝するとともに不愉快な思いをされた皆様方には重ねてお詫び申し上げます。

    9:24 AM そらワシは和風が好きだからグローバル化には反対だわな、温泉に行ってタトゥーだらけでは入る気にはならないがな、郷に入れば郷に従って欲しいわな氏

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