私も地雷を踏んでしまいました

2016.7.29

世界がグローバルになってきているのに、

自分の頭や心がまだそれについていけていない状態だと、

ときに色んな「地雷」を踏んだりします。

たとえば、“外国人風の見た目”の人を目の前にした時、

たとえその“外国人風の見た目”の人が日本語を普通に話していても、

「英語で話さなきゃ・・・」と焦る人をときたま見かけます。

これ、焦る側もある意味気の毒ではあるのですが、

なんといっても、やられた側(自分が日本語を話しているのに、英語で返事された側)はかな~りモヤモヤした気分になるので、ある意味これは「地雷」なのですね。

さて、上に書いた例をとっても、ハタから見ると、一見なんてことはなさそうな事柄ではありますが、

世界がグローバル化する中で、

色んな人が各自それぞれに『こだわり』を持っている、というのは知っておいてほうがいいかもしれません。

それは例えば、どうしても何々人に見られたいと思っている人、

何語が自分は得意なんだとこだわりがある人・・・など様々です。

そんな『こだわり』がパッと見て、分かればよいのですが、

“パッと見”では分からないことも多く、、、

そうすると、相手はうっかり地雷を踏んでしまう・・・なんてことになり兼ねないのですね。

かくいう私も気をつけてはいるつもりなのですが、たまに人様の地雷を踏んでしまいます。。

たとえば以前、とあるイベントで、「ドイツ生まれでドイツ育ちの日本人(その人の両親はともに日本人)」の人と知り合いました。聞けば、子供時代、十代、そして成人してからもずっとドイツで過ごしたとのこと。

お互いにドイツ語と日本語で雑談をしてみたところ、ちょっと私の早口のニホンゴにはついていけていない様子だったので、ドイツ語に切り替えた上で雑談をしていました。

そしてしばし雑談の後、

お互いに名刺交換をしようということになり、

私は「あいにく日本語で書かれた名刺しか持ってないんですー」と言いながら自分の名刺をお渡ししました。(実際にローマ字で書かれた名刺は持っていない。)

その日はそのまま他の人と色んな雑談をしながらイベントはお開きになったのですが、

後日その彼から、それは長い怒りのメールが届いているではありませんか。

ドイツ語で書かれたそのメールには、「確かに自分はドイツで育ったけど、日本語ができないわけではない。よって『私、日本語の名刺しかないんですー。』とあたかも僕が日本語が読めないかのような言い方をしながら、名刺を渡すのはおかしい。周りの人にも、聞こえていたし、大勢の人がいる前で、自分が日本語ができないかのような言い方をされて不快だった。」と書かれています。

これを読んだ時、ひゃー。。。やってしまった・・・・と思いました。

自分は深く考えず、いつも通りのことを言いながら名刺を相手に渡していたわけですが、

そこが相手の『こだわり』(自分は海外育ちだけど、日本語ができる!)を刺激してしまったのですね。

明らかに私は地雷を踏んでしまったようです。

コミュニケーションというもの、そもそもどんな時もある種の難しさがついてまわるものなのかもしれませんが、

色んな背景の色んな国にルーツを持った人が

それぞれに『こだわり』を持っていると、

コミュニケーションというものに、更に気をつけなくてはいけないな、と思わされる“事件”でした。

『こだわり』というものは、ときに裏返すと、もともとは『コンプレックス』だったりもするので、そのぶん周りは慎重にならないといけませんね。

ちなみに私のコンプレックスはというと、

英語かな(笑)

日本人に英語で話しかけられると、割と早い段階で「あ!日本語でお願いします」と言ってしまう私。そこには多少怒りも入っていたりして。

これは明らかにコンプレックスだと思う。

日本人に見えないというコンプレックス、

そしてそれほど英語が得意でもないので、そういう意味でのコンプレックスもあり(笑)

英語で話しかけないでよ!みたいな(笑)

見た目で「英語を話す人だ」と勝手に決められてしまった誤解に対する怒り&自分のコンプレックスと。

たぶん色んなものがうずうずしているのだと思います(笑)

そんなふうに自覚したら、

自分が地雷を踏まれたり、相手の地雷を踏んだり。

色々あるんだな、と思いました。

今の世の中、そう、異なる背景の人が多く集まる今の世の中には『地雷』がいたるところに隠れているのかもしれません。

気をつけないと。

そして気をつけると同時に、

たまに人様の地雷を踏んでしまいながらも、

自分や『ハーフ』の人達の地雷のみならず、色んな人の地雷ももっと理解しなくては、、、

なんて思ったのでした。

・・・・みなさんの地雷は何ですか?

サンドラ・へフェリン

コメント

  • 日本人とは言え日本語がネイティブじゃない以上仕方ないのでは?僕もチリ人だけどあいにくネイティブじゃないのでスペイン語は困ることが多々あります。他のバイリンガルの人に「あいにくスペイン語の名刺切らしてるんです」って言われても時には通訳してるレベルではありますがそれでも自分の能力がそれほどではないと心得ていますので決して不快じゃないですよ。その方は自分の日本語力を客観視できてないのでは?もっとも、仕事中に周りに分かるようにそのコメントを言われるとイヤになっちゃうかもf(^_^;)
    僕は英語で話しかけられたら英検準2級のたどたどしい英語で返すように心掛けてるけど全然能力ないのですぐに日本語で返してしまい根をあげてしまってます(笑)
    mixiから来ました
    1:50 AM ケン坊

    1:51 AM ケン坊
    • ケン坊さん、
       
      コメントありがとうございます!ご自身のことも書いてくださってうれしいです。
       
      今回、コラムに書いたのは、仕事とは関係のない会合でした。これがもし仕事だったら・・・・・と思うと怖いですよね。。でももしかしたら、相手が仕事相手の場合、相手も我慢してそこまでキレなかったのかもしれません(笑)
       
      色んな背景や立場の人が増えると、世の中色々と難しいことも出てきますが、また引き続き書いていきたいと思います。★サンドラ★

      5:49 PM サンドラ
  • サンドラさんは全然間違っていないと思います。
    彼はその場で日本語読み書き不自由なくできるということを伝えるべきでした。
    後から怒りのメールで伝えるなんて、最低です。

    8:14 PM りす
    • りすさん、
       
      コメントありがとうございます!
       
      「その場」で口頭で伝えるのが、きっと難しかったのでしょうね。。。
       
      今回のことは、私も色々と勉強になりました。
       
      世の中、色んなところに地雷がありますが、それに気を配りつつも、あまりに臆病になってもいけませんしね。気を配りながら活動的!が理想ですが、なかなか難しいですね。。★サンドラ★

      5:45 PM サンドラ
  • テレビ番組で、アメリカに1年以上住んでいる日本人の女の子に「日本とアメリカ、どっちが好き?」と聞いていて、女の子が「えー、どっちも。」と答えている場面を見ました。
    それを見ていた息子(日加ハーフ9才)が、「これってさー、僕みたいなハーフは『カナダと日本どっちが好き?』って聞かれても、どっちって言えないし、どっちも好きだし、もう聞かないで!!(怒)って思うんだよねー。」と、珍しく鼻息荒く言ってました。
    日頃、よく聞かれるんだろうな。
    「お父さんとお母さん、どっちが好き?」とよく小さな子供に酷な質問をする人もいるけれど、それと似ているなと私も思いました。

    8:28 PM JM
    • JMさん、
       
      コメントありがとうございます!
       
      テレビのような場に引っ張り出して、子供に「日本 VS もう一つの母国、どっちが好き?」と聞くの、やめてほしいですね。聞かれる当事者にとっても、視聴者にとっても、教育上、非常によろしくない。
       
      いま「日本はココがすごい!」というメッセージの番組が日本で流行っていますが、子供が上記の質問に「日本」と答えて皆が喜ぶ・・・という構図も、じつはちょっと考えてみたほうがよいかもしれません。そういう酷な選択を子供にさせておいて、無邪気(?)に喜んでる大人はいかがなものだろうか・・・・・?という意味でも。
       
      「子供の地雷」についても、大人はもっと考えるべきだと思います。★サンドラ★

      5:42 PM サンドラ
  • 地雷、というとおかしいかもしれませんが……

    私は両親ともに日本人ですが、NY生まれの多重国籍です。
    なのにそのことを知られると「ハーフなの?」と言われるのが面倒だったなあ……。
    それと「二重国籍なんておかしい!」もすごく言われました。

    ハーフでも純ジャパでもない、でも日本とアメリカ両方にルーツを持っている……
    それを「異常であり、違法」と言われるのが地雷です。
    違法行為じゃないやい!

    10:53 PM 生野

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