「クオーター」の国籍について

2014.8.29

私の周りのハーフの女友達の多くがここ数年で「母親」になりました(^^)

ご主人が純ジャパ(ハーフではない日本人)の人も多いです。

そうすると、生まれてくる子供はいわゆる「クオーター」なのですね。

さて、意外とよく耳にするのが、そんなハーフママたちからの

「私は日本とフランスの国籍の両方を持っているのだけれど、ウチの子供に関してはお父さんは純ジャパだし、子供の国籍は日本の国籍だけでいいよね?おばあちゃんがフランス人というだけだと、子供はフランスの血も薄いから子供は『フランス人』とは言えないと思うし、フランスの国籍を申請するのはどうなのかなあって。」

というような発言。

でも、私にはこの発言、ぶっちゃけ「国」というもの(この場合はフランスという国)に対して過剰に遠慮し過ぎているように聞こえます。

なんとなく「フランスの血が薄い人がフランス国籍を持つのはちょっとビミョーだから、(国に遠慮して)ウチの子のフランス国籍の申請はやめておこうかしら」というふうに聞こえてしまいます。

でも、こういう場合、親は絶対に遠慮してはいけないと私は思ってます。

クオーターみたいに血が薄くなると、国籍申請に遠慮がちになる親がいますが、そこはもっと図々しくなりましょう。

ここは子供、そして子供の将来を中心に考えるべきかと。

子供の将来を考えた場合、フランスの国籍というのはEU国籍ですから、非常に貴重な国籍だと言えます。

また将来、子供が留学をしたい場合、奨学金にアプライする場合、、、などなどなど、「どういう形」で「いつ」国籍が役に立つかなんて今の時点では分かりません。だからこそ、今、国籍を申請しておいたほうが良いのです。

たとえば子供が将来オリンピックの選手(夢は大きく!)になったら。日本代表チームがダメでも、フランスの国籍があればフランス代表としてオリンピックに出ることだって可能です。そういう可能性の一つ一つを「持たせてあげる」(たとえ将来子供がオリンピックの選手にはならなくても)のが親の役目だと思うのです。

もっと単純な例で言うと、フランスの国籍があるということは、子供が将来その気になったら、たいして手続きもせず、ポーンとフランスに行って、そこ(フランス)に住める、ということであります。そして上記の通り、フランスはEUに入っていますから、フランスのパスポートさえあれば、比較的簡単にドイツやスウエーデンなどなどのほかのEU諸国の国に住む事もできるわけです。

こんな、いわば「特権」みたいなものを、親の「遠慮」でやすやすと手放していいものなのか、、、、私は非常に疑問に思いますね。

そして、もう一つ発見してしまったこと。

それは、母親(ハーフ)が子供(クオーター)に自分と同じ国籍(例えば日本の国籍とフランスの国籍の両方)を持たせたがっていても、ご主人である日本人が「ウチの子にフランスの国籍は必要ない。日本で育つのだから日本のでじゅうぶん!」などと、外国(日本以外の国)の国籍の申請に反対するケースが少なくないこと。

こういう事例を見ていると、世の中、まだまだ父系社会なんだなあ、、、とため息が出ます。

「子供は父親と同じ国籍さえあれば良い」とし、母親や母親のご先祖の「国籍」や「血」を無視するのって、とても残念なことだと思うのですが、実際にはまだまだこういう考え方をする人がいたりします。

さて、この話、まとめると、

「クオーター」は「ハーフ」より血は薄くても、国籍を申請する際にクオーターやその親が「国」に遠慮したり変に引け目を感じる必要はゼロだと思います。

そして父系社会的な発想に縛られていたのでは、子供の将来には有害だということです。

・・・・けっきょく「ハーフ」にしても「クオーター」にしても答えは同じ。やっぱり子供にとって一番有利な形での決断をぜひしてほしいですね。

サンドラ・ヘフェリン

コメント

  • え?いわゆる「クオーター」で国籍2つ、3つある人、結構いますよ。両親、祖父母の国に住みたい、勉強したい、働きたい、と言うのはいいことではないですか。そのためにも、国籍取得は必要だし、後々の手間が省けると思うんですが。
    娘には日本とバングラデシュ両方の国籍を持たせて、どちらにも住めるようにしてあげたいですね。オリンピックもそうですが、バングラデシュはイギリス連邦国なので、教育システムはイギリスです。バングラデシュ国籍はイギリス(連邦国含む)に留学しやすかったりすると聞きますし。
    子供と親はまったくの別人格だし、将来どこに住むかはだれもわからないので、国籍などの法的な手続きは可能な限りやってあげたほうがいいと私は思います。

    1:44 PM Jannat
    • Jannatさん
       
      そうなんですよね。Jannatさんも書いているように、たとえば「バングラデシュ国籍だとイギリス(連邦国含む)に留学しやすい」など、広く知られていないところにメリットが隠れていますから、そのメリットは活かさないと損ですよね。
       
      日本には教育熱心な親が多いですが、「子供の国籍を取得してあげること」も「教育熱心」のいっかんなので、親は子の国籍を是非「そのうち」とか言わないで赤ちゃんのうちに申請してほしいですね。★サンドラ★

      9:33 AM サンドラ・ヘフェリン
  • 権利があれば良いんだけど、イギリスとかカナダは国外で生まれた国籍保持者(例えば日本生まれのハーフ)が、更に国外で子供を作ると、その子供には国籍申請の権利が無いんだよね。まあ、この辺は完全にその国の国籍法による。

    2:28 PM simon
    • simonさん
       
      コメントありがとう!イギリスがそうだというのは前に聞いたことがあります。国の法律として申請が不可能なら、本当に仕方ないですが、「申請したら子供が国籍をもらえるのに、親が申請しない」というのは、本当に疑問に思いますね。★サンドラ★

      9:36 AM サンドラ・ヘフェリン
  • うちの子供たちも無事もうひとつの国の国籍取れそうです。相談にのってくださりありがとうございました!
    私たち夫婦は付き合っている頃から「ハーフ」についてよく話す方ではあったと思うけれど、子どもの国籍についてまでは、正直、実際子供が生まれるまで考えが及んでいませんでした。
    ハーフである夫が、ほぼ日本で過ごし、日本の資格を取り働く選択しか頭になかったようですし、夫自身、アイデンティティはほぼ「日本人」だった(「日本人」になりたいという強い思いがあって、より強くそう思わせたのかもとも言っていた)から。
    でも、いざ産まれたら、子供の見た目が外国人ぽかったので、周囲の反応が本当に様々でより多く考えさせられたこと、誕生後すぐ大地震があって一時そのもうひとつの国に避難していたこと、そして、サンドラさんのコラムやアドバイスを読んだことで、子供の国籍についても深く考えるようになりました。結果、まだ間に合ってよかったです。
    そういう夫婦も結構いるのではないかな。とくに国際的でない仕事、生活をしている人たちの場合は。
    もっと啓蒙した方がいいことだと思います。
    「○○人である」ということはイコール「□□人でない」ということとではないんですし(今は私たち夫婦はそう思えます。でも周囲や本人はそう考えないかもしれないが)、自分や子どもの人生の損得、合理性を考えて動くことをよしとする考えにとても同意できます。
    あとで「日本人だけ」になりたいならこども自身がそれは決めればいいのだし…
    でも、そう考えると、私たちの選択は子どもの子ども(私たちの孫)の可能性にも響いてくるわけですね。。
    さて、私たちの子供たちはどんな選択をするのだろう?子どもたちが選択するときは、この一連の話をしたうえで選択してもらおうと思います。

    5:09 PM ゆり
    • ゆりさん
       
      コメントありがとうございます。お子さんの外国の国籍取得、間に合って本当に良かったです!!!
       
      おっしゃるとおり「『○○人である』ということはイコール『□□人でない』ということではないと私も思います。子供の外国の国籍取得を躊躇している親に関しては、おそらく「子供が外国の国籍を取得したら、日本人ではなくなってしまう。オレは日本人だから、それは嫌だ!」という思考なのだと想像しますが、とくに子供の場合、たとえば「フランス国籍であること」、そして、それと同時に「日本国籍であること」は全く矛盾しないことなんですけどね。このあたり、もっと柔軟な考え方をする親が増えると良いですね。
       
      国籍取得について私がもう一つ懸念していることがあります。それは国籍を申請しないと、もしかしたら子供が大人になったら、「国籍を取得している人に対する妬み」のような感情が最悪の場合、出てきてしまうのではないか?ということ。ある成人男性で(本当は赤ちゃんの頃にドイツ国籍がもらえたのに、親が申請をしなかったため)日本国籍のみの人がいますが、その人は現在ビザをとってドイツに滞在中です。ご存知のように、ドイツには移民が多く、容姿は黒人だったりアラブ系で「ドイツ国籍」の人も大勢います。彼らの多くは、途中でドイツに帰化したり、または「血筋」の面でドイツの血は入っていなくても、ドイツと外国の二重国籍や三重国籍を持っていたりします。それで、その冒頭の男性は「なぜ自分は、片方の親が血筋も国籍もドイツなのに、自分はドイツの国籍が無くて、ドイツといわば血筋の面で全く縁のない移民がドイツの国籍を持っているのか?」という事をたびたび悔しそうに言うのですが、私はこれを聞くと複雑な気持ちになります。というのは、もしもその男性自身にドイツ国籍があったら、他人(移民)のドイツ国籍について複雑な気持ちになったり妬みのような気持ち(なんで、彼らがドイツ国籍持っていて、自分にないの?自分は、親が血筋の面でも国籍の面でもドイツ人なのに?)は持たなかった可能性が高いと思うからです。これを見ても、後々の円滑な人間関係のためにも、自分の子供が将来、他人と比べて不利な立場におかれてしまう状況を、なにも親が自ら作り出す必要はないと思いますね。
       
      そして、ゆりさんも書いている通り、親が子供の国籍申請をせず、子供にその国の国籍が無いと、「孫」の代での申請は不可能になるわけで。遺言に「我が家は、代々、子供が生まれたら、即、国籍申請をすべし」と書いておくのもいいかも(笑)ご先祖様からの遺言ということで(笑)★サンドラ★

      10:06 AM サンドラ・ヘフェリン
  • たとえ日本で生まれ育ったクオーターでも、将来日本に住むとは限らないから違う国のパスポートは持たせるべきだと思います。
    パスポートを持たせなかったために、子供から恨みを買う、というのも避けたいことですし。
    けれど未だに日本ではハーフやクオーターが二重、三重国籍である場合、これに対して白い目で見る生粋の日本人は少なくない。。。
    「日本で生まれ育ったからには、国籍はひとつのはず!二重国籍なんてズルい!」という考えの日本人がまだまだ多くいるため、サンドラさんが上記に挙げたケースはかなり多いのではないでしょうか。

    9:49 PM Maria
    • Mariaさん
       
      きっと「空気」のようなものなのでしょうね。周りの目や世間の目を気にして「なんとくなく申請しにくい」心理状況(←母親の心理状況)を作り上げているというか。そんな空気は無視、無視!子供のことを第一に考えるべし、と思いますけどね。★サンドラ★

      9:39 AM サンドラ・ヘフェリン
  • 追記です。国籍と言うのはある意味「その国の国民として住む権利があって、あらゆる恩恵が受けられる」という「権利」だと思うので、便宜上の問題ではないのですか?日本人からは「日本国籍だけでいい」「二重国籍は犯罪に走りやすい」という意見が多いようですが、「子供が他の国に住む権利はないの?」と聞きたくなってしまいます。

    11:40 PM Jannat
    • Jannatさん
       
      おっしゃる通りです。日本にひろまっている「人間、国籍は一つであるべき」という考え方や、「国籍が沢山あると犯罪でも何でもできちゃうんでしょ」みたいな考え方は時代にそぐわないと思いますね。完全に偏見だと思います。★サンドラ★

      9:42 AM サンドラ・ヘフェリン
  • 家は子ども達が「逆」クオーターですが、ちゃんと国籍を二つとも継承させています。見かけ的にはほぼ白人だけど、だから何?って感じ。私もどうせ「日本人に見えない」と一生言われ続けてきたのだから、「日本人に見える・見えない」=国籍を持っている・持っていない、国民としての権利・義務を持っている、持っていない、とは無関係だと思います。子ども達が将来どういった道を選ぶのかは全くわかりません。でも、だからこそサンドラサンのおっしゃるように、親としては可能性を広げることはあっても、自分の勝手な思い込みで狭めるようなことは決してしたくないと思っています。国籍を捨てるのは簡単でも、取得するのはかなり難しい場合が多いですからね。

    11:59 PM かぐや
    • かぐやさん
       
      おっしゃる通り、現実問題、国籍を「捨てる」のは簡単でも「取得」は大変。だからこそ、赤ちゃんのうちに親が取得してあげないといけない。かぐやさんのお子さんは外国の国籍と共に日本の国籍も持っているクオーターなのですね。親(かぐやさん)のおかげですね(拍手)。
       
      ところでかぐやさんが、容姿のことを書いていたけど、私も同じ意見です。「国籍」と「容姿」は無関係だと思うし、「容姿」による「国籍申請の判断」は絶対にしてはいけないと思ってます。生まれてきた赤ちゃんを眺めて「ウチの子は日本人に見えないから日本の国籍は申請しないでおこう」とか、逆に「この子はドイツ人には見えないからドイツの国籍は申請しないでおこう」とか、本当に困った考え方だと思います。ナチス的な考え方で差別そのものだといってもおかしくないぐらいです。★サンドラ★

      9:47 AM サンドラ・ヘフェリン
  • 移民の多い国々(海外移民を受け入れた、海外移民を出した、の両方のケース)では、移民2世代目3世代目以降の子孫の国籍については、どういう風に申請したらいいか、どんな選択の余地があるか、相談に乗ってくれる民間ネットワークができていたり、専門家のアドバイスも聞けるところが多い印象ですが、日本では(過去に移民を出しており、現在は国際結婚でたくさんの人が海外生活しているのですが)、いわゆるハーフやクォーターの重国籍取得について、丁寧に説明してくれるベテランの窓口とか、専門家とか、まだ十分いないですよね。時々いたとしても少なくて、対応がばらばらで、頼りない印象がいまだにあるので、親や家族だけで判断しづらいと思ったら、ネットワークを駆使していろいろな情報を(あてはまるケースを入念に)調べたり、詳しい人に良く聞いて、丁寧に準備しないと時間切れになってしまったり、放っておかれたりしてうやむやになりがちですね。十分な情報や選択の余地を知らなくて、生まれたわが子が持ちうる国籍の申請をミスってしまうケースを仕事でも見てきました。かぐやさんが書いているように、捨てるより取得するほうが難しい国籍。書類のペーパーワークや慣れない法律の話ばっかりで親御さんは負担に感じるかもしれませんが、将来の可能性が広がるかもしれないので、そこでちょっとがんばってお子さんに良い選択をしていただきたい気がします。

    7:36 PM N☆
    • N☆さん

       
      おっしゃる通りです。子供の国籍の申請に関する手続きは大変かもしれないけれど、親にはぜひがんばっていただきたい。自分や自分の子供が日本の社会のマイノリティーである、ということを、良い意味で自覚して、申請をキチンとするのが子供の将来に有益ですね。周りのマジョリティー意見の「え~、そんなの必要ないじゃん(国籍は一個でいいじゃん)」に流されてはイカンと思います。★サンドラ★

      9:51 AM サンドラ・ヘフェリン
  • 日独ハーフです。

    日本で生まれ育ち、ドイツ語は全然わからないというタイプのハーフなのですが、国籍は両方を持っています。
    実際問題、それによって何か得をしたことは無いのですが、持っていて困ることも一切無いのですよね。
    でも産まれた時点では、将来ずっと日本で暮らすという保証は無かったのですから、もし向こうへ渡る機会があったら… と想像すると、絶対に二重の方が得だよなあ、とは思うのです。

    大体、日常生活の中では国籍が何か問われる場面って、ほとんど無いような。もし、差別や偏見を受けるとしたら、容姿や名前の方が大きい要素じゃないかと感じます。

    出生時に複数の国籍を取るために、莫大な費用が掛かるとか、何年も裁判を経る必要があるなら、どこかに絞り込むのも判りますが。
    むしろ、容易に取得できる状況で、敢えて一国に絞るという発想が、感覚的には理解できませんねえ… 
    合法的に簡単に取れるなら、自分に関わりある国の国籍なんですから、何カ国分あっても良いとしか思えないです。

    2:10 AM KYLE

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です