Vol.7 ハーフは楽しさ二倍!

2008.12.15

ハーフでよかったこと

今までクラめのテーマが多かったので今回はポジティブなことにスポットを当ててみようと思います!つまり「ハーフで良かったこと」について。

私がハーフで良かったな、と思うのは、楽しい事が倍(ダブル)になること!自分は子供の頃から喜びが倍になることも多くてラッキーだったな、って。

たとえば友達。小さい時からドイツ人の友達と日本人の友達が両方いた。日本の友達とは『だるまさん転んだ』をして遊び、ドイツ人の友達とはドイツ版『だるまさん転んだ』をして遊んだ(ルールは同じ)。そして毎年誕生日パーティーも二回お祝いしてもらった。一回は日本人の友達を呼んでのバースデーパーティー。そしてもう一回はドイツ人の友達を集めてのバースデーパーティー。お誕生日を二回お祝いしてもらえたり、七夕とか日本のイベントと同時に復活祭などのドイツのイベントも体験できたのはラッキーだったな、と思ってる。恒に楽しみが二つある感じで。

あとは、小さな頃からドイツのご飯&日本のご飯と美味しいものが両方食べられたのもラッキー!って思います。(誰ですか?ドイツ料理はマズイ!とか言ってるのは?!笑)

ハーフである事で悲しい事や大変な事、悔しい事に関しては、アイデンティティーが云々とか色々とあんなに複雑なのに、「楽しい事」って単純なのね(笑)『だるまさん転んだ』が楽しかったな、とか、ご飯が美味しかったな、とか(笑)

なんだか例が単純になってしまいましたが、言い換えれば、「大人」になってから初めて異文化に接するのではなく、小さい時から異文化を異文化ととらえずかかわってきた分、自然にスンナリ入っていけた部分がある。そういうところに感謝してるかな。

あと、恵まれているな、と感じるのは、色々問題はあるにせよ、「母国」が「二つ」あること。どちらの国も祖国であり母国。私は自分はドイツ人でもあり、日本人でもある、と思っている。そして「自分が今、何人(ナニジン)なのか?」という意識やその『比率』はその時その時の人生の通過点、その時その時の気分によって変わる(笑)ある時は「私は80%ドイツ人で残り20%が日本人かな」と思うし、日本に長く住んで、食べ物の好みも思考回路も日本的になってくると、「今はフィフティフィフティ(50%/50%)ぐらいになってるかな。」なんて思ったりするし。これはこれで「自分は今どっち?」、「今は何人(ナニジン)の気分?」なんて考えるのが楽しかったりするんだ。

よく『二足の草鞋』というけれど、ハーフの場合は二足の草鞋が自然なのかもしれない。持って生まれた運命というか。私は好きだな、この『二足の草鞋』。諺で言う『二足の草鞋』は、二つの事を同時進行で進めていくと、どちらも中途半端になる、という意味で、ネガティブな意味あいで使われているけれど、この「中途半端」=『二足の草鞋』を有効活用(?)して、堂々と二足の草鞋を履けるのがハーフだと思う。少なくとも私には心のバランスを保つため、『二足の草鞋』は必要!どちらの国に住んでいても、もう片方の国と接点は持っていたいし、そうすることによって初めて自分の中のバランスがとれる、という。

私の場合、そんな気持ちが持ち物にもあらわれる。私がよくとる奇妙な行動・・・。それは、同じデザイン&同じ色の小物を二つ買ってしまうこと。このあいだも、蝶のついた黒いバッグを『二つ』買った。 ドイツの実家に一つ、そしてもう一つ同じものが今住んでいる日本の家に置いてある。そうすると安心する。それは『同時にどっちの国にもいたい』という強い願望のあらわれ。

人生を倍楽しむ!という意味でも、たまに私が巡らす妄想は「体が二つあればいいな~」という事です。精神は一つで体が二つほしい!そうしたら、一人の私は日本にいながら、もう一人の私はドイツで人生を歩むのです。あ~、想像しただけで楽しい。『どこでもドア』じゃなくて、こういう機能、ほしいです(笑)

サンドラ・ヘフェリン 【扶桑社『マリカ』2008年12月号】

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