興味深い記事「大炎上した日本風オペラ『ザ・ミカド』はなぜ怒りを買ったのか」

2015.9.30

先ほど興味深い記事が上がってきました。

アメリカで、日本風オペラ『ザ・ミカド』が現地のアジア系コミュニティーの怒りをかい、結果、中止になったのだそう。

記事はこちら↓

大炎上した日本風オペラ「ザ・ミカド」はなぜ怒りを買ったのか

まあ、もともと「ザ・ミカド」は

>100年以上前の1885年、イギリスでイギリス人によってイギリス人のために作られました。

とのことなので、申し訳ないですけど、オペラを見なくても(書くからには「見て来い!」って話ですが、まあ中止だと見れないですよね。。)大体想像はつきます。。昔の白人が作ったアフリカ人に関するもの(昔は「動物」として展示会に展示していたらしい)とか「黄色人種」をテーマにした作品には残念なものが少なくありません。昔のことなので情報不足ももちろんあったのでしょうが、やはり白人以外の人種を見下した上で作られた作品だからでしょうか。

私は小学生のころ、ドイツの学校の企画でミュンヘンの子供向け「サーカス」を何回か見に行った事がありますが、そのサーカスに登場する“Chinesin“(中国人女性)の立ち居地がまあ酷かったこと。はっきり言ってあればイジメですね。

(白人から見て)おもしろいと思われる中国人像。名前は大体「ピンポン」とかそんな感じで、ワケの分からない言葉でしゃべらせ(それが実際の中国語ではなく、ドイツ人がテキトーに作った「聞いていて笑える「中国語」)、それを観客のみんなが「うわー変!」とか言いながら笑う非常に趣味の悪いものでした。

そういうものを見せられた子供達(の一部)が、その後、身近にいる中国人または中国風の容姿をした人達(日本人や韓国人、ハーフも含む)に対してバカにしたみたいな話し方(中国語のマネ?)をしたり「チン・チャン・チョーン」などと叫んでは走り去っていくのですね。サーカス鑑賞がこういったことに拍車をかけていた部分もあるかと思います。

ちなみにドイツには、自分の言っている事の意味が相手に上手く伝わらない時に言う“Spreche ich hier Chinesisch oder was!?“(和訳:「なに、わたし、中国語しゃべってるワケ?!」)という言い回しがあります。言い回しは言い回しですし、言語的に昔から使われているものなので、仕方がないという見方もできるかもしれませんが、国際化した今の社会にはそぐわない表現だとは思います。

「大炎上した日本風オペラ「ザ・ミカド」はなぜ怒りを買ったのか」の記事を読んでそんなことを思い出しました。

サンドラ・ヘフェリン

コメント

  • まずはサンドラさん結婚おめでとうございます!

    さて、欧州でのアジア人って本当に微妙な立ち位置ですよね。黒人や中東への差別とはまた種類が違って、なんか無神経というか、差別的行動や発言をしても気づいてない?悪いと思ってない?常識的な人だと思ってた人からもたまに不意打ちをくらって、「え?」ってなりますよね。『ザ・ミカド』もそういった意識の低さの延長だったのでしょうね。

    私はミュンヘン近郊在住の日本人ですが、差別、日常的に感じますね〜。ドイツに来る前はイギリス南部に何年も住んでいたのですが、ドイツの方があからさまな差別を感じます。良い人もいっぱいいますが、イギリスではあり得なかったような対応をされることがあります。例えば買い物している時、私の前と後ろの白人ドイツ人には愛想良くしているのに、私の番になった途端、電気が消えたかのように顔から笑顔が消え、値段を冷たい声で言うだけ。「こんにちは」も「さよなら」も無しの店員とか。(ディスカウント系のスーパーAldiとかPennyに限ってそういうことが多いのは、ただの偶然ではないのかな!?)

    あとは道端で黒人の若者が楽しそうに歩いてたら、あからさまにいやーな顔して彼らをジロジロ見てるお年寄りとか。

    見た目で判断してここまで感じ悪く出来るってすごいですよね。だって私のように日本から移り住んだ外国人だけでなく、ハーフを含めドイツ人だけど白人じゃない方もいらっしゃるはずで、そういった方にもこの態度するのかな?こういうあからさまな差別する人にどう対応すべきなんですかね?あまりにひどい時には何か言ってやりたくなるんですよね。いままでドイツ語がまだ下手だったので泣き寝入りでしたが、だんだん話せるようになってきたのでなんか言ってやりたい。

    「支持する政党はCSUですよね?」とか?サンドラさんだったらどう言います?

    「私が外国人だからそんなに態度が悪いんですか?」と真顔でサラッと聞くとどんな反応するんだろう!!周りの人もギョッとするだろうなー!!とたまに想像してワクワクしちゃいます。いまのところ妄想でとどまっておりますが。

    3:58 AM SA
    • SAさん、
       
      コメントありがとうございます!
       
      >さて、欧州でのアジア人って本当に微妙な立ち位置ですよね。黒人や中東への差別とはまた種類が違って、なんか無神経というか、差別的行動や発言をしても気づいてない?悪いと思ってない?常識的な人だと思ってた人からもたまに不意打ちをくらって、「え?」ってなりますよね。『ザ・ミカド』もそういった意識の低さの延長だったのでしょうね。
       
      ↑微妙な立ち居地ですよね。。たとえば子供を持つ親(ドイツ人)であっても、「黒人の肌の色について差別的なことを言っちゃダメ!」と子供に教える人は多いんだけど、東洋人の目の細さに関するジョークに関しては大人も一緒に笑ったりと、そういったジョークも「え、それぐらい、いいでしょ」という扱われ方のように感じます。「チンチャンチョーン」のからかいに関してもそうなんですよね。
       
      SAさんが書かれている「楽しそうにしている黒人の若者を意地悪そうな目つきで眺めているお年寄り」、そしてそしてALDIやPennyの話、私もドイツに住んでいたので、実感として、その感じ悪さがよくわかります。。なんていうんでしょう、gehässig(意地悪い・毒々しい)そのものですよね。SAさんが今妄想(?)されている切り替えし「支持する政党はCSUですよね?」には笑いました。そうですね、私だったら、とくに話しかけないで、その感じ悪い人と同じような目線を送り返してあげるかな(笑)頭の上から靴のつま先まで見て「ふ~ん」みたいな表情をしてあげるとか。ただこの表情はヘタするとクセになっちゃうので、私は日本に来てからこの「感じ悪い視線」をやめるのに、ずいぶん時間がかかりました(笑)ドイツの、あの独特の「人を上から下まで評価するように見る視線」って本当感じ悪いですけど、ドイツでの生活においてはナメられないために必要な場合もありますし、SAさんも時と場合によっては使ってみてはいかがでしょう。★サンドラ★

      12:19 PM サンドラ・ヘフェリン
  • あ~、Madame Butterflyもそうですよね。日本人の女=芸者、みたいな感じで、蝶々夫人の心情が見えてこないところ。昔ならそれはそれで笑えたものかも知れないけど、今では欧州生まれのアジア系も多いので、時代にそぐわなくなってきていますね。

    日本人やアジア系とは少し違いますが、インド系も結構微妙な立ち位置だったりします。うちの娘のように、インド系ハーフだともっとそうなのかも。
    私たち夫婦の友達のバングラデシュ系イギリス人男性に言わせると「今ではインド系イギリス人家庭を描写した映画やミュージカルもあるけど、白人との結婚を許さない父親とか、女は結婚して一人前になれるとか、家庭でインド文化をやたら強制してくる親とか、ステレオタイプな描写が多すぎるんだよね。うちは両親がバングラデシュ人のムスリム家庭だけど、かなり自由だったから、共感しにくいところも多いし。だから見たいと思うものが少ない」と言っていました。うちもそれは共感できますね。うちの旦那さんはバングラデシュ人ですが、私たちが結婚するときに、旦那さんのお姉ちゃんがサポートしてくれたのもあると思いますが、向こうの両親が大反対したわけでもないし、うちも結構自由ですよ。
    私もすっごく調べてはいませんが、インド人を笑いものにしたり、結婚に自由がないと思われていたり、ステレオタイプでしか描いていない映画やミュージカルは今でもありそうですよね。

    1:05 PM Jannat
    • Jannatさん、
       
      体験を書いてくださってありがとうございます!
       
      そうですね~、外国人との結婚を反対するバングラデシュ人やインド人は「いる」のでしょうが、Jannatさんもおっしゃるように全員ではありませんよね。なぜネガティブなことにだけスポットをあてるのか、というのは突き詰めると色々出てくるのだと想像。

      しかし「どーせ、あなた達はそうなんでしょ」と言われるのはほんとう気分悪いですよね。とくにミュージカルなどの場合は、それを見て更に偏見が深まるかもしれませんし。。むずかしいところです。★サンドラ★

      1:49 PM サンドラ・ヘフェリン

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