ショーンK問題を考える!

2016.3.31

今更ながらですが、ショーンKさんについて、色々グルグルと考えてます。

ショーンKさんについては、学歴詐称をしたのではないか?外国人風の顔立ちになるように整形で顔をいじったのではないか?本当は、そもそも外国の血は入っていないのではないか?

など様々な内容のことが記事になっていますが(主に「週刊文春」と「フライデー」だったかと記憶しております)、「ハーフ」としてやっぱり一番気になるのは、最後の点。はい、「本当は、外国の血が入っていない日本人なのではないか?」という点です。

まあぶっちゃけ、「実害」の観点からいうと、外国の血が入っていないにもかかわらず「おじいさんがロシア人だった」「おじいさんがアイリッシュ系だった」などと発言しても、とくに誰かが莫大な被害を被った・・・という類の話ではありません。(ここが被害額が何億円も出ているクヒオ大佐事件との大きな違いです。)

にしても、やっぱり不思議なのは、日本にはショーンKさんに限らず、「自分に何が何でも外国の血が流れていることにしたい症候群」の人々が一定の数存在します。

通常「ハーフ」や「クオーター」同士で「悩み」の話になると、【自分は顔が外国人なのに、英語が話せないから、周りの人に『英語しゃべれないの?』と聞かれて辛かった】とか、【外国人である母親が空気が読めないので、香水のにおいをプンプンさせて日本の学校の授業参観に来てしまい、子供の頃に恥ずかしい思いをした】とか、【ロシア系のおじいさんが酒癖が悪くて、辛い思いをした】(←これは「カワサキ・キッド」(朝日文庫)に書かれていた少年隊のヒガシの話)とか、まあ色んな「ハーフ特有」「クオーター特有」の悩みというのが各自あるものです。

日本と外国の「ハーフ」の場合、または祖父母のどちらかが外国人である「クオーター」の場合、両親や祖父母の別離や離婚などから、外国人のほうの親や祖父(または祖母)に「会ったことがない」という悩みを抱えている人もいます。

でも、いずれにしても共通するのは、実際にハーフやクオーターの人であれば、色んな楽しさとともに、上に書いたような「悩み」ももれなくついてくる!ということ。

ところが、偽造というと言葉は悪いですけど、外国の血が入っていないのに「じいちゃんがフランス人だった」「ばあちゃんがアングロサクソン系だった」などと主張したり、ハーフでないのに「自分はハーフ」と言い張る人達の多くは、横文字の名前にしてみたり、顔をハーフっぽくメイクしたり整形したりはするものの、彼らの口から「ハーフゆえの苦労や悩み」「外国の血が入っていることによって生じた不便さ」について語られることはほぼありません。

なぜなら、そのような苦労をしていないから、ということに尽きます(苦笑)

たとえば、白人の多い国で育ったハーフ(日本とのハーフ)であれば、子供のころに、近所や学校の悪ガキどもに「やーい、やーい、チンチャンチョン、チンチャンチョン、チンチャンチョーン!中国人!!!」とはやしたてられたりします。東洋人の目の形をバカにして「指で目をビーッと吊り上げる仕草」をされる(詳細はこちら)という被害にあったりもします。ドイツの田舎の中華料理店にて「ほら、あんた中国語できるんだろ。メニュー読んでみろ」と一部中国語で書かれたメニューを差し出されながら、「わたし中国ではなくて日本とのハーフなんだけど・・・」と、もどかしい気持ちになることも多々あるわけです。

逆に、日本で育ったハーフに関しては、「顔は外国人なのに名前が『山田明子』のような典型的な日本の名前のため、顔と名前が一致せず苦労をした」話だとか、逆に、「顔が日本人っぽいのに、名前が横文字で苦労した」、「外国人の親がお弁当にポテトフライを大量にぶっこんだため、友達にはやしたてられた」・・・・などという悩みには枚挙に暇がありません。

ハーフの子供は、海外の学校でイジメに遭い、日本の学校でもいじめに遭う、という理不尽な経験をしている子供も少なくありません(イジメの話に関しては、「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)にも書きました。)

「ハーフ」というと、どうしてもポジティブな側面に目がいってしまい、そのためか「外国人になりたい」「ハーフになりたい」「クオーターになりたい」というような人々が出てくるわけですが・・・。その中で、カラコンをしたり、名前を横文字にしたり、海外で育った事にしてみたり、といった、今回のショーンKさんのケースのように、いわば「形から入る」人も出てくるのですね。彼らにはぜひ上に書いたような、そしてこれからも「ハーフを考えよう」で書いていく「ハーフの苦悩」をぜひとも知ってほしい、なんて思うのでした。

そういう苦労をしても、なお「ハーフになりたい!」って思うのかな?って思います。

・・・長くなりましたが、今後もし私がショーンKさんに会うことがあれば(人生なにがあるか分かりませんので、もしかしたら会えるかも?^^)、決して責めるのではないけれど、ハーフとかクオーターとか外国の血が入っている人って、実は「かげで色々大変な思いをしてるんですよ」ということをご報告申し上げた上でお話ししてみたいなと思います。

それにしても、今回のショーンK事件、本人を「詐欺師だ!」と叫ぶのは簡単ですが、逆に考えると、ショーンK氏は世間が求めがちな『わかりやすさ』(ニューヨーク育ち、帰国子女、彫りの深い顔立ち、横文字の名前、ハーバードなどなど)に応えた結果だともいえるのかもしれません。(やり方はまずいですが。)

ショーンKさんに限らず、「ハーフになりたい症候群」や「何がなんでも自分に外国の血が入っていることにしたい症候群」の人々に、言いたいのは、いいとこ取りしちゃうんじゃなくて、ちゃんとハーフの苦労もわかってください!ということかな。

みなさんはどう思われますか?

サンドラ・ヘフェリン

コメント

  • 日本は島国だから日本か外国かの二者択一的な見方が横行しているよね。
    100%外国人(のDNA)で、日本国籍だっていいわけだし。国籍、民族、血縁とか、母語とか。アメリカ人のアイデンティティはアメリカ合衆国で出生したこと、中国人は言葉かもしれない。ドイツ人は多分、血縁と言葉かな。旧植民地が多い国の人は、植民地生まれなんかもあるし。どこでも、「少数派」は差別されやすかったりするのだ。

    でも、ヨーロッパだと、その他がほんとうに大勢いて、その他の合計が、純血種を上回るケースもあるのだろうし。島国ならではの、奇妙な現象にプラス白人が上っていう見方が根強くあるのだろうか。

    いろいろ考えてしまいますね。
    f

    10:19 PM 白坂 啓
  • ハーフというきりくちで日本の社会を評論するコラム毎回興味深く読んでいます。
     私も同級生やアルバイトの仲間にハーフの人がいました。中学の同級生はイランと日本のハーフでした。その子と仲の良い子が外人なのに英語話せないと言っているのを聞いたことがありました。私は今36歳ですが、20年位前にハーフは特殊という学生時代を過ごしていました。その頃の文献で日本に外国人がいるだけで、お祭り騒ぎになるというのも読みました。私も子供の時から外国に住むことやバイリンガルにあこがれる感覚があったと思います。親戚に国際結婚をした人や、外国に住んでいる人がいるだけで、自分に外国の血は入っていませんが、学歴みたいに一種のステータスみたいなかんじで日本では自分をアピールできるのかもしれないです。
     サンドラさんの「ハーフが美人なんて妄想ですから」を読みました。ハーフの方が生活困窮でバイリンガルなんて夢のまた夢という人の話や、ミスジャパンの宮本さんの話は居場所がないとずっと感じていて自殺してしまった友人の話を聞いて、ハーフの華やかな生活なんて日本にはないんだとわかりました。上に書いたハーフの同級生ですが、自分も英語話さないのに、ハーフだけど英語話せないと言う発言は妄言、暴言だったなと思います。
     宮本さんの自殺した友達の話みたいに、外国にルーツを持つ人の背景や状況がもっと知られるといいですよね。

    6:09 PM 矢崎緑
  • 外国語の勉強を6年前から始めました。でも今の自分以外の何かになることもないので、他文化に入って行くのは苦労が多いだろうなと勉強しながら思っています。それに外国語もなかなか身に付くものではないので、外国に対する憧れは中和されてきた感じがあります。
    一方、外国人の血が入っていると思いたがる傾向と聞いて、美の基準がヨーロッパの人種にあることが背景にあると言う人の話を思い出しました。でも、海外旅行のツアーで行った時、バスの運転手が中国系の人で、その人の隣に座ったツアー仲間の子がその運転手の切れ目がカッコ良くてみとれちゃったと話してました。私も個人的にはモンゴロイド特有の?切れ目カッコいいなと思うことがあります。そう思うのは自分がモンゴロイドだからなのか、モンゴロイドじゃない人はそう思わないのか不思議です。インドやアラビアなどモンゴロイドではないですが東洋的な顔立ちの男性女性も好きだったりします。見た目がですが、モンゴロイドにも近いかもしれませんが、ヨーロッパの人種も入っているので、それはそれで憧れがあるかもしれません。

    2:00 AM 矢崎緑
  • 社会学の分野で、外国人と日本人(戸籍に入っている)が結婚する時に、戸籍がない外国人に戸籍もってこいという指示があっても、戸籍がないのでその家族(家系?)は代々差別されることになるという話を聞きました。でも実際は日本人を定義しようとしても、はっきりこれだという定義もないみたいです。なので日本人の範疇に今まで入らなかった人もこれからは日本人になる可能性もあるかと思います。そもそも日本も地域によって、個人によって多様だったりすると思います。
     海外を見ると民族と言葉は違うけど公用語を使用したり、他民族国家だと人種に関係なく友達付き合いするように見えます。歴史とかを見るとそのほうが普通に思えます。でもそれは日本にあまりないことなので日本も多様性のある社会に変わっていくといいです。

    3:01 PM 矢崎緑
  • かつては純ジャパであるにもかかわらず
    外国人を騙って有名人になった方々が多数おられたようです
    「不思議の国ニッポン」で一世を風靡したポール・ボネ(藤島泰輔)
    「週刊新潮」での長きに渡る連載で知られたヤン・デンマン(斎藤十一?)
    「日本人とユダヤ人」「空気の研究」のイザヤ・ベンダサン(山本七平)等々
    今回ショーンK(川上伸一郎)もその仲間入りですか…
    こういうケースが散見される国を寡聞にして知りません

    普通の日本人名で書くよりも
    外国人名義で書いたほうがウケが良いと判断したのでしょうが
    逆に正体がバレた時のがっかり感が半端無かったのを覚えています
    ポール・ボネ=藤島泰輔だったと判った時の失望は特に大きなものでした

    昨今では外国人に憧れるといった若者がおおいようですが
    外国人又は海外にルーツに持つ人が
    日本で生まれ育ったり住み暮らしたりするときの苦悩など
    純ジャパの彼ら彼女らに正しく理解できる日は来ないのでしょう
    少なくとも海外生活で痛い目に遭うまでは!

    12:19 AM ドクターK
  • ××ないわゆる純ジャパ黄猿があまりに白人様を有難がる白人崇拝病、西洋かぶれ病から起きた感染症状。
    マスコミもハーフタレントをチヤホヤと優遇するのも一因でしょう。
    しょーもないタメ口しか売る能のないローラや目玉お化けベッキーなどブ×××ハーフばかり、ほんまにしょ〜もない。
    そのくせ皆がチヤホヤして大きな顔をしているからあいつらのクドイ面を見てるだけで胸が悪くなってくる。
    そらハーフになりたい、西洋の血が入ってるように見せたい××な純ジャパも出てくるわな。

    5:53 AM 純日本人

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