通訳をする4歳児

2013.1.22

ハーフって、言葉が二つできると、色んな国の人とコミュニケーションがとれて便利!

でも、あまり知らない人に、言葉ができるというだけで通訳の役目を押し付けられちゃったり、トホホな経験をしたりもします。

私が日本に来て間もない頃、記者クラブで受付のアルバイトをしていたのだけれど、受付に座っていたら、あるおばさん(※1)が「ちょっとアナタこれドイツ語に訳して!」と受付に走ってきました。おばさんが手に持っていた紙を見ると、「眼の中の仕組み」と書かれている。眼の絵もこまかく描いてあったけど、「硝子体」だとか「虹彩」だとか、ぶっちゃけ専門用語だし、パッとドイツ語で出てきませんよー。それに・・・私は単なる受付嬢ですよー(笑)←当時。

こういう状況は幸か不幸か割と頻繁にある。

しかしなんといっても一番トホホなのは、『ハーフ』の多くが「自分の両親」の通訳をさせられていること!!(笑)

結婚して何十年も経つ、スペイン(※2)の男性×日本人女性のカップル。旦那さんは日本語ができず、奥さんもスペイン語ができず。この二人、知り合った頃から怪しいカタコトの英語で会話をしていたんだそうな。

ところが結婚して子供が生まれ、その子が言葉がしゃべれるようになると、両親は文章をダダダとしゃべり、子供に通訳をさせていたらしい。

パパとママの通訳をする4歳児・・・・

これってハタから見ると笑えるし、「まあ~!子供なのにご両親の通訳なんてえらいわね^^」とほめてくれる人も多いのですが、子供としては「ん?なんだか使われちゃってるな」感があります(笑)それに、4歳の子供がいい大人の会話を通訳するって、言葉はともかく、会話の内容に子供はついていけるんでしょうか・・・?

ちなみに上記の日西ハーフの4歳児も今は成人して立派な大人だけれど、今も両親の通訳をしているとのこと。親は、ちょっとこみいった会話や難しい会話は「通訳」(ハーフの子供)がいないとできないらしい。

両親は仲がよく、ケンカをあまりしないとの事ですが、もしかすると言語能力が足りずケンカができないのではないか??などと余計な想像をしてみたりもします。

余談ですが、フランス人(※2)の母親と日本人の父親を持つハーフのAちゃんは、10歳の時から翻訳作業をしていたそう。一家は日本に住んでいたのだけれど、フランス人のお母さんは日本語があまりできなかったので、10歳のAちゃんに「これ、ちょっと訳して」とフランス語の資料を日本語に訳させてたって。大人になったAちゃんは笑って、「私は子供のころから色んなの訳してたなー。10歳の時には大学の資料の目次を翻訳したけど、10歳の子の翻訳であれは大丈夫だったのかな~^^?」なんて笑ってました。・・・・いやいや、大丈夫じゃないと思います(笑)・・・ハーフは大変!!

                      サンドラ・ヘフェリン

※1「おばさん」と書くと、「サンドラだって、おばさんじゃん」とツッコミが入りそうですが、年齢というよりも極端に図々しい人に対して「おばさん」、極端に時代錯誤の人に対して「おじさん」と呼ばせていただいております。ご了承くださいませ。

※2実際の国名をプライバシーのため変えさせていただきました。

コメント

  • そういうカップル、周りにはあまりいないけど、聞いたり、 子供の友達の家ではあるようです。 私はじっくり話をしたいほうなので、 旦那と会話が出来ないなんてありえない!! 会話が出来無いのに結婚出来るのは、 私にはわからない世界です。

    喧嘩が出来ないってのが秘訣なのかも?
    最初は出来なくても、お互いに歩みよってちょっとは相手の言葉も
    私だったら習うぞ!

    3:48 PM きいろ
    • きいろさん
       
      そうですね。経済的な事情など色んな事情がそれらの家庭にある場合もあるのでしょうけど、もし単なる「習慣化」(親がしゃべる人⇔子供は通訳する人)の結果だとしたら改める必要があると個人的には思いますね。
       
      もしかしたら子供が「(自分が通訳をさせられても)それでもいい」と思っているかもしれないけど、それもある意味洗脳かと。・・・・・私は厳し過ぎるのかしら?(笑)★サンドラ★

      2:33 PM サンドラ・ヘフェリン
  • わ…たいへんだなあ…私は、ハーフの幼子が両親の通訳をするのとは違うけど、子どもなのに大人の通訳させられて結構大変だった経験はかなりある…とくに「クレームを言う」とか「対立する」大人の間に立たされてめちゃめちゃ双方から怒鳴られたりとかさ(笑)ところで、私いつも疑問なんだけど、国際結婚するカップルで、お互いの母語が話せないケースも結構見てきたの。で、仲介言語が英語とか、双方にとっての外国語で、それもまたお互いにカタコトレベルでコミュニケーションしてるカップルも割といた。つまり、カタコト言語のコミュニケーションではあんまり深く難しいことは話したりできないままで、それで付き合って、結婚して、家庭を持ったってことだよね??ある意味、愛の力は偉大だな、言葉じゃないんだなって思うけど、反面、私にはちょっと無理。。。なんか心配なんだよね、カップルで言葉によるコミュニケーションちゃんとできてないと、なんか大変な気がするんだよね…まあ、先々覚えればいいんだけど、外国語だから習得しないままでいる人も結構いるよね?(笑)

    4:56 PM N☆
    • N☆さん
       
      >子どもなのに大人の通訳させられて結構大変だった経験はかなりある…とくに「クレームを言う」とか「対立する」大人の間に立たされてめちゃめちゃ双方から怒鳴られたりとかさ(笑)
       
      ↑あ~あ、ですね。
       
      ちなみに大人になってから私はしょっちゅうこういう場面にいました。この手の話で今まで一番アタマに来たのは、東京である人のもとで日本語とドイツ語のある分野の翻訳業務をするはずが(雇い主が日本語ができないため)気がついたら雇い主に「近所のネコがウチの庭にウンチしたからサンドラ近所の人に電話をしてクレーム言って!」と言われたこと。で、私が近所の人に電話をして話をしていたら、雇い主が電話をしている私の横に張りついて、日本語分からないくせに「そんな言い方じゃダメだー!!!もっとガツンと言え!ガツンと!!!」などと超不機嫌に怒鳴り散らしたこと(苦笑)←私が電話をしている最中に、だよー!!

      言葉ができないからといって他人に「クレームをして」って頼むのって最悪だよね。クレーム言われた相手はもちろん依頼主ではなくクレームを「訳しているその人」(つまりサンドラ)に怒りを向けがちだし、もう目茶苦茶。なので現在はこういう状況には極力かかわらないようにしておりますです。
       
      またお話ししましょう~★サンドラ★

      3:11 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 私もちゃんと意思疎通できないのに結婚できてしまうカップルってなぞ・・・。でも、恋愛の仕方が違うように、(言葉でのコミュニケーションをあまりせずに自分の感じ取ったことを中心に相手とやり取りすることも含め)コミュニケーションの仕方も人やカップルによりけりなんだな~とよく思います。

    4:09 AM かぐや
    • かぐやさん
       
      ほんとうにカップルによりけりなのでしょうねー。いやあ本当に恋愛関係も含めて人間関係は奥が深いです(笑)★サンドラ★

      2:55 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 私はお母さんが留学先に来たときに、当然のように通訳をさせられました。「英語が分かるんだから全部通訳できて当然!」そういう空気があって、うまく通訳できないと、お母さんはイラッとしてました。
    場合によっては大人でさえも分からない行政のことまで通訳させられました。
    それが大人になった今では「Jannatは日本人!それ以外にはなれない!」「日本にいるんだから日本語はできて当たり前。英語を勉強しなさい!」です。本人は10年も海外で過ごして英語漬けの日々だったから、日本語能力のほうが確実に劣るし、価値観も日本を出たことがない日本人とは全く違う。今まで必死に語学も覚えて現地に適応してきた努力は何だったのか?
    中身は日本人のままで語学だけでいい、自分達の手足として通訳してくれればいい、というのなら、日本で英語の勉強をさせてほしかったですよ!

    1:06 PM Jannat
    • Jannatさん
       
      行政関連のことは大人が自分の国の言葉で問い合わせをしたり書類を読んでも分からないことがあるのに、子供に行政関連の通訳をさせるのは本当酷ですよね。
       
      個人的には生死にかかわる場面以外であまり子供を通訳として使っちゃいけないと思う。書類の申請や行政関連のことは、家庭の経済状況が悪く(Jannatさんの外国での話ではなく、たとえば日本に来ている移民の一部)子供のヘルプがないとどうにもこうにもならない場合も多いのでしょうが、、、、それにしても子供がかわいそうです。楽しい内容ならともかく、親も区役所の職員もイヤイヤの状態で「間」に立たされて通訳をさせられるって・・・・うわ~たいへんだって思いますね。
       
      またお話ししましょう~★サンドラ★

      3:01 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 私は国際結婚をしたカップルです。
    正直、夫婦間の言葉の壁を感じることがあります。
    それぞれの語学力が最近上達しないのです(泣)

    >両親は仲がよく、ケンカをあまりしないとの事ですが、もしかすると言語能力が足りずケンカができないのではないか??などと余計な想像をしてみたりもします。

    それは一理あるかもしれません。
    私もそう思ったことがありました。
    でも、これも結婚生活を維持するのにはいい面であるのかもしれないと前向きに捉えたりもしました。
    余計なことを言わずに済むこととか。

    うちは、子供が6歳と4歳で日本語中心の生活を送っているので、
    私よりまだ英語力がない。
    コラムの中の4歳児は、素直でほんとに賢い子だったんだろうなと、それと同時にそれぞれの親がそれぞれの言葉で根気強く話しかけていたんだろうなと思いました。

    うちの6歳の子は、DVDを見ていると、ときどき通訳みたいなことを自らしてきます。「ママ、ちゃんとわかってるの?」的な感じで。
    「わかってるよ〜ママも」って言うのは、字幕をしっかり見てるからね。

    でも、将来、通訳のこと気をつけよう。

    12:03 PM JM
    • JMさん
       
      コメントありがとうございますm(__)m 
       
      国際結婚は言葉の面で大変な場合も多いですよね。ウチのは母(日本人)は、私が幼稚園の頃より私が小学校の頃のほうがドイツ語が上手くなっていました。さらに私が思春期ぐらいになった時はほぼ完璧なドイツ語になり、最近は一部の発音をのぞいては文法的にはお見事です。言いたいのは、長いスパンで勉強していけば、3年前より今のほうが言葉が上手になり、更に6年後にはもっと上手くなり、そして10年後、20年後にはもっともっと上達していることが可能だということです。子供が大人になる頃には難しい話や深い話も英語(または現地の言葉)でパートナーや周りの人と話せたら理想ですよね。
       
      >うちの6歳の子は、DVDを見ていると、ときどき通訳みたいなことを自らしてきます。「ママ、ちゃんとわかってるの?」的な感じで。
       
      ↑かわいらしいですね~^^ほのぼのします。
       
      私も子供の頃、知らない間に通訳をするクセがあったようです。ウチの親が、私が言葉を話し始めた頃に、カセットテープに色々と成長を記録していたのですが、私が2歳の頃、父親(ドイツ人)が私にドイツ語を教えようとして、「”nochmals”って言ってみて?言ってみて?nochmalsって。」って私に話しかけてるのがありました。(←このドイツ語の”nochmals”っていうのは「もう一回」とか「もう一度」という意味。)その後、長い沈黙があった後に、私がドイツ語で”nochmals”ではなく日本語で「もう一回!」って言っていて、親が「うわーすごいすごい~!!^^」と喜んでいる親バカカセットテープをこのあいだ実家で発見いたしました(笑)
       
      ほかのバイリンガルのハーフも、「つい通訳をしてしまう」っていう現象が子供の時からあるみたいですね(笑)またお話ししましょう~。★サンドラ★

      2:49 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 妻はイギリス人、娘は2歳で、まだ不確かな英単語もどきの言葉しか発しません。正直言うと、娘には親の通訳をしてもらうことを期待しています(笑)。男は、自分の言いたいことが通じなければ、あっさりあきらめますが、妻は私の言うことがわからなければ、なかなかあきらめず、イライラします(笑)。こちらの英語力を高めるのか、妻の日本語力を高めるのか、娘に通訳させるか。一番手っ取り早く、確実なのは言うまでもありませんね(笑)。別に夫婦の会話ができないわけではないですが、お互い自分の言いたいことを、相手の言語で100%伝えることが難しいことは否めません。因みに、喧嘩の時は、自然と英語になるので、私には勝ち目がありません(笑)。このコラム、私たちの今後のことを言われているような気がします。

    5:09 PM Luigi
    • Luigiさん
       
      コラムを読んでいただいて一緒に感じていただいてうれしいです。英語を勉強して損なことは何もない(←基本は世界中で使えるし)と思うのでがんばってください~。・・・・って、私の英語もドイツなまりがキツイので、私も英語がんばらないと。。。★サンドラ★

      12:21 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 付け加えて、サンドラさんのご両親の場合、お父様は日本語ができないみたいなことを言われてませんでしたか?だからお母様は、ドイツ語を使わざるを得ない状況だったのでしょうか。もちろんお母様本人は、相当努力されたとは思います。うちの場合は、中途半端にお互いの言葉ができるから、逆にそれ以上の上達が難しいのかも。まあ互いの言葉が全くわからない状態では、結婚なんてしていなかったとは思いますが。

    8:57 PM Luigi
    • Luigiさん
       
      記憶力いいですね~!はい、ウチは父が日本語はほぼダメでした。母親のドイツ語の上達はそれも関係しているとは思います。ただ父はもう亡くなっていて、亡くなった後も上達していってるので父親の影響だけではないかもしれませんね。母親は私に似て時事問題が好きなので、ドイツの雑誌や新聞をよく読んでいる影響かもしれません。あとは友達と話すことですね。★サンドラ★

      12:27 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 基本的に住む国の言葉を習得するのは外国人市民としての最低の義務だと思います。言葉だけでなく法律、慣習、歴史、政治や一般常識等も含めて一生懸命学ぶべきだと思います。それによって生活の幅が出ますから視野も広がります。
    国際カップルは共通の言語を一度決めたらそれをお互いに極めればコミュニケーション上の問題はそれ程ないと思うのですが。日本人同士でも話が全然通じていない夫婦も一杯いますから。要は相手が言っていることを精一杯理解しようという誠意があるか無いかではないでしょうか。子供の通訳を介してなんて効率悪いと思います。

    12:49 AM エンテ
    • エンテさん
       
      その国に長期に渡って住む場合、そしてパートナーや子供もその国にいる場合、その国の文化と言葉をおぼえるべえたほうがスムーズだと私も思いますね。文化と言葉は切り離せないので、言葉を学習し言葉の面でのコミュニケーション能力を高めることで現地の人との交流も増えるので文化についても色々知ることができますし。
       
      しかし例えば旦那さんが3年~5年おきに世界の色んな国に転勤になってしまうような奥様は行く先々の国で大変だろうし同情する気持ちはあります。。。★サンドラ★

      12:17 PM サンドラ・ヘフェリン
  • 急病で死にそこなって、命が助かったら病院のベッドで退屈でたまらない。だからというわけではないけれど(ホントに)、サンドラのHPを見て、ずいぶん前にアフガニスタンで偶然会ったフランス系スイス男と日本系日本女のカップルを思い出した。戦争の真っ最中、ボクはジャーナリストとして仕事で行ったのだけれど、そのカップルは単なるバックパッカー。はっきり言って、とんでもないバカ。自分達のいるところが、どんなに危険かわかっていない。しかも、ボクたち外国人ジャーナリストの前で、頻繁に喧嘩をする。その理由はわれわれには、すごくよく理解できた。わからないのは当の二人だけ。
    二人の共通語は、とんでもないブロークン英語。しかも、それが通じないで誤解して、喧嘩になる。そばにいて、イライラしてきて、いっしょにいたフランス人記者と夫婦間の通訳をしてしまった。
    あの二人、どうやって愛を語り合ったんだろう。もう、とっくに別れているに決まっている。今思い出しても腹立たしい。

    9:24 PM mustafa suzuki
    • mustafa suzukiさん 
       
      先日メールをいただいた時はほんとうにびっくりしました・・・でも倒れたのが病院のある町でほんとうによかったです。そしてそんな中、私のコラム、読んでいただけるなんてうれしいです!
       
      ・・・suzukiさん、アフガン滞在の際は、カップルの通訳お疲れ様でした!!
       
      >言葉が通じなくてお互いに誤解してケンカ
       
      ・・・・もどかしいですねえ。しかしお互いに言葉がペラペラで話し過ぎた(?)結果、ケンカになることも多々あるので男女間は不思議いっぱいですねえ。しかし言葉云々以前に、戦時中の国をバックパッカーとしてまわるとか、小心者の私としては想像しただけで恐怖を感じます。・・・・話がそれてしまいましたm(__)m★サンドラ★

      10:42 AM サンドラ・ヘフェリン

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