名前にまつわる勘違い~欧米編~
こちらのウエブサイト「ハーフを考えよう」は主に日本に住んでいるハーフの「あるある」や問題点を書いているため、
どうしても日本のシビアな部分を取り上げることが多いのですが、
今回は「勘違い・欧米版」です。
私サンドラはドイツで育ったのですが、子供のころ、ドイツ人に定期的に言われていて、イラッと来ていたこと(笑)があります。
それは、私はドイツの名前が「サンドラ」、日本の名前が「里美」なのですが、
ドイツでは、わかったように「なるほどー。Sandraを日本語に翻訳すると里美になるのね」(„Aha! Satomi ist eine japanische Übersetzung von Sandra!“) と言う人(大人も!)の多いこと!
Sandraという名前の翻訳は里美ってか?!そんなワケないだろって子供ながらに思ってました。子供だから上手く説明できなかったんですけどね。
よくよく考えてみたら、この質問、なんでイラッとくるのかが分かりました。そこには「ヨーロッパの名前は何でも翻訳できる」という「驕り」のような感覚がにじみ出ているから。
まあ考え過ぎっちゃ考え過ぎかもしれないのですが、
「Häfelin(ヘフェリン)の翻訳が渡部(←私の日本の苗字)なのね」なんていわれた日には、苗字を翻訳できるわけないのにね~・・・・(ブツブツブツ)」なんて思ってしまいます。
ドイツに限らないことですが、欧米の(一部)は「世界は全部、欧米を中心に回っている」という感覚がどこかにある気が確かにしますね。たとえば日本人だったら、「この名前はドイツ語には翻訳できないなあ」と言ったら、「そっか」と納得してもらえることが多いものの、ドイツ人を含む欧米人は「なんで?なんで翻訳できないの??できるハズ!」みたいなリアクションの人が少なくない(笑)まあ悪気は全くないし、驕りというよりも単なる思い込みの場合もあるのだと想像しますが。ただ実際、欧米とは無関係の氏名が世界にはゴロゴロあるという事実は中々(欧米では)わかってもらえなかったりもします。
まあそうはいっても、知り合いのイラン人×日本人の夫婦はハーフの娘に
日本名は「希望(のぞみ)」と付け、ペルシア語でも「希望」という意味である“Arezoo“という名前をつけたので、「名前をそのまま翻訳してしまう」または「同じ意味の名前を両方の言語でつける」名前のつけ方もあるわけですが、これはイランやトルコ、そして日本は女の子の名前のつけ方が似ているからこそ、できるワザだったりします。(女の子の名前のつけ方が似ている、というのは、花の名前だったり、美しさ、明るさ、希望、幸せな子、朝や夕方、夜など生まれた時間帯を連想させる名前、季節を連想させる名前をつけることが多い。)
ただドイツ等の欧米の国の場合、名前のつけ方は日本と全く違うので、「翻訳できる」という発想自体が間違いなのかも。ドイツの名前は元は聖書からきたものが多いですしね。
子供の時に「里美のドイツ語訳はサンドラ?」「サンドラの日本語訳が里美なんでしょ?」と頻繁に言われていたこと、わすれていたのですが、先日ドイツ人の大人に聞かれて「!!!」とまた思い出しました(笑)
久々に日本以外の国での「ハーフあるある」話でした。
みなさんも、何か思いついたら、書いていってくださいね☆
サンドラ・ヘフェリン
コメント
-
確かに欧州だと聖書系の名前が違うバリエーションでそれぞれの国にあるんですよね。アンソニー、アントン、アントニオとか。女の子の名前だと同じなのが結構違う国でも使われてると思ったんですけど…サンドラは英語圏でも同じだし。
私も英語と日本語名と両方あるけど、英語のが日本語の訳?とかはまったく聞かれたことないです。日本語の名前は何と聞かれ、答えた後に意味は何?と聞かれるのはいつもですけど、訳だと思われたことはないですねー。
それより名前の誤発音のほうが大変ですよ。日本だとフィオナ=ヒオナ、英国だと絹子=きにゅーこ。
英語圏はNuの発音がなぜか絶対「にゅ」になるのが嫌で毎回ムッとして訂正しちゃいます。秋に生まれる娘のための英語名のほうは日本人でも発音できるものに一応きめてるんですが、日本人の母と英国人の夫に「日本語のミドルネーム考えといて」命令されてて、イギリス人にちゃんと発音できるのを必死に探してる最中です…
12:05 AM Fiona -
Fionaさん、
ご自身の話を書いてくださって、ありがとうございます!こちらからのレスがまたまた遅くなってすみません。名前って、コラムに書いた「翻訳」以外にも色んな誤解があったりしますよね。間違って発音しちゃったり、本来とは違う形で省略されてしまったり。友達に「ゆうたろう」(Yutaro)さんという人がいますが、日本の感覚だと省略する場合、たぶん「ゆうちゃん」(Yu)とか、「ゆうた」(Yuta)ってなると思うんですが、なんと欧米人に勝手に「Yaro」(やろう)と省略してしまって気の毒です。欧米の感覚だとそれが発音しやすいのでしょうけど。でも意味として嫌ですよね。★サンドラ★11:04 AM サンドラ・ヘフェリン -
それを日本人に言われたことありますよ、子ども時代の時に子どもから(私は日系人)。
「ヒロミ(私の日本語本名)」は向こうではどう言うの?と…。
単にミドルネーム使うだけなんですが、
無知だから仕方ありませんが…名前も訳せるとか、思ってしまうんでしょうね…。結構、嫌な記憶として残ってるんで…これは皆さんに知って欲しい知識ですね…。
この記事拝読して、無意識に欧米系の名前は国別・語学別に心の中で訳している自分にハッと気づきました…。
デビットさんは、あっちの国ではダビさん呼びだよな~とか…。アレックスさんはアレッサンドロさんよね~とか…。似た名前でも、本人の元の名前が基本ですから…とても失礼な行為ですね。語学勉強ついでに発音違いを学ぼうとして、やってしまってました…。反省いたします。
キリスト教系国だと似てますから…やってしまってました…。これもヨーロッパ系発祥の名前は語学別で違うが共通していて、訳せるという前提で見た無礼でした…(汗)。
本当、学べました…。
12:42 AM sa-ya -
sa-yaさん、
コメントありがとうございます☆たとえば日本語の名前の「なおみ」がたまたまヘブライ語でも同じ名前(Naomi)があったりするので、そういう偶然はおもしろいですけど、かといって名前は何でも翻訳できるかって言われたらできないことも多いんですよね。まさに「サンドラ」を和訳すると「里美」・・・なワケないですしね(笑)★サンドラ★11:10 AM サンドラ・ヘフェリン -
私がよく経験したのはこの逆バージョン?
「私にの名前を日本語で書いて!」(✪▽✪)
と言われて、カタカナで書いてあげるとあからさまにがっかりされる事です。笑
「ちがーう!漢字を使って!!!」(✪▽✪)
(-ω-;)
いや、当て字もできないよ、ニコルなんて。。。(-ω-;)
そもそも外来語の為のカタカナですからね。。。と言った感じで 笑
7:36 AM れい -
れいさん、
あります、あります(笑)たとえば、ドイツ人が「僕の名前Andreasを日本語に訳したのを紙に書いてくれる?」とかね。そういう場合「Andreasは日本語には訳せないけど、そのまま書くことはできるよ。」と言いつつ紙に「アンドレアス」と書くんですが、そうすると、相手は不満気な表情なんですよね(笑)やっぱりカタカナは見た目がシンプルだから、字画の多い漢字で書いてほしいみたい。ただ、そうするt「庵怒礼亜守」みたいな凄いDQNの名前になっちゃうんですけどね(笑)・・・・・ま、いっか。★サンドラ★11:14 AM サンドラ・ヘフェリン -
私は日本文化に興味のある外国人の方々から
「あなたの名前の意味は?」と尋ねられる事が苦手です(;´∀`)日本の名付け方を知っている方々の純粋なる興味だとはわかっていても
「名前負け」している身には酷な質問です(笑)11:12 AM @fwcfwcfwc -
@fwcfwcfwcさん、
そうなんですねー。欧米系ではない「名前の意味」を聞く欧米人はまさにステレオタイプですね~。欧米っぽくない名前を言うとすぐに「意味は意味は意味は?」って(笑)ヨーロッパで生活したことがある日本人や日系人にとっては「あるある」ですよね★サンドラ★11:16 AM サンドラ・ヘフェリン -
私もアメリカ人に「あなたの名前を日本語で書いてみて」と言われることが時々あります。
そして名字や名前がどんな意味かと訊かれることがあります。アメリカ人や外国人にとって漢字はcool で興味のあるものなのでしょう。
異なる文化の認識が国によって違うのがおもしろいですね。ところでサンドラさんにぜひ読んでもらいたい本があります。そしてこのブログでサンドラさんの感想が読めたらとても嬉しく思います。
’私も「移動する子ども」だった ~異なる言語の間で育った子どもたちのライフストーリー ~ ’
川上郁雄編著
くろしお出版 2010年5月 1470円『国際化に伴い日本でもその数が急増している「移動」する(国境を越えて育つ・複数の言語の中で育つ)子どもたち。現在各方面で活躍する10人の「移動する子ども」だった大人達が、自身の心の軌跡を惜しみなく語る対談集。複数の言語との接触が同時に複数の「生き方」との接触だと教えてくれます。これは移動というオプションで育まれた豊かな心の軌跡の物語です』。
目次
第一部:幼少の頃、日本国外で暮らし、日本に来た「移動する子どもたち」
第二部:幼少の頃から日本で暮らし、複数の言語の中で成長した「移動する子どもたち」
終章:「移動する子ども」だった大人たちからのメッセージご一考の程をお願いします。
12:01 PM かなた -
かなたさん、
図書の情報ありがとうございます。ぜひ読ませていただきますね。
ちなみに私はたまにですが苗字を訳して楽しんでいたりします。たまに「そのまんま訳せちゃう」苗字があるんですもの。「春原」ならドイツ語はFrühlingsfeldで、実際にそういう名前の先生がいました。「田中さん」はMitterfeldenさんかな、とか。まあ勝手に遊んじゃってます★サンドラ★11:22 AM サンドラ・ヘフェリン -
私もハーフの子供が二人いて、どちらもイタリア名と日本名を持っています。日本名を言うと、「イタリア名を日本名に訳したもの?」ってよく聞かれますね。あとは、日本名の意味のよく聞かれますね。一度日本名の意味を教えたら、その人からは「日本名をイタリア語に訳した言葉」て呼ばれるようになってしまったことがありますが。さすがにそれはね。。。
ほかの国ではどうなのかよくわかりませんが、イタリアではエリザベス女王はエリザベッタ、チャールズ皇太子はカルロというようにイタリア名に相当する名前で呼ばれています。しかし、ジョージ・ブッシュはジョージのままでジョルジョとは呼ばれないのはなぜでしょうね。。。謎です。6:17 PM Jun -
Junさん、
コメントありがとうございます。体験を書いて下さってありがとう。
>日本名を言うと、「イタリア名を日本名に訳したもの?」ってよく聞かれますね。あとは、日本名の意味のよく聞かれますね。一度日本名の意味を教えたら、その人からは「日本名をイタリア語に訳した言葉」て呼ばれるようになってしまったことがありますが。さすがにそれはね。。。
↑うなずきながら読ませていただきました。ヨーロッパで、いかにもありそうなシチュエーションですねえ。ドイツでもこの手の話はよくあります。外国に「自分のルーツである母国の文化(でも現地の人にとっては異文化)」を持ち込むのって本当に難しいんですよねえ。。★サンドラ★11:31 AM サンドラ・ヘフェリン -
私自身は名前を翻訳されたことはないけど、発音がおかしかったことは多いです (^^;; スコットランド時代は「ミドルネームはないの?」と聞かれたことはありました。
恐らく、旦那さんのほうが名前で苦労してるかと思います。翻訳とは違いますが、名前がアラビア語のムスリム名なので、非ムスリムの人達は精一杯頑張って呼んでみた、みたいになって、元の名前からは原型を留めていない?オリジナル名で呼ばれるのはしょっちゅうです (^_^;)11:46 PM Jannat -
Jannatさん、
なるほどー。その国の感覚で発音しにくい名前って、周りよりも本人が大変だったりしますよね。
私は大昔にドイツで、日本人の友達と道を歩いていて、たまたまバッタリ会ったドイツ人の同級生に「友達のSachiko(さちこ)だよ」と紹介したら、”Sachiko?! So möchte ich aber nicht heißen.”(「サチコ?!私はそういう変な名前でなくてよかった!」)と言われ閉口したことがあります。いくらドイツの発音ではなじみのない名前でも、ああいうgehässig(意地悪い)対応って一体なんなんでしょうね~。まあ一部の人達ではあるんですけど、白人優位?みたいなものはちょっと感じますね。ひどい話です。★サンドラ★11:27 AM サンドラ・ヘフェリン -
もしかしたら中国ではDavidが大衛(タウエー)になるように
日本語の名前もヨーロッパ系の名前に対比したものがあると
考えられてるのかもしれないですね。9:32 AM JAMES -
JAMESさん、
その可能性もありますね!★サンドラ★11:23 AM サンドラ・ヘフェリン