「国籍問題」について思うことPart1「親のことも考えてあげて」

2017.8.6

「国籍」にまつわる話は、あの蓮舫さんが辞任したことであまり話題に上がらなくなりました。

(二重国籍などについて)当事者ではない人達にとっては、「蓮舫さんの二重国籍の話、あったよね~」というような感じで、

他の政治ネタや芸能ネタと同様に忘れ去られていくのでしょうが・・・

当事者の人達、そう、ハーフの人達にとっては、国籍の話は

ずっと「そこにある」問題なんですよね。

個人的に「国籍」について最近感じるのは、

国籍を一種の「ロマン」と結びつけて考えるのは「ちょっと違う」ということ。

自分で自分自身に問いかけてみて、「日本が大好き」だから「日本国籍を選ぶ」、そして同時に「外国の国籍は離脱しよう」みたいな簡単な話ではないと思います。

自分の「心」は日本が大好きでも、外国に親が住んでいる場合など、そう簡単に「外国と縁を切る」なんていうことはできないものです。

日本は他の東アジアの国々もそうであるように「家族の結びつき」が強い文化なのに、いざ国籍や二重国籍の話になると、そのあたりのことが、日本であまり理解されていないことを残念に思います。

日本×国Bとのハーフがいたとして、

本人は日本に住んでいて、これからもずっと日本にいるつもりであっても、

たとえば親が国Bに住んでいる場合、

ハーフ本人が「日本が大好きだから」というようなロマンチックな理由で日本国籍を選び同時に国Bの国籍を離脱してしまった場合、

国Bに住んでいる親が病気になって深刻な状況になっても、

娘や息子であるハーフは国Bに3ヶ月以上滞在できないことなります。

これって酷だと思いません?

でも逆にいえば、

国Bに住む親に病気や事故など「何かあった場合」でも、

ハーフが国Bの国籍を持ち続けていれば、国Bに長く滞在して親に必要な手続きなどができるわけです。

なので、あまりロマンチックな話ではありませんが、「親の病気」などのことも含め長期的に人生を考えた場合、

「日本が大好きだから、日本国籍を選ぶ!外国の国籍は破棄でいいや~」・・・なんて簡単な話ではないわけです。

「ハーフ」ではありませんが、

お相撲さんの「白鵬」に関しても同じことを思います。

相撲協会には「外国籍を捨てて、日本に帰化しなければ親方になれない」という規定がありますが、

なんともまあ理不尽な規定ですね。

なぜお相撲さんにも親がいて、その親は外国にいて、もしその親に「何かあった場合」、その国の国籍が子供(お相撲さん)にないと悲惨なことになる、非常に困ったことになる・・・ということまで考えてあげることができないのでしょうか。

「親方になりたいなら日本人になるべき」---言うのは非常に簡単ですが、その人にも「親」がいるわけです。親戚もいるわけです。大切ななルーツ、そして大事な人がその国にいるわけです。そういうのを、当たり前のように「諦めてもらう」というのは、悪い意味でスパルタの考え方で非常に残酷だと思います。

「ハーフ」に関しても一緒。

国籍たるもの、自分の心の声を聞いて、「私は日本が大好きだから外国の国籍は離脱する!」なんてロマンチックな気持ちで動いてはいけません。

ロマンチックな気持ちを心の中に持つことは素敵だけれど、国籍やそれにかかわってくる問題というのは、もっと現実的なもの(介護、遺産相続、就労など)なので、本人も周りの人々も「ロマンチック思考」のまま突き進むのは「ちょっと待った!!!」ですね。

夏のこんな暑い日に難しいことを考えると更に暑くなりそうですが・・・(苦笑)どうか頭の片隅に入れておいてください。

サンドラ・ヘフェリン

コメント

  • 本当に、、、、この調子だと国籍の違う親同士の家族も増えるのだから、 昔決めたルールでいつまでもやっていくのは、 最善ではないと思います。

    5:56 PM きいろ
  • 以前、このブログの中でもちょっと触れられていたのですが、国籍法11条1項は本当に正しいのか?正しい解釈で運用されているのか?憲法との関係はどうなのか?が現在最高裁で争われています。
    二人の学者の意見書が出されており、それぞれ面白い視点で書かれています。興味のあるる方はちょっと目を通してみてはいかがでしょうか?この問題を考える上でいろいろなことを投げかけていますよ。この問題を良く理解するためにはこのブログを全て読む必要があると思うけど頑張って読んでみてください。
    http://japaneserussiankids.hatenablog.com/entry/2017/01/22/212219

    7:12 AM ken
  • このブローグを読みました。日本の国籍法が二重国籍を認める様に改正されることはもう無理だと思います。何故だと言うとハーフの政治家民進党の村田蓮舫が折角野党第1党の党首になって二重国籍の話題がマスコミに取材されて、様々な新聞記事などに掲載される様になった時、この疑惑を二重国籍を認める様になる為の原動力に使わず、逆に嘘を付いたりして日本人が二重国籍は悪いとしか思わなくなって非常に残念だったと思います。そして自民党の小野田紀美議員(元アメリカ人)二重国籍の為に戦わず自らアメリカ国籍を離脱して、自民党の評判を祭り上げる為に離脱をしなくても良い国籍を犠牲にしました。小野田議員は蓮舫議員よりか偉いと日本国民に思われたい気持ちの方が大勢のハーフ達の為に力になって戦う気持ちよりも大きかったのは明らかだ。ハーフ同士が内閣で味方にならず敵同士になったことも残念だと思います。

    小野田議員も村田蓮舫も1985年以前に生まれていたので旧国籍法によれば父系血統主義時代に生まれたので在日日系人として生きた体験をしているのです。この辛い性別差別があった旧国籍法の被害者として不正体験をしたことにも関わらず二重国籍疑惑がマスコミに取材云々された時にこれを原動力に使って今は21世紀なので先進国の国が大方二重国籍を認めていることを内閣で論ずって、日本の少子化や、高齢化や、国際化など等、深刻な問題を解決する為に国籍法11条と14条を緩和して日系人達に日本国籍を与え直す法案を提出するべきだと思います。この疑惑が行っていた時に去年の9月頃のタイミングを良く合わして戦っていたら今頃二重国籍国が緩和されていただろう。

    二重国籍を保持する必要性は愛国心問題と違って上記のウェブサイトが仰る様に実用的に必要なことを把握していません。親やが高齢すると子供の扶養家族の一員になる場合があります。例えば親の介護の為に海外から来日して面倒を見ないといけません。その時、折角自国で正社員とし既成されていても介護離職をして日本で就職活動をしなければいけない状態になります。この場合、今迄働いて来た会社の給料を稼げず半分以下な給料しか稼げず苦労をしてアルバイト程度や非正規社員の様な仕事しか就職出来ない状態が一般だと思います。このストレスの上に在留資格を入管と一々安定している予算があるかどうか審査されたり、グズグズしている余裕もありません。普通親が海外に住んでいる場合、仕事と介護を両立しながら親を養いながら働き続ける余裕はありません。自分と親が住んでいる国が大分離れている場合でも、介護の為に会社は長期休暇は許さず、引退する様に頼まれます。そして結果的には介護離職になって日本に入国する時に自分の職業は無職と携帯品、別送品申告書の職業の欄に記載しないといけないので外国人だと入国審査の警備官から上陸拒否される可能性があって、親の介護も出来ず職業を犠牲にしただけで終わってしまいます。日本国籍があれば、無職と記載しても入国審査の警備官は上陸拒否することが出来ず、親の介護を無職状態でも可能です。貯金や財産が介護離職の為になくなる悩みで十分苦労をしなければいけない我々に二重国籍を認めない憎たらしさを継続することになります。これは日本の海外の永住者に問題を伝える必要があります。

    何故だと言うと二重国籍が認めない理由で日本人が外国籍取得に遠慮している在留邦人は大勢います。彼らは日本の有権者なので彼らが長期滞在日本に同じ介護の為に帰国したら今度は彼らの海外で取得した永住権が無効になって親の他界後、長く住んでいた外国に戻れない状態になります。この最後のポイントが在留邦人に必然なのです。彼らしか我々の為に二重国籍を認める為に日本の有権者として圧力団体を作って出馬する候補者や内閣の議員を直接影響をする権利を持っています。私も日本語が不完壁で苦手ですがもっと日本語の出来ないハーフやミックス達の為にこの問題を伝えたいと思います。

    在留邦人の有権者や日本国籍を持つハーフやミックスの方達しかこの問題にあんまり関心持たないと思うので正直に言ったら日本が二重国籍を認める様になるのは想像も出来ないでしょう。日本がアメリカの様に税務法を居住地に関わらず、転出しても日本国民であれば日本に税金を払う義務が付く様に改正されるまで我々が日本の潜在的な納税者と検討するまで二重国籍を認める運動が成功するのが不可能だとしか思えません。皆さんの考えも遠慮なく伝えて下さい。

    11:38 AM Casey
  • Caseyさん。コメントを拝読しました。少し注意すべきことがあると思います。
    一般の国民と比べて、国会議員は非常に特殊な立場にあります。日本の国益、国際社会での日本の立ち位置を考えてバランスの取れた判断をする必要がある立場です。そういう意味では、今まで国会議員(それが例えば総理大臣であればなお更)日本国籍のみの単国籍を法律で求めてこなかったという事実のほうが問題だったのではないかとさえ思います。例えば、アメリカ合衆国大統領がアメリカ国内での出生、あるいは両親共にアメリカ国籍者であることを条件とするのがよい例だと思いますが、片親が非アメリカ国籍者のアメリカ国外で出生したアメリカ国籍者もたくさんいるわけです。しかし、アメリカ合衆国大統領は一般のアメリカ国籍者よりも厳しい条件を課しているわけです。私はある意味、合理的な条件だと思います。日本の国会議員が2重国籍であり、しかもその一方の国籍の存在を一般の日本国民に対して明確にしないなど、正しいことだとは思いません。この問題を考える上で、国会議員の国籍問題を比較対象とするのはいかがかと思います。国会議員になるというならば、2つある自分のルーツの一方を犠牲にして、日本国籍の単国籍として、日本の国益のために、世界のために頑張ると言う覚悟を持っている方のみ資格があるというべきかと思います。蓮舫などそういう意味では国会議員失格と言うべきなのです。
    一方で、一般の民間人は、それが例えば日本生まれの日本育ちであったとしても、外国に血のつながった祖父母がいたり、親戚がいたりと、いろんな繋がりはある訳です。本人のソフトウエア(精神世界)が純和風の日本人であっても、ハードウエア(肉体)のルーツは間違えなく二つの国にあるのです。ここへ来て、例えば、国籍法11条1項のように、自動的に日本国籍を喪失せしめて単国籍にすると言う法律の思想、つまり何が何でも単国籍を原則とするという思想がが正しいのかどうかは一考の余地ありだと思います。

    10:32 PM ken

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