ハーグ条約
いよいよ、明日から増税ですね・・・
しかし明日4月1日は、消費税の増税のみならず、もう一つ大事なニュースがあります。
国際結婚をしていて子供のいる夫婦、または子供がいて国際離婚を検討中の夫婦、そして勿論ハーフ当事者にとって非常に重要なニュースです。そう、明日4月1日は日本が「ハーグ条約」に加盟する日なのですね。
昨年の今頃は、「日本、年内(2013年)にもハーグ条約に加盟へ」と言われていたので、ちょっと遅れての加盟ですね。
ハーグ条約に関する詳細に関しては外務省のホームページをご覧いただくとして、
ハーグ条約は、大まかに言うと
(1)他国に連れ去られ、片方の親としか暮らせないのは子供に有害
(2)元の居住国へ子供を返すことで、元の国の裁判所で親権を協議するのが子供には最善の利益
という考え方に立っています。
つまり昔ながらの、ケンカをしたり、夫婦関係が悪化した場合に女性が言う「実家に帰らせていただきます(子供を連れて)」という日本流のやり方は通用しなくなるのですね。極論を言うと、一度外国に住んだら最後、夫の同意ナシでは二度と未成年の子供を連れて日本には帰れないということです。
日本がハーグ条約に加盟する前は、例えば外国人の夫とハーフの子供と共に海外に住む日本人女性が、夫の了承を得ずに子供と一緒に日本に帰国しても、その後、日本国内で親子ともども潜伏するという方法もありましたが(ハーグ条約加盟国にさえ行かなければ捕まらなかったようです)、明日4月1日からはそうもいかなくなります。これからは、海外に暮らすパートナーや元配偶者が公的機関を通して子供の返還を求めれば、たとえ日本国内にいてもその要求に応じなければならなくなります。または何らかの対応をしなくてはならなくなります。違反すると最悪逮捕されてしまう事もあるようです。(実際に、今までINTERPOLの指名手配犯の多くが日本人女性でした。右上の”Wanted Persons”をクリックし、”Nationality”の欄に”Japan”と入れると沢山出てきます。)
冒頭の通り、ハーグ条約は、子供を『元々住んでいた国へ返すのが一番』という考え方に立っているので、個人的に思うのは、国際結婚をする人は、「最初にどこの国に住むか」という点において、今まで以上に慎重になったほうが良いということです。
たとえば、ドイツ人男性と日本人女性の国際結婚カップルがいたとして。
ドイツ人男性が「最初の数年間は(子供と君と)ドイツに住むけど、ゆくゆくは日本に住む」と結婚当初は(日本人である)奥さんに対して口約束をしていたとします。
しかし後にその口約束が果たされず、夫婦関係が悪化した場合でも、
奥さんが(旦那さんに無断で)子供を日本に連れて帰り新たな生活を始める事を(このハーグ条約は)認めていないのですね。
ですので、やはり「最初にどこの国に住むか」「最初にどこの国で子供を育てるか」というのが非常に大きなポイントとなってくるわけですね。
こちらのリンクでも島野さんという弁護士の方が「日本人の女性が外国人男性と結婚して、外国に住む場合は、注意です。国際結婚をする場合は、できる限り、日本で婚姻生活を送ることをお勧めします」と言っているように、慎重になる必要があります。
「専業主婦の奥さん」と「働いている旦那さん」という昔ながらのスタイルの夫婦の場合、
必然的に「どこの国に住むか」は「働いている人」つまりは旦那さんが決める傾向にありますので、
なんだかなあ、、、と思うところはありますが、
ハーグ条約は法律ですし、基本は子供の幸せを第一に考えた法律ですので、
親というか国際結婚をする大人は「ハーグ条約がある」ということを念頭においた上で国際恋愛や国際結婚をするのが安全かと思います。
日本がハーグ条約に加盟することにより、「住み慣れていた国からイキナリ引き離される子供」が減ることが予想されますので、(ハーフの)子供にとってはハッピーな事だと思います。
(もっとも、子供のいる「日本人同士のカップル」が海外に住む場合も勿論同じですので、国際結婚や国際離婚に限った話ではなかったりします。)
なにはともあれ、親や大人の都合は別として、ハーグ条約によってハッピーな子供が増えるといいなって思います。
サンドラ・ヘフェリン
~そしてそして明日4月1日は、私たちのパネルディスカッションの日でもあります。夜7時半から!「多文化って必要?多文化日本人のぶっちゃけトーク!」(桐島ローランドさん主宰のパネルディスカッション)!みなさん是非お越しくださいませ。ハーグ条約も含め刺激的な炸裂トークにご期待。
コメント
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そうですね。国際結婚の場合は離婚に対する意識がだいぶ違う場合があることを意識しなくてはいけません。
ハーグ条約は、子供が元々いた環境から引き離されることがないように、という目的で作られたものですが、DVや刑事犯罪などに巻き込まれる可能性がある場合は有効とはいえない気がします。この場合は、片方の親と暮らさざることを余儀なくされることもありますし、国籍や文化の違いを差し置いても、話の分からない男女はいるものです。そういう時には刑事事件として扱うことも必要になってくると思います。(そうは言っても国際結婚に関する政府の無関心や、カラードへの人種差別をむき出しにする政府もあるので、これも簡単ではなさそうですが)
なので、何が何でももとの環境で、というのではなくて、一人ひとり、各家庭ごとのドメスティックな対応の強化が大事になってきそうな気がします。さらに言うと、日本での片親だけが親権を取るというのも、今の時代には現実的ではない気がします。子供は親の所有物ではないのですから、両方の親が親権を取って定期的に会うことが必要なのではないでしょうか。
私個人はハーグ条約に全面的に賛成ではありません。配偶者のわがままで子供を日本に連れて帰るのは確かに子供にとってはマイナスとなる可能性は否定できません。しかし、DVや犯罪に巻き込まれた場合や、夫婦生活が機能していないのに離婚に応じてくれないなどになってしまった場合、そんなことを言っていられるのか?(もちろん、時と場合によります)ハーグ条約が全てにおいて機能するとは限らないことを頭に入れておく必要があるな~、といつも思います。12:58 PM Jannat -
Jannatさん、
コメントいただいてありがとうございます。書いてくださったことに同感です。
DVがあるケースも、「まずは現地(外国)の警察や裁判所で・・・」と行きたいところですが、そうもいかないのがDVという緊急事態ですしね。それにしても、ハーグ条約は「子供を他国に連れ去るのは子供にとって有害」「子供を元の居住地に戻すのが子供にとって良い」としているので、本文中でも少し触れましたが、「女性に不利」な部分があるのは否めないと思います。つまり女性が結婚の際に「旦那さんの居住地である外国」についていくと(その後、子供が生まれて夫婦関係が破綻した場合)女性が圧倒的に不利なのは否めない。
そう考えると、女性が(外国人である夫のために)海外についていく場合、女性側に「覚悟」が必要ですね。。その覚悟とは何かというのを今考えているところですが、たとえば「イザとなったら現地(外国)の裁判所で闘う覚悟」だったり、現地語が出来ない場合、その言葉をイチから勉強する覚悟だったり。
そして、Jannatさんが書いていた
>さらに言うと、日本での片親だけが親権を取るというのも、今の時代には現実的ではない気がします。
↑というのも、同感です。両親が浮気などの「大人の事情」で別れても(離婚をしても)、子供にとっては、お父さんとお母さんの両方と会うのが子供の権利だと思いますね。そうなると、やっぱり日本も今までの「離婚したら、子供は母親の所へ(そして多くの場合、子供はもう父親には会えない)」という状態から脱して、日本の国内法に関しても欧州流の「離婚後も、共同親権」の方向に見直す必要があると考えます。なぜなら、ハーグ条約はそういう考え方に立っていますから、日本が今まで通りの国内法だと、ハーグ条約の考え方との間に矛盾が出てきてしまうから。★サンドラ★
10:56 AM サンドラ・ヘフェリン -
サンドラさん、こんにちわ。昨日、パネルディスカッションに参加し(ハーフはアメリカや西ヨーロッパばかりが目立ってると話した。)、サインを修正してもらい、一緒に写真を撮らせてもらいました。ありがとうございました。
日独会館でも感じましたが、非常に中立的に(日本側、ヨーロッパ、ドイツ側にも寄りすぎず)物事考えてるなあ、と感心しました。あと、よくお辞儀をするなあと、ドイツでもしますか?
タカさんの博識には、驚きました。
いよいよフランスに出発します。機会があれば、またお逢いしたい。それでは
12:52 PM Voila -
Voilaさん、
先日はシンポジウムにお越しくださってどうもありがとうございます!私、そんなにたくさんお辞儀してました?(笑)>日独会館でも感じましたが、非常に中立的に(日本側、ヨーロッパ、ドイツ側にも寄りすぎず)物事考えてるなあ、と感心しました。
↑上記の発言、嬉しいです・・・^^ テーマによって、私も「日本より」になったり、または「ドイツより」になったりしますが、基本、「真ん中」でありたいと考えています。ときにはその「真ん中」というのが、決してマジョリティーの意見ではないので、鼻につく人もいるかもしれないけど・・・。
ちなみに、私が「日本より」になるのは、食文化や食生活について。そして「鯨」(捕鯨)の話になった時。詳細はまたいつか別の機会にお話したいと思いますが、基本「日本側」の立場ですね。豚や牛、鶏を食べている人達に「クジラがかわいそう!」と言われるのは納得いきませんし、日本の食文化の事を軽視していると感じます。
そして、「ドイツより」になるとき。それは有休や労働基準の話になるとき!・・・やっぱり日本は有休の数が元々少ない上に、病気の際はその病欠の日が有休から引かれたり、有休を堂々ととれない雰囲気があったり、旅行先からお土産を上司に買ってくるのが当たり前、というのは納得いきませんね。・・・・話がそれてしまいました。またイベント等がありましたら、お会いしましょう!★サンドラ★11:10 AM サンドラ・ヘフェリン -
実はこの方、クジラの肉が嫌いなんですよね…。
小学校の給食で食べて、あまり美味しくない、と思いました。
好きな人は食べてもいいと思いますが、
それを他人に押し付けないでほしい。8:00 PM Maria -
>やっぱり日本は有休の数が元々少ない上に、病気の際はその病欠の日が有休から引かれたり、有休を堂々ととれない雰囲気があったり、旅行先からお土産を上司に買ってくるのが当たり前、というのは納得いきませんね。
日本の企業は中国でもものすごい事をやっています。
中国の賃金労働者を安い賃金でこき使わせて…。
南北戦争前の黒人をこき使う白人みたいな事をしているのですよ。
最低。ブラック企業。英語で言うsweat shops.
日本で言ったら、明治、大正時代の『女工哀史 (細井和喜蔵 著)』みたいなことを今の中国人にやらせているものですね。8:05 PM Maria -
すみません、本題についてなのですが…。
子供は選べなくてつらいですよね。
なんで子供に住む場所を選ばせないのだろう?
と、思います。
まあ、それだけ親が子供を愛しているともいえますが…。8:08 PM Maria -
Mariaさん、子供は住む場所を選ぶことができません。私も子供に選ばせたら、と思っていましたが、子供はどんなに暴力をふるう親でも怖い&気を使ってしまう&それでも大好き、という理由で、親の元に留まることを選んでしまうことがよくあるのです。恐らく理由としては、大人と違って子供は広い世界を知ることができないことと、自分の親以外の親はどんなものかを知ることができないからです。だから割り切って自分から親を捨てることができないのです。それだけ、子供は自分で生きることが難しい生き物なのだと、自分の子供を持って見て初めて思いました。
9:51 PM Jannat -
Jannatさん。
子供は本音と健全を使い分けることをしないので、
それがすぐ態度に出ますよね。
ソ連時代のプロパガンダを思い出します。
『兄弟は選べない』。
これから、Jannatさんの娘さんがどんな人生を送るのでしょうか。
そういえば、イランからの難民、サヘル・ローズさん(ネプアンドイモトに出ていますよね)は学生時代、すさまじいイジメにあったそうです。
実はこの方、ドバイ空港で、ブルカをかぶった日本人女性が、ドバイ人男性とのあいだに生まれた娘さんを連れてきたのですね。
その方、ブルカをかぶっていませんでした。
長くて黒い髪、大きな黒い瞳、そしてとび色の肌。
とっても神秘的で美しかったです。
十代の半ばの方でした。
アラビアやペルシャの女性って、美しいですよね。
実は、私の父も、『イランの女性は大きな黒い瞳をもって美しい』と言っていますし。
まあ、男の人の好みも千差万別なのですが、父は黒い髪、黒い瞳を持つ女性が好きなのだということを最近知りました。
ハーフが主人公の『グロテスク』をご存じですか。
私は主人公の『わたし』に近いけれど、ハーフだと言う事はだまっています。
だって、質問攻めにあうの、うっとうしいし。
私の友人は登場人物の一人、かわいくて頭脳明晰のミツルみたいです。
話しがまたそれました。
Jannatさん、よかったら桐野夏生著の『グロテスク』を読んでみて下さい。10:09 PM Maria -
ついでに、日本人が白人女性よりも容姿が劣っている、ということを聞くたびに、とても悲しい気持ちになります。
私の友人はとってもきれいなのに。純粋の日本人です。
まあ、人にもよるっていうやつですよ。
アメリカにも不美人な白人はそれこそ大勢いますよ。あと、日本人は謙虚な民族なんて言われていますが、
欧米にも謙虚な人はそれこそ大勢いるのですよ。
学校ではひどい目に遭いましたが(アメリカの学校は勉強するために行く学校ではないと最近知りました。場所にもよりますが)、同じく学校に通わず、ホームスクーリングをしていた方の一人は、
『(アメリカの)学校なんてクズよ。勉強しない人をからかって。
だからあたし、ホームスクーリングをしているのよ!』
といっていた年下の女子(白人です)を思い出しました。
…教養のない人ほどひどい振る舞いをするという事です。10:19 PM Maria -
追記:
サンドラさんは子供時代をドイツで過ごしたとおっしゃっていますが、
ヨーロッパの人でも、知識階級層以外は
日本で言うネトウヨみたいな振る舞いをしますよね。
欧米の場合、それが露骨ですが…。
日本の場合は巧妙な(心の中では差別の渦が渦巻いている)差別の仕方ですよね。
中国人や韓国人をバカにして。
同じアジア人なのにね。10:27 PM Maria -
Jannatさんの娘さんは、森薫作の『乙嫁語り』に出てくる
主人公、アミルに似そうな気がします。
中央アジア風の女性になりそう。
あのあたりの女性(男性も)って、美人の宝庫ですよね。
Jannatさんの娘さんの成長が楽しみです。
ハーフとして、つらいことにもぶち当たるかもしれませんが…。
日本では(欧米でも)インド系の方は、貧しいとみられますが、
私はそう思いません。
『乙嫁語り』、オススメです。11:21 PM Maria -
あと、イスラム教徒=奥さんに暴力を振るうって、乱暴な考え方ですよね。
実際、日本でもアメリカでもドイツでも、奥さんに暴力を振るう夫はいるのに…。5:10 PM Maria -
Jannatさん。
私は白人でキリスト教圏のハーフのため、Jannatさんの娘さん(どらヴィタ人ミックスのコーカソイド人種でイスラム教圏)のハーフへのアドバイスの仕方が分かりません。
私が分かる事はインド系のルーツと文化(神秘主義文化)ぐらいですし…。
まあ、日本が画一的教育を行っているから、いまだに多文化への理解ができないのだと思います。11:14 PM Maria -
日本は単一民族の国なんて言われていますが、実際は北海道にはアイヌの人々が住んでいましたし(和人に迫害された歴史があります)、
沖縄県民(日本人と若干民族が違います)なんてね、日本の政治家たちが沖縄本土を犠牲にして米軍を置いているのですよ。11:18 PM Maria -
サンドラさん
サンドラさんが過ごしたドイツではトルコ系の子供がイジメられているのですよね。
トルコ系の子供がイジメられていた時、ドイツ系の方はどういうふうに対応していたのですか?
Jannatさんの娘さんにも、そういうふうな対応がきくと思いますが…。9:23 AM Maria -
あと、いくら多文化主義を浸透させようとしたところで、ガイジン嫌いの右翼系の人はそれこそ大勢いますし、子供なんてそれがすぐ態度に出るから、分かりやすいですよね。
子供は加減を知りませんから、Jannatさんの娘さんがイジメにあっても別に驚きはしないです。
日本は人種差別のない国なんてよく言われますが、
実際住んでみると嫌な目に遭っているガイジンなんてそれこそ大勢いますし、
同じアジア人の中国人や韓国人を下に見る日本人なんてそれこそ多いですよね。
Jannatさんの娘さんがイジメられたとき、どういうふうに対応したらいいのか。仲裁に入るのが一番いいのですが、子供は加減を知らないしなあ…。9:29 AM Maria -
ところで、ドイツでは、白人のドイツ人とトルコ人(コーカソイド人種)は分かれていたのですか…?
この方、トルコの文化とっても大好きなのですが…。
あと、トルコもやはりヨーロッパとアジアの融合ですよね。
なんていうのかな、東洋人とつるんでいたら不潔って思われるから白人は東洋人を避けるのでしょうか。12:28 PM Maria -
けれど、Jannatさんの言う通り、中近東あたりって、美男美女が多いですよね。
トルコ人も美男美女の宝庫ですよね。テレビや本でよく見ますw12:29 PM Maria -
ついでに、トルコアイス大好きです。
8:36 PM Maria -
Mariaさん
中東=暴力ふるうがおかしいのはわかりますけど
暴力は男女ともに振るわれてます
アメリカの調査ではDVは女性の加害者のほうが多かったそうです、
日本でもかなり女性のDVは多いようですね。
あと白人とアジア人の差別みたいなのはトルコではなかったですね
混血が多かったですし
差別事態がないわけではないでしょうが。10:43 PM 111